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魔法
「あら。急に大人しくなって。怖がらなくて良いのよ」
頭を撫でる優しい手が心地よい。
エルフの瞳を見つめると彼女も見つめ返してきた。
「あなた左右の目の色が違うのね。右は犬の目だけど左目はまるで。それにしてもひどい怪我」
エルフの女性は俺の頭上に両手をかざした。
歌うような囁くような不思議な言葉を唱えた。
体が暖かくなり痛みが和らいで行く。
「姫。何をなさるのですか。野犬ごときに」
「この子は深い傷を負っているのです。放っておけません」
「おやめ下さい。その様な事をなさると、マナを使い果たしてしまいます」
「目の前に救える命が有れば私は救います」
「マナ無くして、どうして御身を守れましょうか」
「もしもの時はあなた達が私を守るでしょう。心配有りません。私のマナは数年で回復します」
俺の傷は見る間に消えて行った。




