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戦死した俺は異世界で犬の生活  作者: ウエンズディー・S・水田
野犬編

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20/63

魔法

「あら。急に大人しくなって。怖がらなくて良いのよ」

 頭を撫でる優しい手が心地よい。

 エルフの瞳を見つめると彼女も見つめ返してきた。


「あなた左右の目の色が違うのね。右は犬の目だけど左目はまるで。それにしてもひどい怪我」


 エルフの女性は俺の頭上に両手をかざした。

 歌うような囁くような不思議な言葉を唱えた。

 体が暖かくなり痛みが和らいで行く。


「姫。何をなさるのですか。野犬ごときに」

「この子は深い傷を負っているのです。放っておけません」

「おやめ下さい。その様な事をなさると、マナを使い果たしてしまいます」

「目の前に救える命が有れば私は救います」

「マナ無くして、どうして御身を守れましょうか」

「もしもの時はあなた達が私を守るでしょう。心配有りません。私のマナは数年で回復します」


 俺の傷は見る間に消えて行った。

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