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私の守護霊は、ハイカラさん  作者: 紅p
 一学期
21/75

自然の家キャンプの山は、これからだった!

 【美雪】と仲良くソフトクリームを食べていた【みどり】に、【八木】が近づいて来た。

 そして、【八木】はあの魔の手を【美雪】にまでも向けてしまう。

 それからその魔の手は、どんどん拡がっていたが、それに薄々気付いていたものの、

【みどり】達は、取り合えず、夕飯のカレー作りを始めるのだが……。

 私と美雪に近づいて来たのは、八木と佐藤だった。

 そして、八木が話し掛けてきた。

「小松さん達、中が良いんだね。いっつも一緒にいるんだから」

「そうだけど、何か悪いの?」

「宮本さん、別に、悪いって訳じゃないんだけどぉ……。佐藤さんがかわいそうかなって思ったの。

 一人で寂しそうだったよ?」

 八木は佐藤を見た。

 すると、佐藤は視線を落とした。

「宮本さん、小松さんが好きなのは分かるけど、一緒の班の人を放っておくのって、どうなのかな?」

「別に、放っておいた訳じゃないけど……」

「そう? 私にはそう見えたんだけど……」

 八木は美雪を意地の悪い顔で、チラッと見た。

「何が言いたいの?」

「別に? 宮本さん達が佐藤さんを虐めてなきゃいいって思っただけ」

「はぁ⁉ 何でそうなるのよ?」

 まさか、八木のあれの矛先が美雪にまで向いてしまった⁉

 私の頭が真っ白になっている間に美雪と、八木の言い合いは終わった。

 そして、

「行こう、佐藤さん」

と、言い残し、八木と佐藤は私達から離れて行った。

「いーーっだ‼ メェメェの奴、余計なお世話‼ 私達が何を食べようって関係ないでしょ?

 ねぇ、みどりちゃん?」

 美雪は怒っていた。

 そして、同意を求めてきた。

 だけど、それが何に対する同意なのか分からなかった。

 すると、

「マーちゃん殿の飼い主殿はメェメェが言った、

『二種類の味が味わえるソフトクリームをみどりさん達が選べば良かったのに』

と言う言葉に怒っておられるみたいです」

と、ハイカラさんが教えてくれた。

 ハイカラさんとは、私の後ろにいる、黒髪で、日本人形のような顔をした、

年齢不詳の女性の幽霊の事である。

 ハイカラさんは私にしか見えず、私にしか、声は聞こえない、私の守護霊だ。

「ありがとう、ハイカラさん」

「いえ。私は、みどりさんの守護霊ですから!

 ですが、お気を付けなされ。まだ、メェメェは何かを仕掛けてくるみたいですよ?」

「そうみたい……。美雪には、何もしないでほしいな……」

 私と、ハイカラさんが心で話していると、美雪が心配してきた。

「みどりちゃん、大丈夫?」

「う、うん。ごめんね、美雪ちゃん。嫌な思いをさせちゃって……」

「全然! 平気だよ! そんな事よりソフトクリーム、食べようよぅ! 溶けちゃう‼」

「そ、そうだね!」

 それから私達は急いで、残りのソフトクリームを食べた。

 そして、私達が戻ると思いも寄らない事になっていた。

 何がそうだったのかと言うと、他の生徒が私達を見る目があきらかにおかしかった事だ。

 さらに、私達は避けられているようだった。

「何か、変だね、みどりちゃん」

「そうだね……」

 この時の私達は知らなかった。

 八木のあれの魔の手がすぐ傍まで及んでいた事に……。

 釈然としない中、私達は他の生徒から少し離れ自然の家キャンプまでの道を歩いた。

 そして、自然の家キャンプに到着し、私と美雪はそれぞれの班に別れた。

 それから私は自分の班で、八木と一緒になった。

 その八木は、とても怖かった。

 何かされた訳じゃない。

 何もしないのだ。

 何もしてこない事が恐怖に感じた。

 そんな針の筵の中で私は過ごし、夕食のカレーを作る時間となった。

 その時間は、大隈がはりきるはずだった。

 何故なら、彼はキャンプ好きでよく家族とキャンプをし、

キャンプ場でカレーを作る事が生き甲斐と豪語していて、かなり楽しみにしていたからだ。

 だから、この少しお高そうなクーラーボックスだって持参した。

 それに、秘密の調味料だって、こっそり持参してた。

 なのに彼は先程のリクリエーションの帰り道、利き手である右手首を捻った。

 そして、八木に付き添われ石川の車で送迎された。

 それから彼等と合流すると、彼の右手首は哀れな姿となっていて、

どう見ても料理を出来そうにはなかった。

 だが、大隈は野菜を切ろうとしていた。

 そんな大隈の傍には八木がいた。

「大隈君、カレー造りは私達に任せて」

「八木さん、大丈夫だって! あっ⁉」

 その時、大隈の右手から包丁がぽろりと落ちた。

 すると、

「きゃ⁉ ほ、ほら、危ないって!」

と、八木の足元に包丁は落ち、八木は大隈に抱き着いた。

 そして、大隈の顔は赤くなった。

「ご、ごめんよ、八木さん‼」

「ぅん、もぅ……。危ないよ?」

 八木の猫撫で声で大隈の顔はさらに赤くなった。

 そんな二人を私が蚊帳の外から見ていると、何故か美雪の班の四人が近づいて来た。

「あっ⁉ 西園寺に、伊藤‼」

「大隈……。何やってんだ?」

 西園寺は、大隈達を冷ややかな目で見た。

 すると、大隈は逃げるように八木から離れた。

 そして、伊藤が大隈に話し掛けた。

「大隈君、約束のカレー、どうだ?」

「伊藤、それがさ、結構、手が痛くって……」

「出来そうにないか……」

「すまん! 野菜さえ切れれば出来そうなんだが……」

「ったく! 大隈の馬鹿‼」

「西園寺……。そんな事言うなよ……」

 この三人は何を話しているのだろう?

 私の謎に、美雪が答えた。

「みどりちゃん、ちょっと、聞いてよ‼

 あの馬鹿三人組ったら勝手に今夜の料理をカレーにするって決めてたんだよ‼」

「えっ⁉ でも、美雪ちゃんの班ってお昼もカレーじゃなかったっけ?」

「そおーなのっ‼ だから今夜は違うメニューだったのに……。

 大隈のカレーを食べるって三人で約束してたんだって‼」

 美雪曰く、西園寺達は今夜、大隈のカレーを食べる事をこっそり計画していた。

 だから、今夜の食材は西園寺と、伊藤の二人で準備していたらしい。

 だが、計画実行を前にして、大隈のトラブルが発生した。

 それでもこの三人は大隈のカレーをあきらめていなかった。

「野菜さえどうにかなれば後は何とかなるんだって‼」

「誰が切るんだよ? 言っとくが、宮本は駄目だからな‼」

「西園寺⁉ ちょっと、どういう意味?」

「あぁっ? 昼のあれは何だ? 形は悪いわ、皮を厚く切るわ……。あんなのされちゃ困んだよ‼

 折角俺達が用意したもんでな‼」

「ムキィーーーッ‼ あれは私一人じゃないもん‼ 佐藤さんだって切ってました‼」

「じゃあ、佐藤も駄目だな!」

「なぁーによそれ⁉ じゃあ、あんたがやればいいじゃん?」

「俺等は忙しいんだ。ちゃんと作っておけよ!」

 その言葉を残し、西園寺と伊藤は、何処かへ行ってしまった。

「うぅぅ……。最悪なんですけど‼」

「ごめん、宮本さん。どうしてもあいつらが俺のカレーを食いたいって言うもんだから……」

「そうじゃなあーーい‼ 西園寺の馬鹿の事‼」

「ああ、西園寺か……」

 それから暫く美雪は不機嫌だった。

 その美雪を含め話し合いの結果、西園寺の為、野菜を切るのは美雪と佐藤以外がやる事となった。

 私はそれをやるのは平井と思っていた。

 だって、昼食を作る時、彼は料理好きだと聴いていたから。

 なのに、それをやるのは、私だった。

 どうしてそうなったのかと言うと、飯盒炊飯で火を使う時に、男子がいないのは却下され、

平井はそっちに回されたからだ。

 残るは、八木と、私だったのに……。

「小松さん、頼める?」

 大隈が私なんかに頼んできた。

「えっ⁉ わ、私?」

 驚いた私は自分を指さした。

 きっと、顔は嫌そうな顔をしてた。

 でも、大隈はそのまま話を進めた。

「そうそう。何か、小松さんなら出来そうじゃん?」

「上手くはないけど……。普通程度なら……」

「頼むよ! 切ったら、後は俺がするから‼」

 頼まれたら、断れない性格の私。

 そんな私は、大隈の頼みを断る事は出来なかった。

 だから、私は大隈と料理をする事となってしまった。


 私は、小松 みどり。

 ね、ねぇ、大隈君⁉

 なんで、私なの?

 もう、笑ってないで、教えてよ!

 それに、ハイカラさんまで、何で笑ってるの⁉

 し、しかも、西園寺君は、何か怒ってる……。

 私、無事に、家に帰れるかなぁ……。

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