やっと辿り着いた念願のあれの味!
※まずは、初ブックマークに御礼申し上げます!
とても励みになりました!
そして、一読してくださってくれている方々へ。
これからもよろしくお願い致します☆
【みどり】は【美雪】と自然の家キャンプのメインイベントの一つである、
ジャージー牛の牛乳を使ったソフトクリームを食べに行く事となった。
その途中、また自然の景色に驚かされている【みどり】に【ハイカラさん】が話し掛ける。
そして、【みどり】達は念願だったあの店に並んで……。
集合場所である夜にキャンプファイヤーが行われる場所に私達は集合した。
そこで、私は美雪の右隣に座った。
そして、私の右隣には、私の守護霊のハイカラさんが座っている。
「しかし、相変わらずこの学校の紳士、淑女達は、落ち着きがない方の多い事!」
「こういうイベントは、開放感があるからねぇ」
私が心で話している、私の右隣にいる、
黒髪で、日本人形のような顔をした、年齢不詳の女性の幽霊が、ハイカラさんだ。
今日は一緒に自然の家キャンプに来てもらっている。
私達はこれからこの自然の家キャンプの周りを約一時間程歩く。
そして、この自然の家キャンプ付近で飼育されているジャージー牛から取れる牛乳を使った
ソフトクリームを食べに行くのだ。
「ねえねえ、みどりちゃん。ソフトクリーム、どっちの味にする?」
「私は、コーヒー味にする!」
「じゃあ、私は牛乳ソフトにするからさ、みどりちゃんのソフト少し、ちょうだい!」
私達が食べにいくジャージー牛のソフトクリームには二種類の味がある。
どちらの味も美味しそうで、甲乙付け難い。
だから、美雪がそう言うのも最もだ。
なので、
「いいよ。美雪ちゃん」
て、私は二人のソフトクリームをちょっとずつ交換する事を約束した。
私達が約束を交わしている間に花田がこれから行われるリクリエーションの注意事項を
話していたみたいだった。
でも、いつの間にかそれは終わっていた。
何はともあれ、私の班と美雪の班は清水の先導でリクリエーションを始める事となった。
「じゃあ、出発するから。みんな、よそ見せず付いて来いよ!」
「はーい。清水っち!」
「宮本……。返事は、一番良いが、お前が一番心配だ」
「えぇーーっ⁉ それ、どういう意味?」
そして、清水は私を眠たそうな目で見た。
「小松……。宮本を頼んだ」
「はい、清水先生」
「みどりちゃん⁉」
美雪は私の右腕に抱き着いてきた。
そして、そのまま力を込めてきた。
「痛いよ、美雪ちゃん!」
「へっへん! 裏切った罰だよ‼」
美雪はそれから暫く、私の腕を離してはくれなかった。
でも、美雪はその間ずっと上機嫌だった。
そして、私の左隣を歩いているハイカラさんも嬉しそうだった。
「みどりさん、歩き難そうですね」
「ハイカラさん、歩き難いけど……」
私は、次の言葉を心の中で言う前に、くすっと笑った。
「あぁーっ! みどりちゃん、また、笑った⁉」
「そうだね」
「何か、あった?」
「えっと、秘密!」
「何それ⁉ 教えてよ‼」
「えっへへ! 内緒!」
美雪には秘密って言ったけど、ハイカラさんには秘密には出来なかった。
だって、聞かれちゃったんだもの。
美雪ちゃん、このまま離さないでほしいって……。
そして、何回言っても言い足りない、ありがとうって言葉を……。
そんな私達は、三〇分程くっついて歩いた。
すると、湖が見えた。
「みどりちゃん、見てみて! ボートがあるよ!」
「そうだね。それに、見た事のない野鳥もいるよ!」
私と美雪が湖を眺めていると、私達の周りには、ちょっと強いけど、爽やかな香りが漂って来た。
「んっ⁉みどりちゃん、 これ、何の匂いかな?」
「本当だ……。とっても爽やかな香り!」
でも、辺りを見てもどれがその香りの正体か分からなかった。
すると、ハイカラさんが口を開いた。
「菖蒲の葉の香りですよ」
「ハイカラさん⁉」
そして、ハイカラさんは湖の付近に群生している植物を指し示した。
それから、
「別名、【あやめ草】と申しまして、この時期に花が見ごろを向かえるんですよ」
と、ハイカラさんは続け、菖蒲について色々と教えてくれた。
菖蒲草は艶がある剣の様な形の葉に、淡い黄緑色の楕円形の花が鈴なりに咲くのが特徴らしい。
そして、菖蒲草は昔からその爽やかな香りで邪気を払えると信じられてきた。
だから、端午の節句には厄払いの意を込めて菖蒲湯に浸かるという風習が出来たり、、
梅雨時にはその葉を玄関先に飾るといった風習が出来たらしい。
ちなみに、菖蒲草が何故【あやめ草】と呼ばれるのかと言うと、
昔、邪気ばらいを行っていた人の事を【あやめ】と呼んでいたからとか。
「へぇ……。やっぱり、ハイカラさんは物知りだね!」
「ほほほ。これぐらいの事で褒めていただいても、困りますわ!」
「でもさ、菖蒲の葉を飾る事なんて、ないな……。それに、菖蒲湯なんて入った事ないよ」
「そうでしたか……。私の時代では、当たり前でしたのに……」
「あっ、でも、菖蒲湯には浸かってみたいな!
この香りのお風呂だと、疲れが取れて気分も爽快になりそうだし!」
「それは、是非、試してみてください!」
「うん。帰ったら、ネットで探してみよっと!」
「何をです?」
「通販だよ。きっと、温泉の元とかでありそうだし!」
「温泉の元、ですか……」
ハイカラさんは、ネットで通販、それに、温泉の元の意味を分かってなさそうだった。
だから、私は帰ったら、一緒にネットで通販をする事を約束した。
そして、私は雨上がりの六月の太陽の光と菖蒲草の緑と湖の青さを楽しみながら、
三〇分程歩いた。
その景色はとても綺麗で、スマホを持っていれば良かったと少し残念な気持ちになる程だった。
だから、忘れないように、私は、しっかりと目に焼き付けた。
この綺麗な景色と、そこにいる美雪、そして、ハイカラさんを。
そんな時間はあっという間に過ぎ去り、
念願だったジャージー牛の牛乳を使った、ソフトクリームを食べる時が来た。
そして、私達は並んでその時を待った。
でも、中々それは訪れなかった。
「あーーん! 早く、順番、来ないかな?」
「他のお客さんもいるしね。でも、あと少しだよ、美雪ちゃん」
「本当? あと、何人?」
「うーんと、あと、七人、前にいるみたい」
「みどりちゃん……。全然、少しじゃない……」
美雪は肩を落とした。
そんな美雪の気を紛らわせながら私は美雪と順番が来るのを待った。
そして、その時は来た。
「お待たせいたしました。御注文を伺います!」
「コーヒーソフトと、牛乳ソフトをくださぁーい!」
美雪は私の分の注文もしてくれた。
それから店員さんによってコーンカップに綺麗にソフトクリームは飾り付けられ、
最後に小さなスプーンが添えられた。
「はい、先に牛乳ソフトの方、どうぞ」
「ありがとう、お姉さん!」
美雪は牛乳ソフトを受け取った。
そして、私の番となった。
「じゃあ、こっちはコーヒーソフトで良いかな?」
「はい。ありがとうございます」
私もコーヒーソフトを受け取った。
すると、美雪はにこにこしながら店員のお姉さんに声を掛けた。
「ねえねえ、お姉さん。私達ね、これから二人で少しずつ変えっこするんだ!」
「あら、中が良いんだね」
「うん。仲良しなの!」
美雪はさっきの約束を子供っぽく自慢した。
私達は店員のお姉さんから微笑ましく見られ、少し恥ずかしかったけど、そのまま店を出て、
二人でベンチに座った。
「みどりちゃん、早く食べようよ! 溶けちゃう!」
「そうだね」
「じゃあさ、先にどうぞ!」
美雪はそう言って、自分のソフトクリームを差し出した。
「えっ⁉ いいの?」
「いいから、いいから! そのスプーンで、どんと取っていいから!」
「わ、分かった」。ありがとう、美雪ちゃん
そして、私は恐る恐る自分のスプーンで美雪のソフトクリームを掬った。
小さなスプーンに、そっと、一口分ソフトクリームをのせると、
「もうっ‼ そんなに遠慮しないで‼」
と、美雪がその三倍の量のソフトクリームに換えた。
「こ、こんなに、食べていいの?」
「いいのいいの!」
「じゃあ、いただきます!」
私は牛乳ソフトを大きな口を開けて一口で食べた。
すると、給食で出て来るあの牛乳とは比べ物にならない美味しさが口いっぱいに広がった。
そんな私の顔を美雪が覗いてきた。
「どう?」
「凄く、美味しい!」
「良かったぁ!」
「じゃあ、美雪ちゃんも、どうぞ」
「ありがとう、みどりちゃん!」
そして、美雪は私が食べた量より一回りは多くソフトクリームを掬った。
それを一口で口に入れ、満足そうな顔をした。
そうやって二人で楽しんでいると、またあの人が、私達に声を掛けてきた。
私は、小松 みどり。
美雪ちゃん、菖蒲草、とっても綺麗だったね!
えっ、あの湖の所にあった爽やかな香りがしたやつの事だよ?
そ、それは、ハイカラさんから聞いてて……。
そんな事より、ソフトクリーム食べよう!
ん?
西園寺君達って、相変わらず三人でいるんだね。
何、話してるのかな?




