帝国に攻め入ることにしました
「ボドイン、いい加減にしろ」
そんなボドインに、いつの間にか気絶から目覚めて竜ちゃんから降り立ったセドリックが話しかけてくれた。
「これは殿下。私を裏切ってくれて、この辺境の国ヤマトの犬になられたとは見損ないましたぞ。皇帝陛下がさぞお嘆きになられますな」
「ふんっ、ボドイン、俺は騎士だ。騙し討ちしてヤマトを手に入れた父上や貴様のような卑怯な奴が大嫌いだ」
セドリックは唾を吐きかけるようにボドインを軽蔑した。
「大嫌いなどとそんな子供のようなことを言われるとは……本当に馬鹿ですな。だから第六皇子は脳筋でどうしようもないと呆れられるのですよ」
ボドインは呆れてくれた。
「セドリック様。私の事はほっておいてお逃げください」
女の子がいきなり叫んでくれた。
「お前は……俺が助けた飯屋の女か?」
「ほう、この女は殿下とお知り合いですか」
ニヤリといやらしい笑みをボドインは浮かべた。
「私の妾に召し上げたのですが、これは楽しみが増えましたな」
そう言っていやらしそうに笑うボドインに私は虫唾が走った。
そろそろ潮時だ。もう始末しても良いだろう。
「アラン・ボドイン。ヤマトの神々に成り代わり貴様を侵略罪にて処断する。あの世で我が両親とシンノジョウの前で土下座するがよい。尤も貴様が行くのは地獄だがな」
私はそう言うと草薙の剣を上段に構えた。
「これはヤマトの姫君は冗談がお好きですな。この状況でよく言えますな。後の兵士達が見えないので?」
ボドインが顎で後を指す。
いつの間にか逃げていた帝国兵が沢山ボドインの後ろについていた。
千名くらいはいるようだ。
どうやら、私達は先行しすぎたらしい。
我が方の味方はまだ全然追いついていなかった。
でも、そんなのは関係なかった。
五万の兵が千に減ったということだ。
私はセドリックと竜ちゃんに合図した。
竜ちゃんはいつの間にか小さくなって、私の前にいたのだ。
この三人がいれば勝てるだろう。
私一人でも十分に勝てたが……
「ユキ姫、この娘の命が惜しければ剣を離すのだな。者ども、ユキ姫と反逆者のセドリックを捕縛しろ」
ボドインが余裕でそう命じてくれた。兵士たちが追い付いて、余裕ができたみたいだ。こんな兵士など私達の敵ではないのだが……
「ギャーーーーー!」
そんなボドインに小さくなった竜ちゃんが視界の下から飛びついてそのナイフを持った腕に噛みついていた。
小さくなっても竜だ。
ボドインの腕は竜ちゃんに噛み切られていた。
娘を離して、無くなった腕をのあった場所を抑えてボドインはもだえ苦しんでいた。
シンノジョウの痛みの十分の一でも味わえ!
そう思う私の目の前でセドリックが娘を引き離してくれた。
「セドリック様」
娘はセドリックに抱きついてくれた。それを見て何故か私はムッとした。
何でだろう? まあ、今はそれどころではない。
「ギャオーーーー!」
私に殺到しようとした敵兵士の頭上で竜ちゃんが巨大化する。
「「「ギャーーーー」」」
「竜が……竜が出たぞ」
兵士達が腰を抜かしてくれた。
「アライン・ボドイン。天に成り代わって貴様を処断する。死ね!」
私は剣を振り払っていた。
ズバッ
次の瞬間ボドインの首が吹っ飛んでいた。
私は家族の仇を討ったのだった。
私はその脚でエドを解放した。
ヤマトの地から夷人を一掃したのだ。
私はその後ヤマト王国代1001番目、神の時代を除くと正確には201 番目の国王となった。
そして、末永く国の繁栄に寄与したのだ……
「そんな簡単に行くわけ無いでしょう。姫様、どうするのですか? 帝国が大軍をイースト王国に集めているとの報告が届いていますが……」
私の横で文官の格好をしたヒロトが叫んでくれた。
「ふんっ、元々我が王国に侵略してきたのは帝国だ。当然受けて立つ」
私は立ち上がった。
「左様。帝国など何するものぞ。例え百万の兵が攻めてきましても、このサツマがたたき返してやりますわ」
そう大口を叩くとサツマが大笑いしてくれた。
もつともこの男の場合は実際にサツマの地に帝国軍五万を迎え入れて撃退した実績があった。サツマには悪魔がいると世界にサツマを知らしめたサツ帝戦争の当事者だ。
「サツマ伯、何を言われる。戦闘の指揮はこの陛下の僕のセドリックが承ります」
「ちょっと待て。それは近衛騎士団長のこのソウヘイにお任せ下さい」
「何を言う、ここは儂だ」
「いえいえ、ご老体はそろそろ引退されれば」
「はああああ、貴様ら若造にはまけんわ」
「軍の指揮は私でしょう」
「いや儂だ」
「俺がやります」
先陣争いで三人が争いだした。
どうやら、まだまだ楽は出来ないらしい。
しかし、この地に敵を待ち構えるなど悠長な事を言って入られまい。
「良し、ここは敵の本拠地ホンコンに攻め入るか」
「はい、陛下、それは本気ですか」
ヒロトが悲鳴をあげた。
「姫様、それはあまりにも無謀でしょう」
「先手必勝という言葉もあろう」
私は不敵な笑みを浮かべられたはずだ。
「いや、そんなことしたら財政が破綻します」
ヒロトが必死に抑えようとしたが
「帝国から接収した金銀財宝があろう」
私がそう言うと
「さすが陛下、ここはアマテラス様の先例もございます」
「是非とも先陣はこのソウヘイに」
「いや、このセドリックに」
「当然、サツマにお任せ下さい」
「ええい、貴様等勝手な事ばかり叫ぶな。国家財政が破綻するといっているだろう!」
いつ果てるとない議論が続いていた。
まあ、私は戦姫、どうやら楽するわけにはいかないらしい。
家族を虐殺してくれた帝国の皇帝にはまだ仕返しも出来ていない。
ここは攻め込むしか無いだろう。
宮廷では春風に桜が散り始めていた。
まさに今、帝国との先端が開かれようとしていたのだ。
おしまい
取りあえずここで完結です。
ここまで読んで頂いて有難うございました。
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続き書くか別作品書くかは現在検討中です。
今後ともよろしくお願いします








