王女の剣士視点 足を地面に氷つげにされたので、剣で自分の足を斬りました
俺はソウヘイ、姫様の側近第一号だ。
アオイが私が先だとかふざけた事を言っているが、俺が8歳の時に側近一号だと姫様も認めてくれたのだからそうなのだ。
剣士として姫様付きでずっとやってきた。
姫様はアマテラス様の血を濃く引き継がれたみたいで、姫様が5歳で会った頃から既に強かった。
でも、俺はその時8歳と年上だった。たまに俺でも、勝てることがあった。でも、姫様はあっという間に俺達を遙か彼方に引き離してくれた。
本当に姫様は強い。
俺達が大陸のダンジヨンに潜っていた時も、姫様が勝てなかった魔物はいなかった。
出会うが八卦当たるが八卦、尽く倒してくれたのだ。
俺達は姫様が倒されなかった雑魚を相手にしているんでは無いかと思ってしまうくらい姫様は強かった。
俺達がセドリックに出会ったのは、武者修行と称して大陸でダンジョン巡りをしている時だった。
奴は帝国の皇子とは思えないほど気さくな奴で、俺達はあっという間に仲良くなった。
セドリックも剣術は得意みたいだったが、俺と同様姫様にコテンパンにやられて鼻っ柱をたたき折られていた。
俺とセドリックは良いとこ勝負だった。
俺達は姫様に勝つために切磋琢磨したが、結局全く勝てなかった。
俺達は二人して酒を酌み交わした。
「姫様は好きな方はいらっしゃるのか?」
セドリックが酔った勢いで俺に聞いてきた。
「いや、いらっしゃらないと思うぞ」
俺はそんな事を聞いてくるセドリックに答えていた。
「ただ……」
「ただ、なんだ?」
「いや何でもない」
俺は首を振った。
セドリックに対する態度が俺達とは明らかに違うと感じることが最近多かったなと思い出しただけだった。
考えたらセドリックは帝国の第六皇子だ。
元々王弟の婚約者は帝国の伯爵家の人間だった。
セドリックは帝国の皇族なので、我が王国に婿に入ろうと思えば入れる。
高々子爵令息の俺と帝国の皇子では天地雲泥の差があると俺は感じてしまった。
俺も姫様が好きだったが、元々俺では絶対に無理だと諦めていた。
でも、こいつは手を伸ばそうと思えば届くというのが少し気に入らなかったが……
その日は2人でぐてんぐてんになるまで飲み交わした。
翌朝二人して二日酔いで死んでいたのも良い想い出だ。
しかし、ヤマトに帰ったらそれどころではなかった。
俺達のヤマト王国が王弟の反逆にあって帝国の属国になっていたのだ。
国王夫妻とシンノジョウ様を殺されたと知った姫様は気絶してしまった。
姫様が気付かれたのはそれから三日後だった。
姫様は自分がもっと早く帰ってこなかったことを苦にされ、騙したセドリックは絶対に許さないと言っておられたが、セドリックの本心を聞いた俺はセドリックが帝国の侵攻を知っていて俺達その場に引き留めたとはどうしても思えなかった。
今回セドリックが姫様を訪ねてきた時も、セドリックの表情から騙すつもりは無かったと判った。
姫様はまだウタガツテいるみたいだったが……
でも、セドリックは自分の無実を証明するために古代竜を相手にするというのだ。
俺は死にに来たようなものだとやめるように伝えたが、セドリックは
「大丈夫だ」
と言って考えを改めてくれなかった。
俺は憮然とした。
もっとも俺も魔術師の相手をするのでそんな変わらなかったが……
まあ、魔術師ならアオイ相手に訓練しているからまだなんとかなるだろう。
「絶対にならないからね。私は貴方とやる時は手加減しているんだから」
しつこいくらいにアオイが言い連ねたが、手加減しているのは俺も同じだっていうの!
俺は心配性のアオイを適当に流してそのまま戦闘配置についた。
戦いが始まって俺達は並んで敵陣目がけて駆け出した。
「燃えよ!」
いきなりアオイが敵の筆頭魔導師と戦いだして、俺は驚いたが、俺の獲物はどこだ?
俺がキョロキョロしていた時だ。
いきなり足下に氷の矢が突き刺さっていた。
「ああら、当たらなかったのね! 貴方運が良いわね」
俺の前に女が立ち塞がってくれた。
ニヤニヤ笑ってやがる。
氷という事はこいつは氷の女王として有名なエイダ・グリーンヒルだ。
帝国東部方面軍四天王の一人だ。
よし、ターゲット発見した。
「お前、ノーコンなんだな」
俺は馬鹿にしてやった。
「何ですって! ところで、ノーコンって何なの?」
「お前馬鹿だな。コントロールがなっていないことだよ」
そう無駄口をききながら俺は急激に距離を詰めていた。
「何ですって!」
エイダは俺の言葉に斬れてくれた。
「喰らえ!」
氷の矢が俺を目指して飛んで来たが、俺は躱した。
いつもはアオイの巨大な炎の塊だ。
氷の矢なんて大したことはなかった。
「よし、いける!」
俺は斬れると思ったのだ。
「喰らえ!」
俺は一気に詰めると斬りつけた。
絶対に斬れたと思ったのだ。
ガキン!
しかし、いきなり俺の前に氷の壁が現れたのだ。
俺はその氷の壁に邪魔されて女を斬り裂けなかった。
「馬鹿ね。そんな剣で私を斬れると思ったの?」
女は馬鹿にしてくれた。
「今度は私が行くわよ。剣士さん」
その声とともに壁の向こうから大量の氷の矢が飛んで来た。
俺は剣で次々に落としたが、きりが無い。
「ちっ」
舌打ちすると俺は後ろに下がった。
「ふんっ、魔術師相手に剣士が距離を置くなんて馬鹿ね」
今度は氷の魔術を次次に俺に向けて放ってくれた。
そうだった。少し失敗し方も知れない。
俺はそれを剣ではねるが剣が凍ってしまった。
「しまった!」
「甘いわ」
次の瞬間俺の足下に大きな氷の塊が落ちてきた。
「ギャッ!」
俺は足を氷で固定されていた。
「あっはっはっはっは。足を氷漬けにされたら剣士も終わりね」
笑いながら氷の女王は俺に近付いてきてた。
これはやばい。
足はなんとか片脚は動くみたいだった。
左脚が地面に凍り付いていた。
どうする?
勝つにはこうするしか無かった。
「ふふふふ、これで終わりよ、死ね」
動けない俺目がけて剣でトドから無い距離からエイダは氷魔術を発動してくれた。
その直前に俺は剣で左足の氷漬けの部分を地面ギリギリを斬っていた。
そして、前に飛び込んでエイダの氷魔術を躱した。
そして、剣を下から上に突き上げたのだ。
「グェッ」
その剣はエイダの胸に突き刺さっていた。
「ま、まさか、自分の足を斬るなんて……」
呆れた声を出すと、血反吐を吐いてエイダは倒れてくれた。
ソウヘイ視点でした。








