王女の家臣視点 最強魔術師に殴り飛ばされました
すみません。
色々あって朝は更新出来ませんでした。
姫様達が古代竜と戦い出すのを尻目に私はその後ろにいるであろう帝国魔術師を目指した。
どこのどいつが最強魔導師だ?
私は走りながら血眼になって探した。
ソウヘイとサツマ伯には強い魔導師を当てたくない。
一番強い魔導師は私が相手しないと……まあ二番目も三番目も強いとは思うけれど……
姫様も無茶苦茶だ。不死身の姫様ならいざしらす、普通の剣士を魔導師に当てるなんて、死ねって言っているようなものだ。
「ソウヘイともこれで会うのが最後か……」
別れしなに私が言うと、
「縁起の悪いことを言うな。俺は魔導師を倒して戻って来るからな」
といきっていたが、おそらく難しいだろう。
ソウヘイは魔導師を舐めている。
剣士が魔導師に勝てるなんて奇跡が起こってこそすれだ。
そんな事を考えていたら、いきなり古代竜の上から姫様に雷撃が放たれるのが見えた。
姫様はそれをクサナギの剱で跳ね飛ばしていた。
姫様だから出来ることだ。普通の剣士なら黒焦げになっていただろう。
何しろ姫様はアマテラス様の生まれ代わりなんだから……
古代竜が雷撃なんてするのかと目を凝らすとなんと古代竜の上にふんぞり返った魔導師が乗っていた。
「はっはっはっは。少しはやるようだな小娘。今のは小手調べだぞ」
偉そうに講釈を垂れていた。
お前の相手は私よ。
「燃えよ!」
私は火炎魔術を放った。
ぼっ
火炎魔術は何故かまた男の頭を燃やしていた。
変だ!
男を燃やした積もりだったのに……この前手加減して頭を燃やしてやったから、それが移ってしまったんだろうか?
「ギャーーーー!」
男が悲鳴を上げて竜の上から転がり落ちてくれた。
それで死んでくれたら楽だったんだが、男は死ななかったみたいだ。
「おのれ、小娘、貴様、良くも儂のカツラを燃やしてくれたな!」
男は怒り狂って立ち上っていた。
こいつカツラだったんだ。
なら別に燃やしても問題はなかったろう。
良心の呵責なんか考えて無かったけれど……私は少しほっとした。
「この帝国東部方面軍四天王筆頭魔導師、ジム・ポプキンス子爵様と知っての狼藉か」
良かった。
こいつが筆頭魔導師だった。一番強うそうな赤竜の上に乗っていたからそうかとは思ったけれど、もし違ったらどうしようと危惧していたのよ。
なら周りを気にせずに思いっきり戦える。
たまに、筆頭魔導師よりも強い次席魔導師がいるみたいだけど、おそらく最強はこいつだ。
馬鹿さ加減は前のトムと同じだけど。
放っているオーラがあの馬鹿とは違った。
「小娘、喰らえ、スーパー雷撃!」
ジムは私に対して雷撃してきた。
それも先程とは比べ物にならない強力な雷撃だ。
私でなければ一瞬で丸焼けだったろう。
私は障壁で防いでいた。
ダンッ
凄まじい光を放って雷撃は空に飛んでいった。
「ほお、少し流行るな、小娘」
男はにやりと笑ってくれた。
「では、次はこれでどうだ。スーパー超雷……」
「燃えよ!」
私はジムの攻撃を待っていなかった。
どこの馬鹿に次の攻撃を待つ馬鹿がいるのよ。
先に攻撃した方が勝ちだ。
今度の攻撃は効いたみたいだ。
「ギャーーーー」
ジムが一瞬で燃えたのだ。
ジムは火を消そうと地面を転がり回ってくれた。
やった。
勝てたか?
私がそう思った時だ。
火を消し止めたジムが立ち上ってくれた。
私はそんなジムを待たずにもっと早く連続で攻撃していれば良かったのだ。
「小娘。貴様、良くも儂が詠唱中に攻撃するなどという、卑劣な事をしてくれたな。もう許さん」
男は怒り狂っていた。
なんか見た目も燃えているように見えるんだけど、そんなわけはないはずよ。
「行くぞ、小娘、スーパー超最大……」
こいつは馬鹿だ。詠唱を長くすれば魔術が強力になるなんて聞いたことはないのに!
「燃えよ!」
私はまたしても詠唱途中にジムを燃やしてやったのよ。
でも、ジムは火だるまになったのに、今回はにやりと笑っているんだけど……
おかしい……
魔術を纏って防御しているのか?
私の背筋がぞうっとした。
「はっはっはっは。小娘。これで終わりか。次は俺から行くぞ」
なんとジムは笑って私目がけて走ってきたのだ。
「えっ、嘘?」
私は唖然とした。
「燃えよ!」
もう一度やったが、既に燃えているのだ。ジムはびくともしなかった。
氷の方が良かったかと思った時は遅かった。
燃えているジムが私の目の前まで来ていた。
「喰らえ!」
そう叫ぶとジムは私を殴り飛ばしてくれたのだ。
バシン!
ダッダッダッダッダ!
私は林の中を木にぶつかりながら吹っ飛ばされていた。
ズドーン
そして、やっと大きな木にぶつかって体が止った。
何なのよ、あれは?
あんな魔術の攻撃は初めて見た。
あれが魔術なんだろうか?
あんな力業、ソウヘイの方が余程得意だ。
あれならソウヘイに対応を任せた方が良かったのではないかと私は思ってしまったんだけど……
私は頭を振って立ち上った。
ジムはどこだ?
そう思った時だ。
私の目の前にジムが飛んで来たのだ。
私は障壁を張ろうとしたが、間に合わなかった。
ダンッ
今度は左頬を殴られて吹っ飛んでいた。
地面に思いっきり叩きつけられる。
頬がヒリヒリした。
何故魔術戦で肉弾戦をしないといけないんだろう?
起き上がろうとした私の前にまた、ジムが来てくれて、私の胸を踏みつけてくれたのだ。
こ、こいつ、私の胸をぐりぐりと踏んでくれた。
私のそれで無くてもない胸を良くも更に小さくしようとしてくれたな!
私は切れていた。
「何だペチャパイか」
この男絶対に許さん!
私は男を睨み付けていた。
「ほおおおお、まだ反抗する気があるのか」
男はニタリと笑ってくれた。
「仕方が無い。今から貴様をあの世に送ってやるぞ。ウルトラスーパー超雷…………」
ジムは長い詠唱をし出してくれた。
こいつが馬鹿で良かった。
「紅蓮の炎で燃え尽くせ」
私は爆裂魔術を放っていた。
「ギャーーーーー」
私の体の上でジムは火だるまになった。
今度は魔術を纏っても防げなかったみたいだ。
男はのたうちながら燃え尽きてしまったのだった。
アオイの勝利です。
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