ツルギ岳に宝剣クサナギの剣を取りに行こうとしたら、やまたのおろちが現れてくれました
ナカセンドウはエドのニホン橋から526キロ、69の宿場町がある。
トウカイドウに比べて40キロほど長い。カントウの中心エドと結ぶ幹線の一つだ。
今世では国の中心はずっとキョウだが、エドにはカントウ府があり、それなりに栄えていた。
ナンバは何をとち狂ったか帝国にそのエドの租借を許していたが、神のおはしますヤマトの地を夷人に割譲するなど許されたことではなかった。
今回のナンバの反乱は帝国のボドインに指嗾されて引き起こされた事だ。
ゲームでは、私の学園卒業と同時に私が婚約破棄されて修道院送り、その後に革命が起きるのだが、私が異世界転生していたからか、そのせいでお転婆になっていて戦姫になったからか、革命が起こるのがというか反乱が起こるのが二年ほど早められていた。
元々ボドインはヤマト王国の転覆をするために帝国から送られてきた工作要員だったのだと思う。
でないと帝国の侯爵がわざわざ大使とはならないだろう。
私も何回か会ったことはあるが、いかにも悪巧みしそうな脂ぎった顔をしていた。
まあ、うちのヒロトと良い勝負だ。
「姫様、いくらなんでも、あのボドインと一緒にするのは止めてください」
ヒロトに怒られたが、悪巧みに関する勝負はどっこいどっこいだと思う。
まあ、そのボドインの上に帝国の皇帝がいるのは確実だ。
会ったことはないがセドリックに似た腹黒皇帝が企みそうなことだ。
私がいないのを幸いとナニワを指嗾して反乱を起したのだろう。
全てはセドリックに騙されて大陸でのほほんと冒険していた私が悪かったのだが……
そのエドのボドインこそ、今回の悪の元凶といえた。
絶対に仇を討ってやる。
私のシンノジョウを処刑した事後悔させてやる。
その上で私は今回の反逆の大本を考えた帝国の皇帝をも許すつもりは無かった。
絶対にぶっ殺す、そう心に決めていた。
本来ならばトウカイドウを船で駆け抜けて一気にエドを落としても良かった。ボドイン相手ならなまくら刀でも良かったが、帝国の皇帝を相手にするなら私もまともな刀が欲しかった。
ということでナカセンドウを進み、神聖ツルギ岳に初代アマテラス様が奉納したというクサナギの剣を取りに行こうと思ったのよ。
今回の軍の先鋒はサツマに任せていたのは急いでいるというのもあったわ。
でも、何故かサツマの兵士の数が100から500に増えていたんだけど……サツマって九州の南の端だと思っていたんだけど皆して領主様の一大事って事で街道を走ってきているそうなのよ。
サツマ人って言葉も何か違うし、やはり別人種なんだと私は呆れたわ。
何も走らなくても船を使えば良いのに!
「姫様、船など使えば軟弱になってしまいますぞ」
サツマはいうけれど何千キロも走ってくる方が異常よ。
「「「チェスト!」」」
奴らは狂人のごとく叫びながら走ってくるのだ。
ヤマト人では無かった。
辺境の蛮族だ。
まあ、確かにヤマトの南端にあったけれど……
サツマにだけは敵になってほしくないわ。
私の偽らざる本心だった。
そのサツマ勢500を先鋒にソウヘイの千、アオイの千、近衞の千、ナニワの部下だった降伏した五千の一万で出陣した。
最初は……
でも、サツマについて行けるわけは無く……
サツマにはシオジリの宿で待機するように言ったんだけど、なんと二日で着いてしまったみたいだ。
他がついて行ける訳はないわよ。
私は残りには通常の行軍スピードでくるように伝達して、私達は馬でサツマを追ったのよ。
「サツマのじいさん早すぎますよ」
ソウヘイはブツブツ文句を言っていたが、まあサツマ人は人では無いから。仕方がないのよ。
オリンピックの競技があればマラソンで優勝できたと思う。
私達も四日後にはなんとかシオジリの宿に着いた。
沿線の歓迎やらなんやかんやで遅くなったのよ。
一応私が今後国を背負って立つから一瞬でも歓迎の席に出無いわけにはいかないし、オウミ伯やミノ伯のメンツを潰すわけにはいかなかったのよ。
それにトウカイドウは船を使えば兵糧の運搬とかは楽だが、ナカセンドウはそういうわけにもいかず、ヒロトが兵糧の運搬に苦労していた。それを助けるためにも沿線の領主の助けは必要だ。無碍には出来なかったのよ。
領主の了解さえ取れば後はヒロトに任せれば良いだろう。
私の一行100名はシオジリの宿でシナノ伯の迎えで歓待された。
ごちそうが並べられて飲み物が出て……アオイとアラレは私に注がれた酒を代わりに飲み干してくれた。二人ともとっくに成人は過ぎているしウワバミだったから……
「でも、その翌日に出られるなんて」
アオイが青い顔をしていた。
「仕方が無いじゃ無い。時間が無いのよ」
私は駆け足で走っている馬の上で言い訳した。
私はソウヘイとアオイ、それにアラレ、それと何故かサツマがついてきていた。
「何故、その方がついてくるのだ?」
「姫様がわざわざ行かれるところには必ず何かございますからの。このサツマも是非ともご一緒に願いたい」
このじいさんは昨日散々宴会で飲んでいたのにびくともしていない。
アオイやアラレも見習ってほしい。
「あのウワバミには勝てません」
アオイが言い訳してくれたが、ウワバミにウワバミと言われるサツマはどれだけウワバミなんだろう?
「「「ギャオーーーーー」」」
峠を三つばかり越えてツルギ岳の麓に着いた時だ。
何かの雄叫びが聞こえてきた。
「何だ?」
まだまともなソウヘイが構えた時だ。
そこには八つの首と八つの尾がある化け物が現れたのだった。
宝剣取りも簡単にはいきません。
これから化け物退治です。
お楽しみに!








