ナニワ城の戦い2 叔父は私の侍女を人質に取りました
「嘘だろ!」
「帝国四天王が爆炎の魔女に負けたぞ」
「やっぱり、戦姫様は化け物だったんだ」
「???」
私は変な言葉を聞いた?
アオイは戦姫ではないはずだ?
何故私の名前が出る?
「ヤバイぞ、このままなら、アデラール様みたいに皆虐殺されるぞ」
「アデラール様は婚約破棄されただけで首だけ残されて生きたまま、微塵切りにされたっていうぞ」
「逃げろ!」
「殺される!」
「ぎゃーーーー!」
兵士達は帝国兵もヤマト兵も全員一斉に逃げ出した。
ちょっと待て!
やったのはアオイだろうが!
なんで私が化け物扱いされるんだ?
化け物はアオイだろう!
私は余程そう叫びたかった!
「姫様、感動している時ではありませんぞ」
「誰が感動している?」
私は変なことを言い出したサツマを睨み付けた。
出来たらこのままサツマらを張り倒したかった。
「悪名が高まることは武士にとって名誉なことです」
「はああああ! それはサツマにおいてだろう! 私はそんなことはのぞんではいないぞ」
「左様でございますか? 婚約破棄されて、怒りの余り剣で総督の息子を刺し殺しておいて、そのようなことをおっしゃいますか?」
呆れたサツマの声が聞こえだが、
「元々煽ったのは貴様だろうが!」
私は怒鳴り返していた。
思わず、サツマはわざとらしく耳を押さえてくれたが、貴様はこんな罵声などびくともしておらんだろう!
余程そう叫びたかった。
「姫様、それよりも、ソニックブレードでナニワ城の城門破壊をお願いします!」
そこに横からヒロトが具体的な攻撃案を提案してくれた。
「おのれ! きゃつら許さん! 死ねーーーー!」
私は具体的な目標に向けて、怒りの丈を込めて力を振るうことにした。
剣を構えると振り下ろしていた。
ズバーーーーン!
凄まじい風切り音と共に私の剣からソニックブレードが飛び出した。
それは一撃でナニワ城の城門を真っ二つにした。私の怒りの大きさはそれだけではすまなかった。
ズカーン!
そのまま、ソニックブレードは飛んでいって天守閣に激突、天守閣をも真っ二つにしていた。
ゆっくりと天守閣が二つに割れて倒れる。
ドシーーーーン!
天守閣は二つに割れて地面に激突していた。
「「「おおおお!」」」
配下の兵達は賞賛とも驚きとも取れる声を上げていた。
「者共突撃だ!」
「我に続けーーーー!」
「「「ウォーーーーーー!」」」
サツマとソウヘイを先頭に兵達がナニワ城に向けて突撃を開始した。
サツマやソウヘイ達はあたるを幸いに敵をなで斬りにして一気にナニワ城に突入した。
私も負けじと駆けた。
ナニワだけはこの手で討たなければいけない。
それが死んでいった者や、ナニワらに苦しめられた者達への手向けになる。
私は一気にサツマ等を抜き去ると私が真っ二つにした天守閣に向かった。
「ギャー、出た」
「化け物が出たぞ!」
「逃げろ」
「「「ギャーーーー!」」」
私の前に現れた逃げ遅れた敵は、あたるを幸いに斬りまくった。
「お、お許し下さい!」
私に土下座して謝る奴らは無視だ。
サツマらが引っ捕らえるだろう。
ナニワはどこだ?
私は破片となった天守閣の回りを探した。
「おい、すぐに俺を起こせ!」
私が天守閣の片隅で、ドタバタ暴れているナニワを見つけた。
「ナニワ、見つけたぞ!」
私は剣を構えた。
こいつが父や母やシンノジョウを殺した張本人だ。許すわけにはいかなかった。
「動くな、ユキ! 貴様、こいつが死んでも良いのか」
ナニワは側の侍女を捕まえて叫んでくれた。その首筋にはナイフが光っていた。
その顔には見覚えがあった。
「アラレ!」
私は驚いた。それは私の専属侍女だったアラレだった。
今迄存在が不明だったので、殺されたかと思っていたのだ。
ナニワの侍女にされていたのか!
「そんな、ナニワ様」
アラレは驚いた顔をしていた。
この様子ではこいつもナニワ方に寝返ったのかもしれなかった。
「姫様、ここはアラレ共々巨悪を燃やしてしまいましょう」
私に付いてきたアオイは一言だった。
アラレを助ける気なんて全然無いみたいだった。
「ちょっと、アオイ、あんた、何を私を燃やそうとしているのよ!」
アラレが怒りも露わにアオイを睨み付けていた。
そう言えばこいつらは友人というか喧嘩友達だったような記憶があった。
「ふんっ、アラレ、ここは貴様の元主の姫様の為に素直に燃やされよ」
「な、何だと、アオイ、貴様そんな事を言って良いのか?」
「当然だ。私の主は姫様だ。アラレの一人や二人、死んでも痛くもかゆくもないわ」
アオイは冷徹にも友のことは全く考えていなかった。
「お、おのれ、アオイ、貴様、7つの時におねしょしていたのを私が誤魔化してやったのを忘れたのか!」
「な、何だと、アラレ、貴様、その事は絶対に黙っていてくれると言ったでは無いか! そのために貴様にどれだけ貢いだと思っているのだ」
アラレの言葉にアオイは真っ赤になって怒りだした。
「ふん、腐りかけの芋を二つほどもらっただけだが……そのせいで丸一日腹を下して災難だったわ」
アラレが怒り顔でアオイを睨み付けた。
「ええい、貴様等ピーピーピーピー煩いわ!」
二人の言い争いに唖然としていたナニワがやっと我に返って叫び出した。
「これ以上叫ぶとこの女をギッタンギッタンにするぞ」
そう叫んでナニワはアラレの首筋にナイフの切っ先を突きつけた。
「ふん、ナニワ、やっても良いぞ。アラレ共々貴様も燃やしてやるからな」
アオイが叫んでくれたんだが、こいつは本気でやるみたいだ。
手を大きく拡げていた。
「ええい、本当にこやつが死んでも良いのか」
更にきつくナニワがアラレの首筋に剣を押しつけた。
少し切れて血が一筋さあああああっと流れ出した。
アラレがブルブル震えていた。
私は何故か背筋に悪寒が走ったのだが……何でだろう?
「ははははは。どうしたアラレ、震えておるのか」
「この……」
アラレが更にブルブル震えていた。
「ほう、今頃震えだしたのか?」
「このド変態野郎!」
「はっ?」
ナニワは理解していないみたいだった。
ドン!
「ギャッ!」
次の瞬間ナニワの鳩尾にアラレの肘鉄が決まった。
「貴様、良くも私の白い肌を傷つけてくれたな。死ねーーーー!」
次の瞬間、アラレの金的キックがナニワの股間にお見舞された。
「ギャーーーー!」
ナニワの今際の絶叫が響いた。
ナニワはそのまま蹴り飛ばされて構えていたアオイの目の前まで飛んで来た。
「燃えよ!」
アオイは魔術を発動した。
ナニワは一瞬で燃やされたのだった。
諸悪の根源叔父のナニワがユキの出る幕もなく、悪友2人組に処分されてしまいました…………
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