契り、惚れた-7話
「週3はこれでいい。」
と兄からズボンとスニーカーをもらった
「きゃー お兄ちゃんかっこいいー」
兄は都心のマンションを解約した
貯金はあるが家賃が勿体無いと
文字通りニートになった兄
兄は意外とミニマリストだ。
調理器具とか家具は
IH 対応の 鍋兼フライパンと
キッチンばさみティファール
それのみだったという
業務スーパーで
卵とおにぎりと豚バラ
をかって
よくチャーハン作ってたらしい。
あとは全部備えつき。
冷蔵庫と電子レンジは買わなかった
お金がなかったのか否、彼には必要なかった
大概が外食
栄養素として完璧と調べた
兄は卵だけは買い込み
いっぺんに卵を食べる
10個卵を使った料理
兄は
「めだたたまご焼き」と
名付けていた
卵を溶かす9個崩さずに焼き
パンケーキみたいになるまで待つ。
丸い円形ができたら 直接
卵を真ん中に落とす
真ん中に目玉焼きが
できるかどうか兄のギャンブルは
それのみだったという
この「めだたまごやき」
なんのSNSに投稿するでもなく
アンビエント?なテクノに合わせて
ショート動画を兄は作成して
SNSにあげるでもなく
端末に保存していた
編集もセンスが爆裂だった。
めだたまごやきというネーミング
….動画を見た後口を開く
「おっぱい焼きじゃね」
「お前さえ、かぁちゃんよりエロい?」
この日は兄のなんもない部屋で
語り合ってた兄の部屋は本当に
なーんにもない、けど
ポスターが一枚だけ
「超次元サッカーアニメ」のポスター
それだけだった
春休み兄には本当にお世話になってます….
お兄ちゃんにメイクを教えてもらう毎日だった
春休み。 二人の結論は基本すっぴんだった
二人ともここは議論の余地がなかった
疲れるからだ
今まで被るという発想がなかったけど
大学入学前にセカンドスリートで中古の
800円の黒いキャップを買った
入学式が終わり、帽子を被り
リュックサック+トレーナー+兄がくれた
ジャージのズボンに 母がくれたブーツ
いってきまーすと大体似たような
服装で出かけた
こんなテキトーな感じの妹を見て
兄は「お前は本当に頭がいい正解」
学校が始まって4日目に言われた。
言葉の意味が理解できなかった
家から徒歩で15分で行ける学校
有線イヤホンで音楽を聴く
偏差値は微妙くらい、Fランではない
ただ、頭がいい女子校でたなら
選ぶ人が少ない学校。
私の出身の女子校
紅雷女学院から空海大学を選ぶ
生徒は 一定のラベルが貼られる
「大学生活遊びたい」
「….ビ◯チ」
どーでもよかった父の教えが私を大人にさせた
「仕事が時給1,000円なら移動で1時間は
月に2万の時間の損失」
もう大学が始まって3週間
本当に週3日くらいは
兄からもらったジャージを
履いて登校していた。
最初貰ったズボンは無地のズボンだと思っていたけど
昨日、流石に臭くなってないか
嗅いでいたらすこーしだけ目が悪い
うっすら「蝶」がプリントされていた事に気づいた。黒地に黒だから、分からなかった
「げぇーー!」って私は声に出して笑った
そこから細部を見ると 横にまたも黒地に黒で
ラインが入っていた
重くて不便だけど週に何回かは履きたくなる
母がくれたDr.Martin
今日はスニーカーの気分だ
ゴツい、運動靴みたいなスニーカーの
靴紐を解いた時に
「ん?」とが出た。
真っ黒の靴のベロを見ると
ベロのロゴは白くてマークは
何回も見たことある形だったから
「え?」と声に出てた
adidasだった黒地に黒で三本線のライン
に今気づいた
「お兄ちゃんって線が好きなの?
横断歩道女?フェチ?隠れ巨乳
とか好きだよね。着痩せするタイプ。
ガーターベルト好きそう。」
兄は高校生の頃よく腕と背中が交差点みたいになってる長Tとかパーカー着てたなぁ
最近は着てない、しまむらに
似たデザインがあるか考えた
今日の私のコーディネートはしまむらの
一回も見た事ない有名な映画のコラボT
と中学から履いてるGUのフレアの形のデニム
帽子を被り大学までの登校イヤホンで
音楽を聴く
今の私の趣向は中2の頃の
兄のようだ
「Crossfaith」 ばかりを聴く
Crossfaithは自分で見つけて
存在を兄へと伝えると
兄は子犬のように目がつぶらになった
「彼らは本当に素晴らしい。
てかミュージシャン全員」
思春期の頃と発言が変わってしまった兄
「手のひらドリル返し、手のひらドリル
ドリル系お兄ちゃんラァルフ」
とジャンルの専門用語を並べた台詞を放つ
兄は端末から
Gimme Dangerをかける
二人は歌う
「クロスフェイス!ラァールフ!ギミッ
ファッキンデンジャー!!!」
その後のKoieのシャウトからは
歌わずに二人で頭を振った
扉を開けた衣装部屋
続いて 「Countdown To Hell」
ボーカルKoieの観客への
煽りを再現する
「わぁあああかれろおおお!!」と暴走
兄が冷ややかな目を向けるようになった
昔の兄にに少しだけ似てきた私
Koieのの太い声を聴きながら
歩く学校への道
「Countdown to 天国私の頭の中。お花畑です」
「ワタシは恋してます♫石北海斗君
きゃーーーーーーーー」
会えるか、否かが、大学のギャンブル
会えなかった日にパチンコを打ちに行く
毎日が続いた、割とスロットを打つ日が増えた
早速好きな異性ができた私は
ラウドロックを聴きながら登校する
その気持ちの傍ら会いたくない存在も
できた。
「白木百合」(しらきゆり)私と同じゆり
お好み焼き屋にいた美人の生徒会長だ
——入学式
コーディネートは母に委ねる
レディースのピシッとした黒のセットアップ
兄が化粧をしてくれた
「ナチュラルメイクが1番むずい
お前は今日、自分の事をプロレスラー
だと思え」
と伝えた割には、繊細な色使い
もう、私は兄にむかつかなくなっていた。
体型を気にしていたこはるも
入学式の頃にはスリムそもそも、太ってるとは
思った事がないこはるはネイビーのスーツを着ていた
ピンクの髪は高い位置で結んで
髪型だけは花魁みたいだった。
メイクの色味もピンクの主張が強かったけど
とても素敵だった
私は大学式につくや否や冷徹な安心を覚えた
美容師の柳さん、蓮さん、
お好み焼き屋の美男美女
うざいけど….お兄ちゃん
彼等が特別な方だと安心した
大学一年生はそんなに、整ってない。
私は知らず知らず、心が汚くなってきていた
ホール内席に座る。
ぼーーーっと人間観察をするのも飽きてきていた私はうるさいのが辛いから式典の時は 耳栓をつける
塞がれた両耳ただ、それでも声を拾う
「天使、、がいる…!」
叫んでない、決して大きい訳でもない
塞がれた両耳でも心地よい声
右を向くとはっきりと覚えていた存在だった
お好み焼き屋で
【生活保護を促した生徒会長】
「失礼します とんと とんとんと
とんとんと とん古いか!」
隣に座る彼女
「あっ…どうも、はじめまし」
「あーーーー!例の!!あの」
耳元で囁く
「商業BL大喜利の子…♡」
香しい石鹸の香りが花を燻る
さらりとした茶髪の綺麗な髪
….私は
言葉を考えて
「いきすぎぃ!ははっ」
間が空いてお互い名乗る
「白木百合学生です。」
「岩永ゆりやりますねぇ」
なんでだろう、女子校だったら大爆笑なのに、
式典、空気、笑えない空気で
笑かしてくるセンスも面白いのに
笑えない彼女だけがニヤニヤとした
感じではなくニコニコしてる
「絶対私達、友達になれるよね?
シンクロニシティ?双子の妹みたい!
てかお互いゆりだしえーダブルミーニング?」
座り方を見ると両足は斜めにしている
顔立ちはシャープな輪郭、奥二重の
切長の目
鋭利な印象の美形でも
母や兄とはまた印象が違う
華のある美人に求められる
ハードルをどう超えるか不安や焦りが産まれる
「Siriですヨクワカリマセン
あ、あの子美尻です」
この美少女に対して頭が真っ白になりそう
耳栓をしてて丁度いい声なら
視線が私たちに向けられてもいい筈
それなのに
大きい声の私等は誰からも見られていないのが
怖さを助長させた
「クフフゥ….ゆりかわい」
….
なんだろう、この子?
百合が告げる
「ゆりちゃんてさHSP?私も」
「え…」
何回か調べて、それかなってなって
調べるのをやめた、精神的なアレだった。
HSP 横文字多いの苦手だったけど
めちゃめちゃ共感できて
嫌だったからちょっとずつ性格を変えた
畏怖っていうのかな、
ヴィーナスみたい全てが遥かに私より上手い
「ゆりちゃん握手しませんか?」
断る余儀もなく「いいよ」と返す
手のひらを酌み交わすと
今まで触ってきたどの手のひらよりも
暖かかったそして私の頭の中に
【深淵をのぞく時、深淵もまた
こちらをのぞいている】
という言葉がよぎった
グレーのスーツに白のブラウス
黒のパンプスの彼女
黒いセットアップに紫のブラウス
白いブーツの私
—何かの契りのようだった
彼女の茶髪はセルフカラーだと
後から知るが、とても美しかった あの日は
髪が真っ黒だったのに——-
「友達でーきた!後でLINE教えてね♡
その後彼女は、わー!梅くん!」
と少し垢抜けないがカッコつけた
スーツの男の子に手を振る
梅君?は「もうええてーー!」
かなり大きい声に
つまんねぇって思った
「えーーー」と「ご着席くださーい」は
27回くらいは聞いたかな
本当に耳栓は助かる
式が始まっている長い
説明が、長い、先生
——
眠い..長い….眠い…..てかうるさい…..
えっ高校生よりみんなガキじゃん
はぁ…えっFランじゃないんだよね
男も女もぺちゃくちゃ!
本当耳栓越しでも会話が
え、、百合ちゃん共感できるよね、えっ
え?百合ちゃん….爆睡してる。
ちょっといびき聞こえる….
大学ってこんなつまんないの?
——
「えーみなさん静かにして頂けますでしょうか? はいえっそれでは
入学生の代表挨拶、石北 海斗君」
ブザービーターはなる
「はい!!!!!!!!!!!!!!」
甲高くてハスキーな声
私は
【こんなに素敵な声を聞いた事がなかった】
突然の大きなな声に
嘲笑が蠢く
石北海斗という存在は
彼は大ぶりチェックのスーツを着ていて
天然パーマなのか捻れたショートヘア
ネクタイは黄色の蝶ネクタイ
足が細くて 靴がおっきい
まるで夢の国のネズミのようだと思う
——「やば声!」「イシキタカイト」
「イシキタカイケイじゃん」
地獄耳が陰口を拾う中私は彼に釘付けだった
「あ、いたっ、なんか踏んだ」
という、石北海斗君の声
と、その後の嘲笑や輩のような
学生の笑い声
「あ、すいません、どうもあっ、こうやって
あっはいえ、あ、えもう喋っていい?
ですか、いくよ?えいっていい?」
もう、みんなの格好のまと。
発表のタイミングはマイクを両手で持って いる
大きく息をすう、そして
「お前ら!!!!せからしかあ!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なーーーんもきこえん!!!!!!!!!
先生の発言!!!!!!」
ビクッとひて百合ちゃんが起きた
「びっくりしたぁ….えーーーなに
あの子可愛い めっちゃイケボ
ああいう子いるんだ」
声やばい、ウケるイシキタカイケイ
イシキタカイケイと学生の嘲笑らずっと続く
また百合ちゃんは寝た
足を組んでいた私は、一言
「うっせぇんだよ雑魚共」
結構響いてしまってしーーんと
静かにさせてしまった
石北海斗君のスピーチ内容は、
テンプレートというかよくある内容だけど
かみっかみでかすっかすで
だけど一生懸命さが伝わる
私の中でコレを超える完璧な
身なりやキャラクターは見たことが無かった
—以上が私からの挨拶になります
私泣いていた
スタンディングオベーション
…..してしまいたいが、座ったままだ。
百合ちゃんはまた寝ていたから
LINEを聞けなかったけど、
もう会いたくなかった
….なんだか怖い
式典の後も海斗君を見たが
先生とかに式の後ずっと囲まれてた
素敵なハイトーンのハスキーな声で腰を低く
「はい!はい!あ、私はどうしたら
あ、わかりました!」
とセットの撤去を勤しむ
コレが恋….?
お兄ちゃんの発言が重なる。
「服が派手でイモい男を狙え」
彼の眉毛をみるとげじっげじ
なのに服がめちゃめちゃお洒落
もう彼一択だ
学内人が溢れて
おどおどとピンクの髪で
あたふたしてる女の子を見つける
「大丈夫だよ、やっと同じ空の下で笑えるね!」
こはるに私は抱きついた
「ゆりーーーイケメンすぎ!すき
彼氏にしたい!」
こはるはあまりにも綺麗に泣くから
私は思わず抱きしめて笑った。
家までの帰路サブスクの自動再生
納得がいかない曲が続いて
違うと思ったらスキップ→
あ、これ!ってなるまでポンポンポンと押して
ってなったけど結局検索をかける
立ち止まってクロスフェイスとラルフの曲
Gimme Dangerをリピートでずっと聴いて
帰った
るんるんの入学式の後の晩御飯は、外食だった
焼肉なべしま。流石、お兄ちゃん元ホスト
全部の采配がうますぎるるだがヒモ気質
「父ちゃんーーここは出してーー」
と甘える
父は「勿論!」というが
「ストップ!」と母
「わーたーし!」現金で払って
母は五百円単位でお釣りが出たのに
全部募金した
3人みんなで
「わーいけめーん」
と口にした
焼肉美味しかった
本当に
焼き方がみんな上手い
ちょっと赤いくらいが美味しい
だけど、今日は少し怖かった。
【網 墨 火 焦げ 肉 赤 網 網
変えてください】
深淵を除いてる時、またこちらも
百合ちゃんと握手をした
その時深淵を見た
—-ブラウスから覗く彼女の腕から
切り刻まれた跡がみえた—-
父が動かす車が走る
助手席は私、隣の窓
黒い羽、ひらり ひらり
窓に当たったまた
青い砂に変わって宙に舞う
上え、上え、重力に逆らった
砂時計の砂のようだった
———✳︎⭐︎⭐︎✴︎⭐︎⭐︎✳︎——
〜〜♫田舎の夜空の星と
工場地帯の煙の上と
羽と死神とおっさん
GAL 俺 ギャル〜〜⭐︎♫
ブァァサ…..
ブォオオオン ブオオオオン
「全!!」
「ヨルゥゥドンダケェ 背負い投げ」
——▶︎▶︎✳︎✳︎髃髃髃髃髃✳︎巴⭐︎⭐︎⭐︎
—————————夜
——「全お前なにがしたいんだ?」
「ヨル、俺さぁ結構タイプ♡じゃあ
ないんだよね。アサ…w
お子ちゃまだもん」
「全。お前は全てがわかる。
なのに、私はなにも分からない」
「ヨルよりもユリ
よりもブリ パンチラ
はい、パンチライン
魔法陣完成これは
助走 除草 序章 女装は
一回してみたらヨルも えっちかも」
「きみがわるい」——-
ワタシはさ、知らない事はないよ。
翔太、ゆり、ヨールくん




