ぱっぱらぱーがーるず-31話
大学一学年、二学期の9月職員室
私は呼び出されていた
「..紅雷から優等生が来た
と思ったら 現実ちゃんと考えてる?」
【ラッパーになって東京行くんで】
逃避行のために切った啖呵。
留年している二学年の山中に言いふらされた
….私は韻を踏む歌唱を得意とする事は
愚かリスナーの立場でさえも
ラッパーの事はよく知らずに生きてきている
ましてや、貧困からの成り上がりといった
個人の人生においてもHIP HOP的な
要素は微塵もなく、
色恋沙汰の言い逃れのために撒いた嘘
..そしてまた、色恋沙汰での見栄のために
発案した「HIP HOP Rap 愛好サークル」
お嬢様高校出身の生徒が
やや偏差値の低い大学で
先生から目の敵にされている
人生の中で初めて問題児になった。
私は成績優秀、やや容姿端麗で生きてきたので
先生に詰められた経験と
「言い訳のレパートリー」はない。
「なんと返せばいいか分からず」
目線を職員室の目の前のPCに固めたフリをして
実際は
「おばちゃん」
と言えるべき邦枝先生の服の上から膨らんだ乳房をただ見つめていた。
「勉学も疎かにしません、本業は
学業ですよね」
..思いつくまで所有した2分
しかし、口を開く前に邦枝先生から
「まぁでも可能性は潰すような事は
したくないからね私も
文化祭の約束も守ってくれる事と、
危ない道 にさえ行かなければそれでいいから
私も音楽好きだし」
「あっ..はい」
「期待してる、ただ親御さんに
がっかりされないようにね」
私はお辞儀をして
「失礼します」と後にした
HIP HOP愛好サークルを発案しながら
ヨルとのデートに繰り出していた連日
石北とかいう神疑惑の存在に
パパラッチをかまされ
高熱の知恵熱が出た
….と思っていたら現実
私はコロナウイルスに感染していた。
6月、私が休んでいた間に
旧友 「佐伯こはる」が
サークル開設までに必要な手続きは愚か
開設にあたり最低限の人数の確保グループラインの作成まで全てを済ませていた。
久しぶりの登校
LINEグループで存在を認知した
大崎 咲
霧島 凛
川崎 花子
佐伯 こはる
岩永 ゆり
は用意された学内の一室
視聴覚室にて 落ち合う
——1学期7月
もう空気も陽もあつい
「久しぶり、こはる色々ありがとう」
「ゆり、心配した大丈夫?あぁでもね!
なんとかゆりの願いは叶えましたよ!」
こはる意外は、よく知らない女の子3人
すでに集まっていた。
私含めた5人「如何にもラッパーだ」
…と主張してきそうな
身なりの女は一人もおらず
ヘアーアイロンで丁寧に巻いたであろう
所謂ギャルという見た目に該当する
「大崎 咲」が口を開いた
「あんたがゆり?ヤバめっちゃ
普通の女の子じゃんHIP HOP好きなの?」
大崎咲は巻いた金髪を指でなぞる
「詳しいよ、うち」
「..の彼氏」
続け様
「あっ初めまして霧島凛と申します
こはるちゃんとは、アニメの趣味から
友達です」
猫背でぼそぼそと発言する彼女
この子は、中肉中背で顔にはメガネ
色白の肌、両の耳にかけたやや長い黒髪
….彼女からも韻を踏む歌唱を聞く趣味はないと予想する
「わわ!初めまして..一回私話かけました! ゆりちゃんに川崎 花子っていいます!」
小柄な女の子着ている服は黄色
柄は小花柄、半袖のブラウス
学内で何度か見た事はある。
そして、大体同じ服を着ているが
毎日清潔感を感じている
「川崎花子ウケるめっちゃHIP HOPじゃん」
所謂ギャルは高笑いをした
「ちょっと咲、あんまりからかわないでよ?
みんな緊張してるだろうし」
旧友こはるは、気を配る
「川崎とHANA BAD HOPとちゃんみなじゃん」
「..んっ?バットポップ?ちゃんみな、私
ラップ、アニメのやつしか聴かないから」
大崎は口角を上げた
「こんな偶然中々ないよウケる、あっ後一個」
「川崎花子、私も大崎
でサキなんだ、よろしくハナちゃん」
この一連の状況、好きな漫画のシーンとリンクして
借りた本を入れた青い袋を落としてしまう
察したこはるの顔が青ざめる
「あっ..」 旧友こはると私の漏れた声
「なにこれ?」所謂ギャルの咲が拾い上げる
….如何わしいBLの漫画
こはるから借りて返そうとしていた本だ
「何これ、異世界美男子裸牧場?」
二人の顔は青ざめ、ページを捲られない事を願うや、願いは砕かれ開かれた 目録
「うぁああ!!
そんなにこじ開けないでください」
ギャルが曇りなき眼で漫画の台詞を読み上げた
「え、えろいやつ?」
戦慄、初の会合思いがけない衝撃
早まる鼓動、次の一手
「あっあの!学校でそういうの良くないと思う」
中肉中背の女の子霧島凛が口を開く
ギャルは恐れを知らない
そしてBのLにも
HIPがHOPにも頓着がない少女、花子は興味を示す、
「なにこれ!あ!漫画だ!え!かっこいい」
作画担当の絵力は界隈でも随一
素人目にも、レベルの高さが伝わってしまった
「え!ウケる!ウケる
あんたこんなの読んでんの、
え、花ちゃんここ
の台詞ヤバくない?」
「ん?あんたが男か女か関係ないよ
俺の中でファビュラスはビンビンなんだよ」
「ヤバ!意味わかんない!」
——ギャルは繰り返し漫画の台詞を
少女に読み上げさせた
少女の顔は嬉々としている
霧島凛は不貞腐れ、
「ちょっと声大きいよ?」
……その指摘を聞き入れず
笑い声は右肩上がり、この目録
の持ち主こはるも受け入れた
笑うと目が線になるこはるも高笑いが始まる
戦犯の私は立ち尽くす
不貞腐れた霧島凛はスマートフォンから
動画を視聴
..私は話についていけず、霧島凛の隣に座る
残りの3人の仲は深まるばかりで
疎外感を感じている私達
霧島凛が見ている動画を横でみていたが
「ねぇ?」視聴覚室の扉は開いていた
女子生徒5人「全員」に走る戦慄
「遊ぶ為、だけにサークル用意させるほど
うちも落ちぶれてないんだよね?
学校舐めてない?」
空海で少しだけ気合いの入っている女性教員
「邦枝 紗栄子」の
眉間からひしひしと怒りが伝わる
「ラップ?好きなの貴女達?」
こはる一人が「はい」と返す
「空海際」
「え?」霧島凛が声を漏らす
「強制です、本来 文化祭
ステージ発表バンドしか前例ないけど
貴女達 披露してくださいね」
「こはるちゃん?無理強いして
設立までこじつけたのだから
これは責務よ?」
「あっ….」私も声が漏れた
HIP HOPをろくに知らない、女の子5人
11月半ば文化祭のオンステージを
余儀なくされた
視聴覚室の使用権限も破棄され
学内途方にくれる 女学生
——石北海斗 設立 生花トータルビューティーサークル
——佐伯こはる 設立 HIP HOP Rap愛好
サークル
花に輩が集まって
HIPがHOPに、にわかな、おなごが集まった




