だっさい先輩-30話
「ハイティーってのはよくわからない
けど、石北君はただの
同学年でしかないですよ」
「ハイティーに自分からキスしといて?」
ジリジリと陽が熱く蝉はみんみんと
うるさい、目の前の男もまた
暑苦しくて鬱陶しい
「..アイツ、私の事どういう風に
話してるんですか?」
「惚れたのはハイティーから、最初
はゆりちゃんが可愛い過ぎて
中々、話しかけられなかったけど
ゆりちゃんから話かけてもらって
徐々にアプローチをかけて
デートまで行けたけど
アイツも馬鹿だからなあ
元カノのこと話し過ぎて
妬かれたから振られたって
ハイティー言ってたよ」
….中途半端に嘘をついてるから
所々は真実である
「でもさぁ、ゆりちゃん?それ
ハイティーあんまりじゃない?
キスまでしといて思わせぶりさせて
アイツ可哀想だろ?アイツ今も
お前の事しか見えてねぇよ」
..切り抜け方が分からない
もう既に、山中淳に絡まれて
グループを離れ15分は経過している
私は、ちょこちょこと
スマホで連絡を確認はしていて
….何故か山中淳グループと
サークルのメンバーが合流。
バイキング、すたみな太郎
の席を一緒にとったという流れになっていた
山中は私に絡みだして
一切携帯を見ず、8月の猛暑
彼は、汗は愚か鼻水を垂らしながら
私を詰める。
私は山中の鼻水が気になってしょうがない
鬱陶しい事この上ないし、切り抜け方
が分からずにいる
「..なんで他学年の色恋沙汰に
山中先輩が首を突っ込むんですか?
関係ないですよね?後
友達と元々の予定もあったし
これ以上私達の時間奪わないでください」
「歳は関係ねぇだろ、仲間の気持ちに対しては
白黒ハッキリさせたい
後、山中先輩ってのやめてくれるかな?」
山中淳は小ぶりのハットを指で突き上げた
「俺の事はヒートと呼べ」
…. 私はなんでヒートがピンときた
「淳がアツいからヒートですか?」
「そうだ」
「じゃあなんで石北は
ハイティーなんですか?」
テレレレレテレレテレレン——
さっきからずっと山中の携帯から
LINEの着信音が続くだが彼は
電話を出ない テレレ——
着信音は鳴り止んだ
「男ってさ、いい汗かいたり
経験値踏むと テストステロン
っていう性ホルモンが流れる訳」
「はぁ..」
「ハイ、そう高いからハイ
ハイのテストステロンのティー
だからハイティー 男磨き界隈だと
これ常識あいつ常に男磨いてるから
ハイティーね」
「..女だから知る訳ないっすよね
そんな事」
テレレ レレ テレレ レン
また着信が鳴った
「いやいや、知っておくべき
社会でたら通用..」
山中の台詞を私は遮る
「携帯出なくていいんですか?」
山中は黙った
「親御さんですよね?心配されてますよね?
もう、友達待たせ過ぎてるから
とっとと出てください」
「はい」
「あっもしもし、お父さん
はい、あっ使い過ぎ
何に使ってる?
あ、いや、あっその服とか
教材とか あっ
はい ごめんなさい
あっ今年も留年して
はい22ですもう、はい
しっかりします、はい、はい
あっありがとうございます
はい、お金大切に使います
あっ忙しい中ごめんなさい
はい失礼します」 ピロン
電話を切るや否や
「で、ハイティーの事どうしたい訳?」
都合よくこの男は話を戻した
….親のクレジットカードを使い過ぎて
いるのだろう この男に今まで
話しかけられた事はなかったが
学内で同じような電話をしている所を
見だ事があった
….もうしょうがない。
思ってもない嘘で乗り切ろう
「石北君にも伝えたんですけど」
「おう、なんだよ」
「自分ラッパーになるんで
大学卒業したら東京行きます
大学誰とも付き合う気ないっす」
山中淳は、小ぶりのハットをつまみ
左右に揺さぶり口笛を吹いた、ヒュゥー
「その言葉嘘じゃねぇよな?」
ヒートと呼ばれた「い」アツい男
山中淳の眼差しは真っ直ぐで
鼻の穴からは水が垂れている
「はい」
私も鼻水が出ていないか少し
不安になって少しだけ鼻を啜った
..多分私は出ていない
「ロックだねぇ..あっ」
山中はピンときた
「岩永ゆり 岩か」
「はい?」
山中は私に手のひらを向ける
「今日から、君をロックと呼ぶよ
俺、アツいやつしかあだ名つけねぇから」
「うざっ」
もう痺れを切らして面と向かって言っていた
「ハハっ可愛くないなぁ
でも君ラッパーならヒップホップかぁ
あっ ラップとロックは
ミクスチャーだから
ミクなんていいけど
ミクちゃん結構いるからな」
「もうなんでもいいっす
お腹減ってるんで合流させてください
マジ時間の無駄です、親のクレカ
使って後輩説教して恥ずかしく
ないんですか? 後さっきから
鼻水ずっと垂れてるんで
コンビニのトイレで
綺麗にしてきてください」
「はい」
トイレのトイレットペーパーで
鼻水を啜ったであろう山中淳は
コンビニで買った
アイスティーを私に渡す
「ミクってあだ名思いついて思ったけど
初音ミクにも似てるよねゆりちゃん
水色髪にしたら?似合うと思うぜ?」
「いや、バイキングなんでお店に
飲み物付きますよね?
余計な事しなくていいんで
早く向かわせてください
もうみんなご飯食べてて時間あるから
さっさと行くぞ、あつし」
「はい」
バイキング すたみな太郎に着くや否や
….オタクの川崎花子がいじめられていた
「ギブ..ギブ..ギブ..ギブだからぁ」
皿が異常に多い。
フードファイターの如く
飯を食べたであろう痕跡がそこにはあった。
川崎花子はめちゃめちゃ食べていた
「エグい!エグい!エグい!」
「イケる!イケる!イケ!イケ!」
輩の森内 海斗と
ギャルの大崎咲
は、たらふく食べる小柄なオタクを
面白がっていた
「あっゆり殿!えっと、あの
混沌としておりますが
ゆり殿のご飯もあります故
ただ時間が あまりありませんなぁ」
早口な女の子のオタク
霧島凛は
バイキングの時間制限、私の趣向にまで
気を配り菜食中心に冷めても美味しい料理を綺麗にバランスよく用意してくれていた
「お疲れ大天使ゆりちゃん
ヒート先輩ダル絡みした罰金ねここ全部
ヒート先輩持ちで」
白木百合は溶け込み上手。
山中淳は帽子を指で突き上げる
「当たり前じゃん?男だから俺」
えっ….この人さっき親に怒られてたよね?
「あ、淳じゃんウケる!」
「淳さんだろ、先輩だぞ」
「モーリー..お前分かってねぇな、
ヒートと呼べって言ってるだろ?」
「すんません!ヒートさん!」
「さんもいらねぇヒートでいいよ」
「ぐへぇ、ぐへうめぇ
ん?ニート?うわ!人増えた!
あっ初めまして
川崎花子と申します!!
ニート先輩?って呼べばいいですか?」
….川崎花子は耳が少しだけ悪い
付随して頭もだ。
「あっ!ゆりりーん!
えっ彼氏!?」
「んなわけあるかぁい」
先に白木百合がツッコンだ
「ここにハイティーいないの勿体ねぇな
な?ロック?まぁ遠慮せず食えよ」
私は人生で1番テキトーに返事を返す
「うい」




