見えてる子-28話
「ゆりちゃんさ、ファッション毎月いくら
かけてるの?」
「あー2ヶ月前だけやばくて
ですね服と靴で5万円以上いきました」
「どひゃああん」
席が、程よく、ガラつく、マクドナルド
バッティングセンターは大学の近く
昼だと暑いから夕方遊ぶために
一旦、お昼ご飯にした
見慣れた場所に馴染みのない人が
いるのは新鮮だった
あろう事かパチンコに負けた
白木百合がタクシー代を出した
パチ屋のベンチ二人で
ぼけってしていると
百合ちゃんに道路へと促され
すでに呼ばれている車に私は
あたふたした、そして彼女は
スマホで決済も済ませていた。
….お礼にマクドナルドは私が奢る事に、
彼女は遠慮をせずに「あざっす!」
とあっさりしてくれたが
「サラダと烏龍茶」だけ
「それだけ?気を遣わなくていいよ?」と言ったら
「結構高いでしょ?」と返答
..この二つのチョイスは意外や、
単品のハンバーガーよりは高い。
女の子だから美容とか健康に気を遣ってる
のか安く済むように気を遣ってくれのか
どっちにもとれるから
上手いんだよなこの子。
アツいので夏バテで小食になっても
不自然じゃない時期
私もあまり、お腹は減ってないから
単品でチーズバーガーを2個だけ頼んだ
「ゆりちゃんさお金遣い荒くないでしょ?
お金が上手いよね」
彼女はシャキシャキとサラダを食べている
….お金に対して「上手い」と言われたのが
初めてで、ピンと来なかった
「ん?いやっ私5万使ったんだよ?」
「常習的に服買うなら先月いくら
っていうじゃん、二ヶ月前って事は
頻繁には買わないんでしょ?」
あー..なる..ほど?
「お好み焼き屋で見た時
どひゃあ、どこぞのお嬢様かと思った
私ファッションの事あんまり
分かんないけどさ、値段が高そうか安そうか
だけはずっと鋭くて
アウターめっちゃ高そうだったからさ」
あの日は兄の服を借りて出ていた
「だけど入学式で見たらビックリ
服は高そうなのにiPhone古すぎ
だって、真ん中の下のとこ
ボタンだもん物持ちいいでしょ
裕福ではあるけどお金回りが本当
綺麗だからなんで
空海いるんだろって不思議だった」
もう何年も前からiPhoneの電源は横の
ボタンでつける、私は中学から
買い与えてくれたスマホを変えてない
「でも大学でゆりちゃんの
ファッション見て納得したよ
高いのは高そうだけど、いい意味で
歳相応の値段の服しか選んでないよね
時代遅れではないけどトップスの形が
3.4年前に流行った形も多いからさ
貶してはないよ」
「そんな人の事見てるんだ」
「というより貴女が目立つのよ
お好み焼き屋で着てたジャケット
何処の服なの?」
「んーお兄ちゃんの服借りたから分かんないや」
「なるほどね、えっ」
冷静な百合ちゃんが驚いた事に勘ぐった
….どぎまぎ、とすると
「お兄ちゃん、どんだけスタイルいいの?」
..着眼点が人と違うのに
ズレてはいなくて分析が正しい
「私にフィットしてた服だから身長低いかも
しれないよ?」とジョークを言うと
「あの服の形は背が低い男性は
選べない自信がないと着れないよ」
私から見たらただの黒いジャケット
不思議な気持ちになった
「まぁ背丈は180近くありますね、兄」
「すげぇイケメンすぎて海賊王じゃん」
少し間を空け、
「私さーずっとお金がバカで一昨日パチンコで
6万擦ったガハハ」
….彼女は入学して間もなく
男女問わず色んな人に話しかけ
入学から3週間ほど経ち
関西から来たヤンキー上がりの「森内 界斗」の軍団に身を投じた その頃から
同性の印象は悪かった
彼女は悪行は何もしていない
それは意外や輩のような軍団も
森内軍団は食堂での「声の大きさ」
くらいしか、特段注意される事もなかった
関西から来た森内君は森君と呼ばれていて、
出会いを求めて
白木百合ちゃんに 「女の子紹介して」
と頻繁に言っていた
遠方から来た子が住んでる県の
異性を求める事は何も間違っていない
….ただ、輩のような軍団の中に
一人異性がいるというのが印象がとても
悪かった、更に運が悪い事に
「私とデートをしただけの石北」が
「岩永ゆりちゃんを傷つけた男」
として根も葉もない噂ばかり広まり
女の子に嫌われてる石北が設立した
「生花トータルビューティーサークル」
に輩ばかりが集まる
女の子の加入はただ
一人白木百合
….彼女に向けられる視線は
刺さるほどに鋭くなった
本来ならば女の子が集まりそうサークルなのに
彼女は高校時代「生徒会長」
と話を盗み聞きしてる
何も悪い事をしていないけれど彼女が
不思議で怖かった
私に対しての距離感も
近すぎないうまさが、どぎまぎ、とする
席が、程よく、がらつく
「ゆりちゃんさ、私アバズレにみえる?」
「えっいやっあっえっえっ」
白木百合は口を手で押さえて
静かに笑った、見慣れたこはると同じで
笑うと目が線になる
見慣れ内装のマクドナルド
音が鳴らないように椅子を少し持ち上げて
私の分のトレイを彼女を設置された
ゴミ箱へ運び出した
「ゆり、分かりやすいよね、そうだよ」
私はなんて返せばいいか、分からずにいると
「なーんで石北なんかに惚れるかな?」
「えっ!」
「空海アホだからなー みーんな
石北がホの字だと思ってるけど
あいつ、女に興味ないもん
もしかしたらあいつゲイなのかな」
えっえっ
「ゆりちゃん男運ないでしょ?
じゃなきゃ入学のあのスピーチで
惚れたりしない」
….誰にも言っていない事を言い当てた
暑い夏、マクドナルドから外にでる
陽に雲がかかり少しマシな空気
いつものように歩く場所で
「見慣れてしまった」
黒い羽と青い砂が落ちた
「あっクロル様 あっ….!」
白木が呟いた
….っ!
白木百合ちゃんは私から目を逸らした。
クロルはゲームソフト
ダークナイトファンタジー・
メインキャラクター
〈概念〉死神のようなヨルと瓜二つだ
私の頭の中はてなマークが果てしなく浮かび
考察に頭を回しまくる
「なんで?」が頭から離れず
私は暫く黙っていた
上空羽ばたくヨルと目が合って
ヨルは、南へと向かっていった
冷静に、冷静にと
私は彼女に伝わりそうな質問を投げる
「….百合ちゃんさ
青い花とか触った後 ビカビカ!って
ならなかった」
「え、あんた空海のヤンキーとかに
危ない奴吸わされたりしてない?
大丈夫?んやぁ、でもあそこの人間
意外とそういうのはないからなぁ」
えっ?ずっとはてなが浮かんだまま
そのまま 白木百合は
「あーあれかな」
と小さな独り言をささやいた
「ゆりちゃんゲームとかする?」
「あっ….まぁ少し?」
「私さーゲーマーなのとさ、
んまぁ精神的なアレ?あるんだよ
幻覚たまに見る。
さっきクソゲーの死神バサバサしてた
意外と中2くさいゲームって
お花でるよね」と
続け様に
「お金持ちでも苦労するのねぇ」
—彼女もヨルが見えている
益々彼女が分からない..
昼から夕方になりバッティングセンターに来た
持ちかけた、
白木百合は殆ど「空振り」で
私は….何故か、
たまに「ホームラン級」に球を飛ばした
施設内の時計を見る、丁度5時半だ
「19時から私バイト、ゆりちゃんまたね」
「えっ!この後働くの!」
「そっ!じゃ!」
百合ちゃんは、緑のTシャツに紺色のジーンズ
白のスニーカー腕には
アームカバーをつけていた
カバーの理由は察している。
隠していても「切り刻まれた跡」は
見えてしまう
..彼女は6月から居酒屋でバイトを始めた
今はサラリーマンの彼氏の家に
住んでいるらしい
白木百合がいなくなり
私は、深呼吸をして LINEから
「石北 海斗」に電話をかけると
ちょっとして、あいつは出た
「あっ!もしもー!」
うるさい石北の変な声だ
「石北、ちょっと話がある 今時間ある?」
すぐに森内界斗と山中淳と思われる声が
携帯から聞こえてくる
「あっつ!アツいアツい!エグい
ハイティーやば!エグい!エグい!」
——ピロンッ
私はソッコー電話を切った。
石北はスピーカーで電話をしてたのだろう
輩に話を筒抜けさせた。
森内海斗と石北海斗 かいとが2人
….あだ名が産まれた
森内は「モーリー」と呼ばれ
石北は「ハイティー」と呼ばれた
森内は分かるが石北は分からん
なに?ハイティーって?
あだ名は2年生の山中淳がつけたらしい
山中淳は医者の息子で長男だ。
私にSiriというあだ名がついた小学3年の時期
【ゆりちゃんセックスって知ってる?】
と質問した「山中こてつ」という男がいた
….山中淳、彼はこてつくんの兄だ




