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夜は朝を知らない  作者: -1twelv2-


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23/30

死神ランデブー急-23話

外の雨の強さは増していた

財布のお札も増えすぎてしまった。

一先ず、携帯内連絡を全て返す事にする

Instagramはもう開いてないから

確認するのは全てLINE

 

ヨルと過ごす傍ら(かたわ) トーク画面では

こはると「サークルどうするか?」

という話題が進んでいて

家族からは「今日どうする?」か

心配されていた

 

何日も返していない兄から送りつけられた

YouTubeのネタ動画の再生リンクは

既読無視にした。

トークを長押して確認だけしていた

石北の連絡も既読無視にしてやった。


ゆり様と持ち上げられ

死神様とのデートで13万円手持ちが増え

今現在、20万円程のお金を財布に忍ばせている

 

私は「何者か」であるに違いないと

思うばかりだ


特別な存在と自負する岩永ゆりは

「石北も花とかやるし私たちも開設しよう

 HIP HOP 愛好サークル、これでも

 通るでしょ私はリアルだ」

とこはるにメッセージを打ち込んだ後

 

家族には「今日はこはるちゃん家に

     泊まる事にしました」

と連絡を返した


雨は止む気配がない。

ヨルと手を繋ぎ世界で二人だけになった私達

 

誰からも見られてない筈の世界で、

….ヨルに耳打ちをした

 

「今日は、二人で泊まりましょう」

 

パチ屋から外れた脇道、鬱陶しい程

降り頻る雨のせいで産まれた

水たまり。背丈よりも天の視点

の景色も鬱陶しい程煌めいて、

地の景色は水たまりに光の粒が乱反射する

これはありふれた綺麗な夜の景色

 

やや強い雨が継続してまう梅雨の時期

冷たく強い風が吹き、田舎の草木は

ぶわぶわ揺れて少しだけ激しい雨は

生い茂る緑の香りを際立たせていた

 

ぬかるんだ地面を避けてアスファルトに立つ

私に傘を差し出す死神のような

優しい男は、また心配してくれた

「大丈夫か?」


私はあまり思ってもない理由を返した

「….服がさ、汚れるのが嫌なの

 歓楽街へ行きましょう

 貴方のおかげでタクシーに乗れるわ」


手を離しスマホでタクシーを都合のいい

道へと呼び出す、都合のいい神様を

先に乗車させ一人分の料金でタクシーに乗った


 

車内では神様のヨルは窓を眺める他する事が

ない、私はスマホという窓をいじる。

 

親からのスタンプを確認した後は

 

こはるから返ってくる早すぎる返事を眺める

サークル設立は前のめりに賛成みたい


文章は設立のための手順の説明や考察が

長く長く書いてあって


名称をどうするだの、

最低に何人必要だから、

学内の人間は誰に声をかけるだの、

空海大学公式HPからのスクリーンショット

またも返信が早すぎるこはるの友達の

賛同のLINE履歴のスクリーンショット。


全てを捌けずにいたから

一通り目を通してメッセージに

リアクションスタンプを押す

 

「助かります!進めてok」

と、こはるへテキトーな返事をした

 

こはるの家に泊まると嘘をついた私等は

….今現在、私等はラブホテルへと向かっているのだ

降り場はホテルの近くのローソン。

 

 

流石に無敵感が強い今の私も

「ラフレシアという宿まで乗せてって

 ください」とタクシーのおじさんには

言えなかった。


だが13万円分、死神を喘がせた私は以前の私とは明らかに「何か」いや「全てが」違う


ラブホテルには来た事はある

だから手順も分かる….けれど

神様.ex(もと)石北曰く

ヨルには「欲」も「アレ」も「ない」

らしい


さっきまでと違い

「1人分の料金」で済んでいたデート

今からのランデブーは

「一回の宿泊分」を折半できずに「1人で」払う

「不満」はないが「不安」は募る

 

初めてではないが初めてのような経験

宿の備えつけはおおよそ分かっている

 

手元のお金が増えすぎた私は

タクシーから降りてローソンにて

カルパッチョサラダとカツカレー弁当と

コンビニ限定のポテトチップス

唐揚げくんを有料の袋をつけて買った


街中で私という存在が突然消えたり

表れたりする訳にもいかないから

ヨルとは手を繋がずにそそくさと

如何わしい 緑色の看板の宿

「ホテルラフレシア」へ向かう

自動ドアからロビーのタッチパネル

部屋番号13を選び

指定した数字記載の部屋の扉を開ける


汚してしまったDr.Martin(ブーツ)を脱いで

スリッパに履き替え

ソファに腰掛ける

ポテトチップスのふうを開けてしパリパリと揚げた芋を食べ水を飲み 備え付けのテレビをつける

 

….私はようやく口を開けることができた

「ヨル、もう気を遣わなくていいわよ」

ヨルもコクりと首を縦に振った

スウッと息を吸う音を耳が拾う

 

「….it’too early to da party…」

…..え?

「Shaka-a-Boom 着火 Microphone

 Just ride on flow!」

ヨルはラブホで、またDragon AshのFantasitaを

歌い出した

「….ヨルくん?えっと」

「Oh〜!」

ヨルは雄叫びを放つ


「あのさ、気をつかうとか空気読むとか

 ないの?」


歌うのをやめたヨル

「….ここは歌を歌う場所ではなかったのか

 カラオケと看板と趣きが似ていた

 から、何をする場所なのだ?」

 

私は都合よく天使のふりをした

 

「たまには女の子らしい気持ち

にもなりたいじゃない、ちょっとは空気読んでよ」

 

「空気を読む….エアーリーディング….」


エアーリーディングという聴いたことない単語に

実家で酔っ払っている兄を思いだす


「俺のポエトリーリーディングを聴け!」

とスマホから伴奏をかけて詩の朗読のような

ラップを歌う、春休みの時期の兄


【ラブホテルラフレシア】

高価な値段を払いプライベートの音を好きなだけ出して二人だけの時間を宿泊してもいいよう

設計されてる施設にて私はもう、吹っ切れた


「私だって歌姫になりたいの!

 私の歌を聴きなさい!」


—♫ Apple musicから音源をかける-


 世界で1番おひめさまそういう

    扱い心得てよね


私はここから先VOCALOID初音ミク

とワールドイズマインを歌い上げる


ヨルは私を見つめ

恍惚とした顔で私の歌を聴いてくれた







 











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