死神ランデブー破之弐-22話
けっこう歩いた、家までの道は遠い
カラオケを出ると雨が降っていた
ヨルが眠るカラオケの中で
既に私のスマホからは土砂崩れ警報が出ていて
電車も止まってしまったのだ
「大丈夫か?」と、顔をしかめるヨル
..お前のせいだよ、と思ったが
誘ったのは私の方だ。
「えぇ、大丈夫..ただお腹が空いたわね」
周りを見渡す、飲食店もない
コンビニだけ近くに辛うじてあり
コンビニに入る
イートインコーナーがあったので、
そこでインスタントラーメン
を食べる事にした
人がいる手前私はヨルと喋れないのだが
コイツの面倒なところはコンビニでうろうろ
するところだ神様のヨルとは喋れない中
ずっと歩き回る神様のヨル
道中傘をさしていても
着ていたワンピースは濡れ
布が体に触れる度、
気持ちの悪い感触に苛まれ
私はとてもイライラしていた。
うろうろするヨルとは喋ることもなく
雨の強さはますばかり、雨で冷えた体を
温かいカップヌードルで暖をとる。
….節約家の私が、前日に10万円まとめて
コンビニのATMで金を下ろす愚行など
最近の私は、かつての私ではないほど
変わってしまったなぁなんて考える。
女の子に気を遣って過ごした
小学生時代。打って変わって
私はキャンパス内女の子に
ゆり様と呼ばれ
今現在、私は神様とデートをしていて
神様にイライラしてしまう始末だ。
うろうろする神様を手前
行きたい場所は脳裏から離れない
私は、ただ雨が弱くなるのを待っていた
が….もう拉致があかないので
立ち上がった
ヨルはどうせ私についてくる
黙ってコンビニを出た
バァサ..ザッ..私の隣から青い粉塵が流れる
半歩後ろをヨルが羽ばたく
..人がいなくなったタイミングを
見計らって話しかけてあげよう
丁度、それが今だった
「ヨル?デートに誘ったのは
私の方だけど、昨今女の子には
男の子が デート代を出すものよ?
その強そうな見た目では
ろくにご飯屋さんもいけないじゃない」
….正直ただの八つ当たりだ
だが、ヨルは言い訳をしなかった
「….私は愚かだ貴女は
本当に優しい」
どこがだよっ..と内心思うや否や
目的地に着いた
….
【パチンコ屋だ】
ヨルは、建物を見るや否や
怪訝そうな顔を浮かべた
「ここは、行ったことがない
ここに足を運ぶものは皆….顔つきが
重い….なんなのだこれは?」
と顔をしかめる
私は
「社会勉強よ、ヨル 貴方に讃美歌を
聞かせてあげる」
首を傾げるヨル
騒音響く室内に入ると
大雨も相まって人がぽつりとしかおらず
人がいないエリアから
【エロアニメの台のスロット】
を私はソッコー選んだ
音もうるさいし場所も場所だから
ヨルと喋れると判断した
「どう?ヨル貴方が知らない世界でしょ?」
やけくそになった私は
初手で一万円札を台に突っ込んだ
「….凄いなここの中はこんなに鮮やかな世界
だったとは..ここで何が起こってるのだ?」
「これは賭けよ、このマシーンの数字
が揃うとお金が増える、一か八か」
「大丈夫か?」
….このタイミングで
コイツの心配は正しく噛み合った
だが今日は私は機嫌が悪い
「せっかく!カラオケに誘ったのにさ!
なんで寝ちゃうかなぁ!
あーあ!ヨルの声もっと聴きたかったのに」
「ああ….すまない」
ヨルの声は乏しい、私は意地が悪い。
「貴女は大きな乳房が好きなのか?」
そう質問するヨル。
スロットから流れる巨乳の女の子を
儚げな顔で見つめていた
—-アァン!!トゥルル!
ドゥン!ドゥン!ドゥン!!—-
「….何?悪い?」
「….私は乳房が大きい人は少し
怖くてだな」
—-スゴォイ..ハゲシイドゥルン パァン
トゥルルル—-
喘ぎ声まがいの音声が流れる台
声がかき消されるから私の声は太くなる
「何?私は乳が小さいから
私は怖くないって言いたい訳?」
二次元の女の子のデカ乳が揺れる
「….すまないそんなつもりじゃ..」
—-アアァン! スゴイ!!——
ヨルの声はかき消される
「ヨル君さあ、私ヨル君の歌
もっと聴きたかったのに
同じ曲しか歌わないし
けっこう怒ってるんだよね!」
「..すまない」
….スロットの女の子が喘ぐ
—-アァン!! ドゥル! ガザガガザガガガ!
「ヨルだけ!気持ち!よく!
寝てる!から!私も!
気持ち!よく!なりたい!
この女の!声!あんたも!
だしなさい!」
….思いついた言葉を太く放つ
当てつけだ。
—-アァン!ご主人サマァ—-
少し間を空けて
「….あぁんご主人様」
ヨルが真似した。
—-トゥルルル アアァン!!
「もっと感情を込めて!」
神様に、また喘ぎ紛いを真似させる
「あああん!」
—-スゴォイ!!ジャキンジャキン!!
「…凄い!!!!」
「そうよ!ヨル!!」
大根なヨルの声が太くなる
効果音 音楽 喘ぎ声紛いの音声
巨乳達が奏でるパチンコの音
私は死神を合いの手させる
——アァン!おっきい!!
「あああん!大っきい!」
「もっと聞かせて!」
——スゴォイ!オカシクナッチャウ!!!
「凄い!おかしくなっちゃう」
リーチがかかる、数字が揃う
映像が細かく切り替わり
デカ乳は揺れ、演出は神がかり
死神の棒読みの声も迫真になっていく
「もっと私を楽しませて!」
—-アァン! 「あああん!!」
—-ダメ!! 「だめっ!!!」
「もっと!ヨル!!」
—-アアアン!ソコ!! 「あああん!そこっ!」
——オカシクナッチャウ 「おかしくなっちゃう!!」
—-ハゲシイ 「激しい!!」
—-ラメェヤメテェ 「らめぇ!やめて!」
….何分も何分も死神様を喘がせる
—-オオッ! 「おおおっ!」
—-キモチイイ 「きもちいい!」
——-アアアアン!!絶頂エクスタシー!!
ドゥルルルル!!!!
その時、数字が揃った666 だった
「ああああん!絶頂エクスタシー!!!」
私だけが聞こえるヨルの声
私だけが観測する
——-60分くらい打っただろうか
数字を揃える事と
神様の一つであるヨルを
喘がせる事に躍起になっていて
少し、してから私も声が大きくなっている
事を自覚した後に視線を感じ
恐ろしくなって打つのをやめた。
….またも恐ろしい気持ちが芽生える
この1時間の払い戻しの額
【¥136,160】
死神様に時給13万円の仕事をさせてしまった。




