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夜は朝を知らない  作者: -1twelv2-


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2/4

一章.2何?この兄

ぶり大根はおかわりしたかった。

仰げば尊し。歌詞は曖昧だが

不安はない。 不安な箇所はだれかが

覚えているし 覚えてる場所は誰かが忘れてる

心を一つに。 なってないからこそ

信頼がある。 てか、心。



バラッバラすぎ…..


私は徹夜。頭の中はとても忙しがない。


泣きじゃくるような声にも納得。


腹から出てない声にも納得。


口パクをするほど私は

パンクロックではないが


全然してる子もいる。


隣の女の子は一回も喋ったことないなぁ


鼻水の音やばっ。そして

私のチラ見はうますぎる


ぜんっぜん気づかれてない絶対。


そして。胸がいっぱいになってるのが私には


わかる。


そう。ダブルミーニング。ちらっ。


おっぱい、うん。 でっかいなぁ^_^



昨日は徹夜を。

せざるを得なかった。


兄がホストをの仕事をトんだ。

兄が久々に帰った。

家で暴れた昨晩

晩御飯はぶり大根だった。


岩永翔太 は初月で、No.1の

ホストになったらしい。

ラスソンをかましまくったという

伝説を残した。源氏名は.クロル。


兄がホストを初めて二ヶ月目くらいかな

実家にいた兄に


「お兄ちゃんラスソン何歌うの?」

変な世間話。を持ちかける。ただの好奇心。


「ん?あぁ SILENT VOICE KILL」


私は一過性の売れ方だと確信した。

コイツのセンスはいつも攻撃的。


兄は歌がまぁ、上手い、のか?

って感じです。 上手いうん。上手い

みんなそういうと思う。多分。?


兄は幼少〜運動は人並み以上に色々できる


サッカーボールのリフティングとか小学生の頃

ずっとしてらのを見てた。部活はしたくなかった

お兄ちゃん。でも

小学生の運動会リレーは毎回最後だった。

 

母の薫は高校生〜バイトをしてた。

バイト代で色んなファッションを通ってきては

モードファッションに至ったのかな、

母は。でもたまに着るカジュアルも

かっこいい


翔太の服も。

センスがピカイチだった。


兄が奇抜な服を着てるのは何度も見てきたが

浮ついて見えたことはなかった。


チャラいのにうざくない。

ドクロきてるのに痛くない。


柄に柄でも 色相間は理に適ってる

「翔太」という 系統になっていた。


お兄ちゃんが高校生の頃

たまーーに、それは「変っ!」ていう

服が私の中で年に2回くらいあった。


あの服見ないなって思ったら

「あの、紫と黄色の服って」

「あーあれ、プレってたから売った」


と一言。今思えばあれは

お兄ちゃんなりのファッションの

流通とか系統変化。とかではなく。


個性的な友達や遊んでた女の子から

もらった服だった。んだと思う。?


彼の身の回りの人間関係見ると。そう。

なんだろうなもらいものを貶さないけど


着ない言い訳というか隠し方もセンスがあったし

もらった服は手放さなかった。


たまーに母が兄には似合わない服を

部屋着にしてたりしてた。

母は何故だろう。全てが似合う。


兄は、高校生くらいから

私に「全て」は語らなかった。


取っ替え引っ替え服も女の子も

して、たというより

されてるとも流されてるとも。

モテて、はいーるのーか、んー


めっちゃモテモテだった。兄。

なのかぁなぁ


正直、お洒落な二人を見てると

私はファッションに本当に自信がなかった。


薫お母さん。翔太お兄ちゃんの

良く悪くも、ついてけなくなるのが

 

「我流なのに成立させてしまう所だ」


母と兄は「ADHD」

常識のある父の健が世間に知られる前の

早い段階で


【もらえるもんはもらっとこう〜♫】

と、薫と翔太 二人同時に

精神内科へと促した。

美術館とか映画館が安くなるらしいよ

とみんなを連れ出した。

父は全く偏見が無かった。病識があったから。


二人の受診の感想は一緒だった。

「質問なげぇ!テストうぜぇ!」

二人が精神科に受診を受けた帰りのドライブ。


私は乗り心地のいい1番後ろの座席

運転は父。助手席に兄。

隣には母。手を握ってくれていた。


私はずっと笑ってた。

「あれ、どういう意味の形でどういう意味であーむかつっ!おいかぁちゃんみろよ!」

 

「あっ。しょーたっ待って、今パンツ食い込んでる!なに!」

 

「おいて、!あれ!あれ!何あれ!

なんかハゲたおっさん ジェラピケ着てね!!!きめぇ!え、パパ活?じーさん?」

 

「あー。あれ、あっあれ!あれね!

 いや、あれちゃう!ジャラピケじゃないよ

 あれね!えっ!やばっえ!イッセイミヤケの新作なんでジジイがきてんの!!」


「え?!ミヤケ?なんでミヤケが今出てくんだよ!てか、あいつよーー俺

俺が間違えてあいつの体操着持って

帰ったくらいで

わざわざいじめられてるとか

ほざいて泣きやがってぇ、って

うわっ!えぐい!えぐい!えぐいて!!!!虹!」

 

私は虹に

「うわぁ!!!えぐいてー!!!

 可愛い!綺麗〜〜!」と

 いうと三人は口を揃えて

 

「お前が1番可愛いよ」と言ってくれた。


それ以外の言葉の意味は良くわかってない  

けれど人生で一番楽しいドライブだった。

記憶だけは確か。



薫と翔太は、地頭は悪くはなかった。


薫は無理矢理にでもコンビニで働いてたおかげか母の整頓術は大雑把だけどまとまりがあるし

アパレルでも勤めていた。


兄は鞄をもう持たない事にした


その都度出先で買う。

どうせ家か学校にはなんかある


外で出たゴミはコンビニのゴミ箱。

そこに捨てる。


ポケットティッシュだけは

アウターにだいたいはいってるんだよな

支離滅裂のようで筋は通っている。

 

家族の共有の家具や衣類は、

思ったほど数はない。



父は、服に無頓着だからいつも同じミドル丈のコートを冬に着てた。大事な日だけ母に選んでもらう。


夏は、その辺で買った

謎の 猫のTシャツ。

全くもってしわがなく


柔軟剤のいい匂いがいつもしていた。


二人の共有の衣装部屋はセレクトショップ?

ていうのかなまさにそんな感じ。


母が元アパレル店員なのでレイアウトが

めちゃめちゃ上手い。


衣装部屋にソファもあったから

衣装部屋というより、おしゃれなリビングだった

家族みんな

そこでよく、くつろいだ。


誰かがいれば 自分の部屋に

一息ついたら自分の部屋へが 暗黙の了解。

ここで揉めた事は 不思議となかった。


そこから私も服を借りてた時期はある

私は苦い思い出があるから

私のは私で着てる。


母と兄の服は

着こなしがとても難しかった。

二人のセンスの台所。二人からそれぞれ


【ファッションもう一周回ったよね】

80回以上聞いた言葉だ。


兄も中1で既に何回も言っていた

派手な服も無地も両方着るのは楽しくて買ったものを持ってるから着てる「だけ」

意外とお洒落はすぐに飽き「ている」とは言った。が何回も何回この説明を聞いた。

 

鼻につく。

そういう割には癖が二人とも強いし

毎日出かける時はコーディネートが毎回違う。


2回外にいくなら。一日2回。ニュアンスが違う

姿見で身なりを確認二人のチェック無言で入念。


だけど一貫して共通するのは二人から、

「今日変?」と聞かれた事がない。


私は父にだけ「ねぇおかしくないよね?」

と何度も尋ねた

父は「今日も可愛いよ」とだけ。

安心感が私は欲しかった。


「どっちがいい?」

は兄だけはたまにある。

妹の私は1番嫌いな質問になった。


本当にわからなかった。


テキトーにこっち。と指差す。

兄はふーんとだけ。

指差した方を着る。

鼻につく。


なんなんだろう、言葉の保険とも違うし


この感覚は私は毎回二人は鼻に付いていた。

ADHD 特有だ。

何回も同じ話をする。


そして、兄の一番のついていけないとこは


音楽に対する向き合い方だ


家族でのカラオケ小2くらいの頃、

兄が歌う JPOPが好きだった音程は

大まかあっているし。


何より一生懸命な歌い方が素敵だった。

 

だが兄は小4くらいから

ヴィジュアル系由来の音楽を

好んで聴くようになった。


それ以降の兄の歌は

どことなく私には鼻についた。

だが下手ではない。高音がムカつく。

しゃくりあげるな。


中1に差し掛かる頃、

家族でカラオケに行かなくなった。

兄はデスボイスにまで手を出し始めた


毎回兄の声が ガラッガラになるから

友達と言ったが楽しいよ!っと

家族三人で促した意外と翔太は

「いやぁそうだよなぁ」と。


兄の芸術への追求はとにかく深かった。

兄はYouTubeのあなたへのおすすめを

無限に探求してしまう。


中1の頃には、HIP HOPはUSしか聞かん!日本の商業音楽聴くやつバカしかいねぇから!!!


彼の歌の努力は

ろくに意味もわかってないない


英語歌詞の早口ラップや

外タレの獣のような

シャウトに変わる。


カラオケじゃなくとも

家で歌ってる歌は、レベルは高い?

のか分からないけど、声がでかい。


兄の趣向が本当にわからなかった。

カタカナ発音のうざい美声の英語かと思えば

「ヴぉぉおおああおおお!」とシャウト

 あー本当無理。


「うるさい!翔太!」1番うるさい母が怒鳴る

父は

「うぉおっごっっつっほっんうう、!翔太すご

 出せる気がせん。」


真似したくても父は雄叫びが真似出来なかった

 

私は家族の中でお父さんが勿論1番好きだ。

家族のカラオケも お

父さんがたまに歌う

昭和歌謡がご褒美だった。

お母さんの平成ソングも大好きだ。


私のヘイトは兄に溜まっていく。


散らかるリビングに奇声が続く。

飲みかけのペットボトルが散乱。


そして兄は一方的に私に

音楽を語る、服とか顔が


ちょっとカッコイイのがムカつく。


なーんかい聞いたかな。

このくだり。


ガテラルがどーだのグロウルがどーだの


外タレは胸の成りから規格外。


90年代のV系のボーカルは異質。


あのラッパーはフロウがエグいだの


その辺のやつは音楽の解像度がどうだの

なんか色々語るが


共通点がある。


兄はボーカルの事しか語らない。


私は痺れを切らした。


ギターの事や楽曲の展開とか

そういう話はまるでしなかった


察している。


そう「歌」の話しか

「できなかった。」


「詳しいよねミュージシャンになれば?」


と告げる。


バンドをするために軽音学部に入った

事私は知っていた。

すぐに幽霊部員になった事も。

知っていた事をあえて知らない体で聞く。


  兄は支離滅裂な言い訳しかしなかった


 

「お前になーわかっかなぁこのジレンマあのな

所詮日本で!音楽で!売れてる奴なんて!

モテようとしてるキモオタしかいねぇよ!


学校は社会の縮図!まーじでおもんない

本当のパンクはもうねぇんだよおい!


部活入って思ったよね、」


とつらつらと自分語りが始まる。

昼に起きて夕方だけ学校に行く

半グレADHDの兄の語りはまるで



HIP HOPを聴いてるようだった。

 

「俺はなぁ!教室の火の用心って

書いてあるポスターのな!

ローカルの女が なんかムカついた!!


色気もねぇからよぉヤンジャンの

袋とじのグラビアに差し替えてやったんだよ!


カルチャーの踏襲!アートカルチャー!

音楽とそこのカルチャーって密接なのよ、


俺はなっ!、なっ!きけよ!

しょーもねぇ火の用心の女をな

でけぇおっぱいの女に変えてやった!


びーちくに画鋲を刺した!

ボ!ディ!ピアスだ!

パンクの代名詞だろ!!


へそんとこに

なんかノリだからあれ!

ニコちゃんマークかいといた! 

お前わかんだろ!俺のTシャツの!

よく着てるマーク書いといたよ

今度中学来てみてみろよ!


あ、もう剥がされてっか、だり

あっはなしとんだ。んでよ。


諭吉が飛ぶよう楽器を買い集めては音鳴らす

行為が!だ音楽なんだよな!


煩悩まみれのボンボンしかやれねぇんだよ

そもそも。


なんで音楽やってんのって? 

部員全員に聞いたよ、みーんないっしょ。


どいつもこいつガキなのに

憧れのバンドの誰々さんみたいになりたくて、

とかしかいわねぇしよぁ?!


 オメェ将来社会でるだろ!!


あいつらみたいになる気ねぇだろ!


学生のうちだけでもチヤホヤされて

モテるためですってオメェら全員言えよ!

イカクセェんだよ!


てか、その憧れてるバンドマンのおっさんもな

ファンの女はフツーに抱くし歪んだ音も、


説教くさい自由な歌詞も

ぜーーーんぶ!レーベルの言いなりな!

革ジャン着てるけど!なにがロックじゃ!


音楽は金持ちしかできねぇよ。ただ。

その中での「暴れた芸術」ってのが

ロックなのによ!


そこんとこ、わかってねぇ

インテリ気取りのインキャが

翔太くん、悪目立ちはロックじゃないよ

とか能書きたれやがってよ?!


おめぇ?!は!?

商業ロックばっか聴きやがってよぉ!

おめぇら、エレキだっら全部ロックなのかよ


くだらねぇ所詮日本にパンクはどこにもない

なあぁ!90年代ー2000年代に

青春を過ごしたかったなぁ!!

俺の求めるバイブスはイカくせぇ島国にはねぇの!」


作り話ではないが

私は話の本質をすげかえてるのがすぐに分かった。

支離滅裂だけど言いたい事はなんとなくわかる

意外と本質的な部分もある。が。


問題はそこじゃない


1

絶対楽譜読めなかったお兄ちゃん。


2

ぬるっと演奏を合わせるバンドメンバーの空気が退屈に感じたお兄ちゃん。


3

なんだかんだ邦ROCK疎いから会話に混ざれないお兄ちゃん。


4

忘れ物が多いから小言の多い顧問に嫌われたお兄ちゃん。


5

歌いたい歌をリクエストした時に演奏隊のレベルがめちゃめちゃ高くて基礎練からやらない?と促され、、


うん決定打は絶対コレ。


歌う機会がほぼなく終わる。


全て容易に想像はつく。

歌が上手いと自負してるだけに

日本語青春バンドの中学生とか

イライラしたのだろう。


兄は意外にもセンス的な事で

言葉でマウントは取らない


「態度」がいつも隠せていないことに

自覚がない。


体験入部で吹奏楽部、見学だけした事がある。

体育会系とはまた違う


肌に合わない空気を私は少しは共感できる。

ただ、兄には体育会系の方が

もっと合わないとも思う


部員は何もおかしい事してないし

部員が何をしたかは聞いていない。

なんなら部員の話。ほぼなくない?

自分の思想しか語っていない。


【楽器を弾きたくなかった】

これに尽きるな。


の癖に兄が崇拝しているバンドは

兄曰く「ビートルズ」

やっぱ長く残る音楽が1番なんよなぁ

と週に一回だけはビートルズが

兄の部屋から聴こえた。


どうせ秀逸なネットのコメントに

影響されてるだけでしかないとすぐ気づく。

ビートルズも言い訳も。


私は兄に本当に「ついていけなかった」

そこから中3から高校生にかけた兄は

「分からない存在」に変わっていく

中3の秋から学校とは完全にドロップアウト。

不登校。卒業式だけ顔を出した。


2階の兄部屋から流れる音楽が

うるさいメタルが

いつからかBGM?


インストゥルメンタル?っていうの

が聴こえるようになって

たまーにボカロが流れるようになった。


うるさくなくて結構好きだった


家で顔を合わせた時

「激しいの聞かないの?」って聞くと

「あーイヤホンでね、たまに」とだけ


その頃から兄は良く寝る男の子になっていた。


通信制高校の兄は本当に謎が多かった。


1週間くらい引きこもったり


夕方だけコンビニで働いてたり


私が夕方に家帰るとリビングで

アピールの感じもなく


教科書を広げて勉強してる

姿を見た。


平日の学校帰りはにアーケードで

ぽっちゃりな女の子とデートをしてる兄を見た


見境ない感じは不思議としない。

兄も女の子もとても楽しそうだった。


土曜のショッピングモール。

私は石田くんとデート。

ゲームセンターでプリクラ撮ってたら


太鼓の達人コーナーで

難易度おにを叩く二人

左がお兄ちゃん。

隣の男の子は見るからにオタク


どっちもギリ ノルマクリアくらいだから

二人より上手い人は休日にゴロゴロと見る。


だが、いつもより人口女子密度が微妙に

多いのは気のせいではない。

スコアは僅差でオタクくんが勝っていた


兄は一緒に叩いた男の子に

「オメェやっぱうめぇ!きもっ!」


「師匠〜ほんま叩けたん光栄、てか

 翔太くんーー今日の服どうかな?」


「え!めっちゃ可愛いやん、今日は

 まぁブーツよりスニーカーがいいけど

 関係ないっしょ!」


「おお?!なるほど、あってかさてかさ」

「あっわり!一瞬叩けたけどまた!」

「りょ!! 師匠あれやろ!」

    「うぃ!」

 ——-オツカレアザス マシマシ卍-

 と、ぐーのこぶしを二人は重ねる。


え、これBLですか?


なんの魅せプでもないのに

兄の影響でゲーセンに女っけができた。


地獄耳だからヒソヒソ声も聞こえる

「えっ夢小説??」

「羨ましい他校いいなぁイケメンおらん!」


と思えば同じ日の夕方。

同じ館内のスタバで兄は

ギャル4人に囲まれてる。

みんなニッコニコで話してて4:1

兄はPSPの買ったソフトを見せびらかす


え。なんでお兄ちゃん乙女ゲー買ってるの

え。てか、ギャル嫌いでしょ

基本そういう奴。


頭ははてなだらけ。


石田くんとのデートなのに、兄の存在にしか

意識が向かなくなる。


その日夜の20時くらいに私は帰宅

兄は「おつーー」と一言。

え、先に帰ってる。



共有お洒落衣装部屋で

コーヒーを飲みながら

読んでる漫画はエロ漫画だった。



またある時の夏の朝。

モデルみたいな女の子と手を繋いでいるのを見た。


女の子はふりっふりの

チェックのワンピース


その時の兄はただ黒のTシャツ一枚

加工感がないのにお洒落な

紺色のジーパンに茶色の革靴を履いていた。


一貫して言えてたのは全ての「翔太」が

友達とか、彼女?よりも大人に見えた。


1番不思議なのは、翔太は時折

とてもくらい顔をして部屋に篭る事だ。


ギラついたファッションの

3.4人の軍団。少し威圧感を感じる。2.3回

似たような光景を街中で見た時もある。


そこに兄はいるのだか 

その時の「翔太」は1番コーディネートが

洗練されているのに 1番存在感がなく

兄の笑い声は目立つのに


1楽しくなさそうに見えて1番

「大人」しかった。


意外にも兄は0時を超える時間に

外に出る事はなかった。

高校生になった兄


たまに喋る話題は漫画の話が4割

音楽が2割。この頃から兄はボカロの話

が多かった。


残り4割は絵が上手い友達の自慢話

それだけになった。


別にずっとクールになったわけじゃない

漫画の話4割はエロ漫画の話だった。


タバコも酒も通っててもおかしくない性格なのに別

にそういう類の姿も見る事もない


ほんとにたまーにだけ。

兄と喋るようになった。なんなら、私から話しかける事が増えた。兄はほとんどの時間自分の部屋にいた。


昔よく見た明るいお兄ちゃんもたまには見る。

好きなアーティストのライブに当選した時は


はしゃぎ回ってるのもちゃんと見た。


絶対当たるであろう

マイナーなアーティストのライブなのに。

理由を後から知る。


大切な友達と行くんだと目を輝かせていた。


【分かない兄は】

過去からずっと「今も」続く

そして間も無く

【ついていけない兄が】

実家にもううすぐ登場する。


ホストを初めてからは

ラブホなのか先輩の家なのか女の子の家かに

寝てるんだろうなぁと 

みんな思ってる。


月に2回くらいしか実家にこない。

野良猫みたいにうちにくる。

そして

この野良のイケメンはうちに来る時

毎回酔っ払っていた。


ガチャっ、ゴゴッザッ…ゴンゴン!

この重いブーツとか履いてないと

ならない靴音が聞こえる。


あーだる。兄だ。

ドンッッドン ドッ



「卍ーーただいまんじーーーー!!!!!!!!」


三人の「おかえり」は


棒読み。


兄は食卓へ。香水の匂いがいつもきつい。

前はそんなんじゃかった。

水商売のあるあるなのかな。

 

「うぇーーーい!気持ちいい!足洗ったぞ!!

きしょホスト!!

女みてぇな化粧はもう終わり!!!

うゎああ!ぶり大根だああぁ

ぶりぶりじゃあああ!!」


既に酔っ払たお兄ちゃんは茶色いの

ファーのコートを着ていて中は。


え、っえっ、

タンクトップえ、

寒くないの3月頭だよ?


スキニーパンツはレザーだった。

もう分からん。本当に。


理解が追いつかない

足洗ったってえ、やめた?

ホスト辞めたんだ。と認識。

意外と長かったじゃん思えば!!

一年続いた!よく!

私の口は無言で私の頭はフル回転。

 

ヤクブツでイカれてないだけ上出来

だと思う、てかあんたやせすぎ!

トラブってホストクラブ出たなら

ホストって内装絶対高いからなんも壊してないよね?

頭の中は心配だった。


中学は半グレ

高校は通信制の学校卒業。

ホストは勧誘だったらしい。

親は止めなかった。


お兄ちゃんは絶対高いファーのコートを雑に床に置いたお母さんはすかさず。

「アンタ!こら!これうちの♡」

兄は「あーん?!母ちゃんあげるーーー♡」

タンクトップ一枚の兄と毛皮を纏った母二人は

懐かしい平成ソングを息ぴったりに同じタイミングで歌いだした。


【ビールのも♡】

またも同じタイミングの兄と母

母は缶兄は瓶ビールを片手に持つ


乾杯はわざわざしないのが

阿吽の呼吸だった。


私は、ぶり大根結構好きだ。

おかわりできるのも目視してたけど

「ごちそさま! 部屋行くね」と


「はーい 」父と母の声


 兄は 「俺はな!もう熟女にしか興味ねぇよ

     ゆり!よりも!ぶり!!マンチ!」


兄は ぶり大根に夢中のそのそと鍋へいき

 素手で魚を貪る、兄はやっぱりスタイルがいい。


「うんまぁ!!!」

「こらっしょーた!すわろ!」


「ほんまにそれな!、すまんすまん!」


その日は長く伸びた前髪をオールバックに結び 

部屋なのにサングラスをしていて 


たまにYouTubeで見る

ラップバトルのまぁまぁ強い人?

名前分かんないけど、その人みたい。だと

ニヤニヤしてみてた。


お店の癖が抜けないのかなぁ


椅子は必ず少し持ち上げて引く。

音がならないように。


サングラスを静かに机に置いて椅子に座った。

酔っ払ってるのに兄の生活音は嫌じゃない。


流石に面白すぎるから兄を台所から

少し離れた所から観察していた。

ご飯を食べる時は静か 

瓶ビールをラッパ飲み

15分くらい見ていた。


「何も言わずによそう母」

お酒のラッパ飲み以外は

意外と。行儀がいい。

長い足はだらんとしてるが

汚いわけではない


お茶碗を受け取ると

「サンキュー」それだけ。

5分も経てば、「染みる」と「うめぇ」

と「ふぅ」と「ぐぇぁ」っていうゲップ

それだけが続く

 

指が長いからだろうか兄より

お箸の持ち方が綺麗だと思えた人に

出会った事がない。

 

 


時たま箸とお茶碗を叩く箸の音が綺麗だ


咀嚼音は味噌汁を飲む音やシャキシャキとした

心地のいい音、くちゃくちゃという音は

不思議な事にたまーーになるがなぜか嫌じゃない。


ごくごくとビールを飲む音は響く。

あの存在感で、あの振る舞いで

品性が溢れる兄のご飯の音。


「翔太」という動物を見てるようだった。

人間らしい鼻水を啜る音は聞こえた。

兄だけが、段々と泣きそうな顔になっていた。


ギャングみたいだけどガリガリな兄。

面白いのかかっこいいのかも分かんない。

 

お兄ちゃん、なんであんな化粧上手いんだろう。

アイライン引いてるってのはわかるし

ちゃんとお化粧してるのはわかるのに

「くどさ」がほんとにない。


瓶ビールをテーブルに静かに置いた。

天井に向かい、目には涙が溜まっていた。


ほんのり目元は赤く塗ってるから

綺麗な化粧と正しい意味での泣き化粧が重なる


念願の武道館 思いが溢れ 泣いちゃう

歌手のような 顔になっていた。

兄はもう、限界だった。

 

「あーー!どいつもこいつもよう!!くだらねぇ!

お前らがきてるロゴドンのなぁブランドのなぁ!

高尚な思想を持ったデザイナーはなぁ!

お前らみてぇな外道に服を仕立てたいわけ

やないで!カスが!ガリだから似合うわけ

ちゃうぞごるぅあ!!


あのシルエットのな!

思想のあるストイックさが似合うやつ

なんてな!日本にはな!

いねぇ!ぁああ!くっせぇ! 


オメェら下手くそな化粧する前に

滝にでも打たれてらぁ!


俺がお前らにマントラを唱えてやるよ!


俺が教祖!ちゅ!正しくてごめーーん!」



その後の言葉本当に意味が分からなかった。


「ちゅーーーーー

嗚呼あんちゅっ!

あーーー♡♡♡♡♡

ゆのちゃんとはまた


枕したいーーーーー♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡

か、俺されてましたー営業ー♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡


あああー!ああー!あいどんきるゆー!!!!


33..22..11!!!


ゆのネキのオリシャン高すぎえぐいてーー!!!


なんで、俺8本あけてんねん!ゴラァ!!


ヤマタノオロチかぁ!!!俺は!!!!

逃げろーー弱男!!! 金が飛ぶぞぉ!!!


てかよぉ!!!逆に!!

鬼枕とか 書き込んでじゃねぇぞ

ブスアマゴラァああああああ

オメェ俺。マジでさぁあ!


セックスだーーーいすきだけど

けーーーっこう我慢してたし!

品性ねぇからよー!ヤリチンはよ!!

趣味枕だけじゃねぇよばーーーか!!!


ちゃんと、売り上げ順で!

抱きました!!!

ブスもしこたま抱いたわ!


とりあえず!!

ヴォオオオオオオオオオオ

便利便利万歳!!!俺!!!!!!!」


母は止めなかった、というより

ずっと笑ってた。


父は冷たかった。いや

優しかった。

怒ってる様子はなかったけど

線を引きたかったのは見てて伝わる


「ちょっと薬局いってくる」と言って

出た。その後車のエンジンの音が聞こえた。

母にたまに聞く。父は

しんどい時黙って漫画喫茶の

狭い部屋で一人で寝るらしい。


兄は母に泣きついていた。

「ごめん…もう無理かも..母ちゃん..」

母は多弁だが その時は

ただ頷いて聞いていた。


何故だろう。

兄は成人を超えている。


母に甘えている。

情け無い,


という印象はどこにも無かった。


私だけが家族に取り残された感覚。

なんか、イライラしてしまう。


私の部屋へ

とぼとぼと入った。

私の..

部屋なのに。


地獄耳なのに、私だけが分からない。



少し散らかった私の部屋。

ちょっと兄に似てるのは


インターネットの

あなたへのおすすめを

過剰に摂取するところだ。


私は、都市伝説系YouTuberにハマっていた


わざわざこの事を友達との話題には出さない

けれど


造詣が深い。


もうYouTubeを開くと

おすすめの6割はスピ系になっていた。


 

地底に我々が観測できない

高次元の生命体がいる


神の遺伝を持った宇宙人アヌンナキ

人類より前の文明は今よりも遥かに発達していた


波動 霊力

輪廻転生


ゴールデンルール

ザ•シークレット

引き寄せの法則

鏡の法則


フリーメイソン

秘密結社に坂本龍馬もいた


もう全部インプットしてるのに

同じような内容を夜通し見てる自分。

朝になった。

 

卒業式はオールで臨む。朝の5時半

兄はお洒落共有部屋でコーヒーを飲んでいた。


「ゆり、わり、卒業か

 昨日うるさくしてごめん

 明日から俺ニート。」兄も徹夜なのかな


「母ちゃん寝ちゃったから静かにしよーな」


「…はい」


既に制服着てたから菓子パンだけ持って

最寄りの駅へ向かった。電車の中で

いつもより早い便の電車の中で食べた。



【朝夕なれにし 学びの窓】


普通高校の卒業式って

思い出を振り返る日の筈なのに


私の頭の中は兄の事が40%

陰謀論が40%

残りの20%はこんな比率を

考える私の思考分析、あ、なんか


鼻水でてる えっなんで


目があつっえ、


声きもっ!!!!


何、この涙!ムカつく!

あーなんでもう!


私は



泣きながら



仰げば尊しを歌っていた。


私が泣いていた事。

クラスメイトに

めちゃめちゃ意外がられたのが..

気まずかった。


けど嬉しそうだから私は嬉しい


人生で1番不思議な気持ちの卒業式だった。


兄が実家に来る前はさ前日に

なんだかんだエモかったなぁ

と。感動予行練習をしてた。

式の後の立ち回りとかをぼんやり考えてた


外に咲く、

中途半端に咲く桜が、兄を思い出す。

細くてすっかすかやん。


ムカつく。


卒業式の後クラスの仲良しグループ

鉄板焼きのお好み焼き屋へ行こう。

前もって約束してた。


その予定もずっと起きてそれも臨む事にした

夜19:00〜開始。

なんでだろう全く眠くない。


感動のホームルームの後

着替えるために実家に戻る。

例のお洒落部屋。


17:30 兄も眠そうではなく

スマホで猫の写真を眺めていた。

テクノ?がうすーく響く部屋。


兄は

「あ、飯?かこの後。みんなで

 服?着替えんの?」とだけ

 

兄。

なんで、お前はそんなに

冷静に頭が回る。とジト目を向ける


私は「うん」とだけ

私は普段選ばない 

母のブラウスを借りた。


いつもの安牌は「私」のいつもの

ジャケットだけど


今日のおしゃれなブラウスに対しての

安牌は意外にも


「兄」の黒くて四角いジャケットだった。


寝てないから直感。

そそくさとハイセンスな空間から出る。


兄は一言「いいねぇ」




遠くを見てる。


妹はマウントとられた。と思う


なんでお兄ちゃんの服

あんな背高いのに私にもフィットするの



本当に行き場のないイライラが

ゆりに芽生える。

 

——実は翔太は誰よりも妹のセンスに憧れていた。ゆりは何もかもが上手い。いいねぇゆりって感じ—


——翔太が1番好きなデザイナー

彼が就任した時代のハイブランドのジャケット

ゆりはそれを着て、出た。

翔太が1番大切にしてる服だった。——


電車に乗って歓楽街へ行くと

げっ。コスプレホスト見ちゃった 。


翼と角が生えた 

男はコンビニで立ち読みをしていた

外暗くなっていた。


夜だぁ、ボソっと呟く


18:45 コンビニの鏡越しに

死神みたいなホストと目が合う。


すぐに私は目を背ける。

コワッ。。


駅の近くにお好み焼き屋はある。

お店に着く。18:50


もうみんな揃ってた。

「おつー! わっゆり しゃれおつーー」

「お腹減ったわー!エモい〜」

「いこーぜーー」

みんなラフなファッション

女子だけだもの 


私だけカチってしてる。

みんなちょうどいい時間に着いてた。


ダサい子は、私から見てんー

「いない」なと心で呟く


私は本当にファッションが分からない

ただ、今日の浮いた服装は、別に

恥ずかしくなかった。

今日は本当になんとも。気にしてない。


前に選んだ兄や母の服は

遊ぶ度に噂になって陰口言われた。


今日は直感。だけど。話題にならない。気がしてる。




 





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