↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜は朝を知らない  作者: -1twelv2-


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
3/39

兄の話-3話

仰げば尊し、歌詞は曖昧だ。

けれど覚えてないとこの歌詞は誰かが覚えている

そして私が覚えてる歌詞は誰かが、忘れてる


心を一つに なってないからこそ信頼があったというか、いやはや、心、バラッバラすぎ..


私は紅雷女学院(こうらいじょがくいん)の

卒業式を徹夜で迎え今現在合唱の最中

疲労困憊 眠気と戦っている頭の中はとても忙しがない


泣きじゃくるような声にも納得し腹から出てない声にも納得口パクをするほどパンクロックではないのだが


平然とやってのけるラストJKもいる

音や声にならない、口パクの気配を

汲み取る私の地獄耳一度も喋ったことない

隣のラストJKからはとめどなくなく

鼻水の音が聞こえるチラチラ見るのが上手いと

自負する私隣の彼女は胸がいっぱい….

その筈だ、私にには分かる、見るか、見るか?

横を見てみる!

….!!!【大きい…っ!】

やはり胸がいっぱいだった


……昨日は徹夜をしてしまいたくなるような夜になった

———兄がホストをの仕事をトんだから


久々に実家に帰っては暴れた昨晩、晩御飯は

ぶり大根だった。兄の岩永翔太(いわながしょうた)

はホストクラブに勤め出し初月でNo.1になったという


当日の売り上げが最高位のキャストがカラオケを披露するという「ラストソング」通称「ラスソン」


ホストというカルチャーがメディアで取り上げられる昨今、夜の世界に馴染んでは「いけない」

未成年の私も「ラスソン」という単語は把握している


ラスソンを幾度なく歌ってきたという逸話を残す翔太

夜の世界での源氏名は、クロル

ホストを初めて二ヶ月になる頃かな?実家で寛ぐ兄

「お兄ちゃんラスソン何歌うの?」と尋ねた

「ん?あぁ SILENT VOICE KILL(サイレントヴォイスキル)」


兄の売れ方は一過性だと確信した。コイツのセンスはいつも攻撃的、コイツは歌がまぁ上手いのか?


上手い?..うん上手いしモテてる?多分


実力があるのか、ないのか?どうかは知らないが

私は兄を認めたくない


幼少の頃から人並み以上に運動神経がいい兄

サッカーボールでのリフティングはずっと続くのだが

部活はしたくなかった兄..小学生の頃は帰宅部

けれど、日頃から外を走り回っていて

小学生時代の運動会のリレー兄は毎年最後の走者

それに加え、兄は昔からファッションに凝っていて

母の薫も高校生〜バイト代で

高い服を買っていた為ずっとお洒落だ。


アパレルの勤務経験もあり年を重ねた母はシックな

装いが多い。兄の翔太、負けじとセンスがピカイチだ。兄が奇抜な服を着てるのは何度も見てきたが、浮ついて見えたことはない。チャラいのにうざくはない、ドクロきてるのに痛くない、柄に柄でも色相間

は理に適っていて「翔太」というファッション

の系統になっていた。


正直、お洒落な二人を見てると自身のファッションに対して自身を失う毎日..


さらに母と兄、2人についていない大きな要因

2人には「ADHD」という発達障害がある。


今となればよく耳にする言葉、常識のある父は

世間に知られる前の早い段階で

【もらえるもんはもらっとこう】

精神科へと促した、父の健(たける)は

「診断が降りて手帳を見せたら美術館とか映画館の料金安くなるらしいよ」

..病識があり偏見がない父の健は

家族を連れ出す、受診後の母と兄感想は同じだった。


「質問なげぇテストうぜぇ」



——

「あれ、どういう意味の形でどういう意味であーむかつっ.. っおいかぁちゃんみろよ!!」


「あっしょーたっなに!待って今パンツ食い込んでるなに!」


「おいて!!あれ!あれ!何あれ!!

なんかハゲたおっさんジェラピケ着てね!!」

 

「あーっあれ !あっあれっいやっあれ!違う!ジャラピケじゃないよあれねえっやっっばっえ!イッセイミヤケの新作なんでじーさんがきてんの!!


「え?!かぁちゃん何で今ミヤケ?服だよ服!

てか三宅あいつよー俺が間違えて

あいつの体操着持って帰ったくらいでわざわざいじめられてるとかほざいて泣きやがってぇわざとじゃねえょ!ってっぇえ!

うわっえぐい!えぐいえぐいて!!!!虹!」


「うわぁ!!!えぐいてー!!!可愛い!

綺麗〜〜!」

幼い頃の私の言葉

感化され兄の言葉遣いを無意識に真似した


「お前が1番可愛いよ」3人は口を揃えた————


ADHDの診断が降りたものの二人は地頭は悪くはない


薫は無理矢理にでもコンビニで働いてたので

母の整頓術は大雑把だけどまとまりがある

アパレルでも整理整頓が基本だった。


忘れ物、無くしものが多い兄は鞄をもう持たない事して外で出たゴミはコンビニのゴミ箱へ捨てるそうだ


「ポケットティッシュだけはアウターに

いっつもはいってるんだよな、何故か」


めちくちゃなようで理にはかなってる。

 


父がマイホームを建てた後は一室を衣装部屋にしてくれた、母がルームコーディネートをしている為

衣装部屋は部屋はセレクトショップ?のような

リビングになった


誰かがいれば自分の部屋に一息ついたら自分の部屋へが暗黙の了解、ここで揉めた事は不思議とない


寛げるように茶色いのソファ季節に合わせた素材のブランケットを添えて各々幅を取らない

漫画やゲーム趣向品を置く白基調で

コーディネートされた部屋

そこから私も、母や兄の服を借りてた時期はある


..けれど今はお小遣いで買った自分の服を着る事が

多い。..服を借りる事に関しては苦い思い出もある。


2人の服は着こなす事がとても難しい

【ファッションもう一周回ったよね】


2人からのこの言葉を80回以上は聞いた



派手な服も無地も両方着るのは持ってるから

着てる「だけ」意外とお洒落はすぐに飽き「ている」と何回も同じ話

 

その割には癖が強く毎日コーディネートが違う

一日二回外に出るなら一日二回ニュアンスが変わる。

そして一貫して二人は「今日変?」と聞いてこない


だが、兄の翔太が服を選ぶ時

「どっちがいい?」をわざわざ「私」に聞く


妹の私は1番嫌いな質問になった本当にわからなかった

….テキトーに「こっち」と指差す

….ふーんとだけ返事をして指差した方を着る

言葉の保険とも違うしこの感覚に私はムカムカと

してしまう..母と兄、は何回も何回も同じ話をする


..そして、兄の嫌悪が濃くなる最大の要因

実力も無いくせに趣向だけは一丁前な所、

——兄の翔太は歌手に憧れていた


小学2年くらいの頃かな?兄が歌う JPOPが好きだった

音程は大まかあっているし、何より一生懸命な

歌い方が素敵だった。そのままでいてほしかった


……なのに兄は段々とヴィジュアル系由来の音楽ばかりを好んで聴くようになりそれ以降兄の歌にはムカムカした、だが下手ではない、高音がムカつく


しゃくりあげるなと毎回思う、中1に差し掛かる頃、

家族でカラオケに行かなくなった


兄はデスボイスにまで手を出し毎回声がガラッガラになるまで歌う為趣味の合う友達とだけ

遊ぶように促した。意外や、兄は


「いやぁそうだよなぁ」と腑に落ちる

だが彼の芸術への追求はとにかく深い

YouTubeのあなたへのおすすめを無限に探求する兄


曖昧な過去の台詞だが中1の頃

「HIP HOPはUSしか聞かない」

「日本の商業音楽聴くやつバカ」

ネットで見繕った玄人のような意見ばかりを

社会に出ていない子供が述べる


歌の努力は日本歌謡から英語歌詞に変わり

早口のラップや獣のようなデスボイスに変わって

いく家で歌う彼の歌は上手い?のか

どうかもよく分からない


半端に高いレベルの歌声にイライラする毎日。

美声かもしれない?と思って聴くや否や突然と

「ヴォオオオオオオオオアアア!!!!!!」


シャウトする兄、Ipodから流れる大音量の洋楽

「うるさい!翔太!」と家族の中で1番

うるさい母が怒鳴り、隣にいた父も

「うぉおっ!!ごっっほっんうう!!

翔太すごっ出せる気がせん。」

真似したくても父は雄叫びが真似出来なかった


私のヘイトは兄に溜まっていく散らかるリビングに奇声が続く飲みかけのペットボトルが散乱


そして兄は一方的に私に音楽を語る、

服とか顔がちょっとカッコイイのがムカつく


海外のメタルの発声方法を専門用語ばかりを並べて語る「ガテラル」 「グロウル」

「外タレは胸の成りから規格外」

「90年代のV系のボーカルは異質」

「あのラッパーはフロウがエグい」

「その辺のやつは音楽の解像度ない」


知らない言葉を色々並べるが、共通点がある。

兄はボーカルの事しか語らないギターの事や

楽曲の展開とかそういう話はまるでしない。

察している。

「歌」の話しか「できなかった。」

痺れを切らしある日音楽を熱弁する兄に、私は


「詳しいよねミュージシャンになれば?」

と告げた。兄はバンドをするために軽音学部に入って

すぐに幽霊部員になった事をあえて知らない体で聞く


兄は支離滅裂な言い訳を始めた

———-

「お前になー分かるかなぁ?このジレンマあの

な所詮、日本で!音楽で!売れてる奴なんて!モテようとしてるキモオタしかいねぇよ!

学校は社会の縮図!まーじでおもんない!本当の

パンクはもうねぇんだよおい!

部活入って思ったよね」



昼に起きて夕方に学校に行く半グレのADHDの

語りは、まるで早口のラップを聴いてるようだった

 

「俺はなぁ!教室の火の用心って書いてある

ポスターのな!ローカルの女がなんかムカついた!!

色気もねぇからよぉヤンジャンの袋とじの

グラビアに差し替えてやったんだよ!

カルチャーの踏襲!アートカルチャー!音楽と

そこのカルチャーって密接なのよ俺はなっ!なっ!

きけよ!しょーもねぇ火の用心の女をな!


でけぇおっぱいの女に変えてやった!

びーちくに画鋲を刺した!ボ!ディ!ピアスだ!


パンクの代名詞だろ!へそんとこにノリであれ!ニコちゃんマークかいといたお前わかんだろ!

俺のTシャツの!よく着てるマーク書いといたよ

今度教室みてみろよ!あ、もう剥がされてっか、

だり..!あっはなしとんだ!んでよ!一万円札(ゆきち)

が飛ぶよう楽器を買い集めては音鳴らす行為が!

だ音楽なんだよな!煩悩まみれのボンボンしか

やれねぇんだよそもそも!なんで音楽やってんのって? 部員全員に聞いたよ、みーんないっしょ!

どいつもこいつガキなのに憧れのバンドの

誰々さんみたいになりたくて

とかしかいわねぇしよぁ?!おめぇら将来社会でるだろ!!あいつらみたいになる気ねぇだろ!

学生のうちだけでもチヤホヤされて

モテるためですってオメェら全員言えよ!

イカクセェんだよ!てか、

その憧れてるバンドマンのおっさんもな

ファンの女はフツーに抱くし歪んだ音も説教くさい

自由な歌詞もぜーーーんぶ!レーベルの言いなりな!


革ジャン着てるけど!なにがロックじゃ!

音楽は金持ちしかできねぇよただ

その中での暴れた芸術ってのがロックなのによ!そこんとこわかってねぇインテリ気取りのインキャが


翔太くん悪目立ちはロックじゃないよ

とか能書きたれやがってよ?!

おめぇ?!は!?商業ロックばっか聴きやがって

よぉ!おめぇら、エレキだっら全部

ロックなのかよ!くだらねぇ所詮日本に

パンクはどこにもないなあぁ!!!90年代ー2000年代に青春を過ごしたかったなぁ!!

俺の求めるバイブスはイカくせぇ島国にはねぇの!」


…..作り話ではないが

話の本質をすげかえてる

支離滅裂だけど意外と本質的な部分もある。


が、問題はそこじゃない….


1

絶対楽譜読めなかったお兄ちゃん

2

ぬるっと演奏を合わせるバンドメンバーの空気が退屈に感じたお兄ちゃん

3

なんだかんだ邦ROCK疎いから会話に混ざれないお兄ちゃん

4

忘れ物のせいで小言の多い顧問に嫌われたお兄ちゃん

5

歌いたい歌をリクエストした時に演奏隊のレベル

高くて基礎練からやらない?と、促された


….こんな所だろう、全て容易に想像はつく

自分の実力を過信してる兄は聴いてる音楽もレベルが高い、けれど一般的趣向の音楽でも

一生懸命練習してようやくワンフレーズを

演奏できる事にだれたのであろう

さらには青春を謳歌する共感しない

歌を歌う同年代にイライラしたこんな具合だろうか?


ただ、兄の気持ちも分からなくもない私は体験入部で吹奏楽部を、見学だけした事がある

体育会系とはまた違う肌に合わない空気は分かる


けれどこの弁明に関しては部員が何をしたかは話していない、自分の思想しか語っていない。


【楽器を弾きたくなかった】これに尽きる


の癖に崇拝しているバンドは兄曰く「ビートルズ」

らしい「やっぱ長く残る音楽が1番なんよなぁ」

と週に一回だけは兄の部屋からビートルズ

が聴こえた。どうせ、インターネットの掲示板の

秀逸な書き込みに影響を受けただけだろう

「ビートルズ」も「言い訳も」


本当に「ついていけない」だが、

兄は中学3年から高校生にかけて段々と

「分からない存在」に変わっていく、それから兄は

「自分語り」と「始めてもない音楽」を手放した



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。