引き寄せニート-12話
「海斗君も見えるの、アレ?」
….また二人だけの食堂になった
「うん..青い百合みたいな花を拾ってから」
私は食堂の
ウォーターサーバーへ向かう。
コップを二つ 彼と私へ
私は
「どうぞ、今日私青い服着てるから
駄洒落みたいだね 青いゆり」
すると彼は悲しそうな苦笑い
「怖いだろうに無理しなくて良いのに」
少し沈黙が続いて、
痺れを切らした私は
「海斗..!次の土日 二人でさ
遊ばない?ほら!ひきよせ!
サブスクの服屋さん行きたいけど
一人じゃ怖いし」
「あー。日曜なら多分。いける
土曜は行かなきゃいけない所
があって。家族の事で、
後引き寄せニートは
デートで行く場所でもないよ
日曜、ゆりちゃんが遊びたいとこ
連れてってよ いやぁ心臓のバクバク
止まらん」
私は海斗君の手を握った。
「ありがとう、日曜楽しみだね」
「あっ..うん てか ゆりちゃん
あのさ、
距離近い..余計ドキドキする」
私は彼の握った手を見つめて
「怖い時は無理しなくていいよ
あっ…さっき、りんご食べてたから
今。手ベタベタだったらごめん」
そう言うと
「ゆりちゃんだったら逆にエロいよ」
ニヤニヤじゃなくてニコニコで
彼は言って
私は顔が真っ赤になってたと思う。
ちょっとずつ手を離した。
「海斗君の、バカー..えっち」
私は彼の黄色いズボンを
見ながらぼやいた。
すると海斗君は
「ありがとう、ちょっと何話して
良いかわからんから日曜またね」
そして私から
「うん、あ、じゃあさLINEは教えてよ!
連絡したい」
机の上にスマホ
透明のカバー中には何も
入れていない。
QRを見せた。
「読み取っていいよ」
読み取る私。
彼のLINEの名前は
「意識高い系」
プロフィールの一言は
「石北海斗です」
アイコンは紫色の単色
バックのホーム画面
スマホの待ち受けと同じで
柴犬だった。
私は「名前と一言逆じゃない?」
というと
「これでも分かる不思議な名前」
二人でニコニコの食堂。
彼はポケットに入れてた
うまい棒を取り出して
食べながら帰ってまた戻る
「あ、これはあげる。」
またポケットから
彼から小さなカルパスをもらった
「あ!ありがとう」
「うん!短小だけど」
…私はジト目を向けたけど
全くもって嫌じゃなかった。
パクって食べてカルパスの
殻を近くのゴミ箱に捨てた。
丸齧りして小さくなったりんごは
しれっと食堂のお渡し口へと返した。
私は一人でいつものマック
マクドナルドのフリーWi-Fiを繋いで
Instagramを編集した。
【シャバシャバ系女子】@10000k4r4
一言は シャバ増をしごくラッパーです
フェイクを56(ころ)します。
ID は @10000k4r4
名前からシャバシャバ系女子は
「私、サバサバしてるから」と
自認するサバサバ系女子の揶揄だ
最近、若い子世代はしゃばいとか
しゃば増とか、私が1番使いたくない言葉
ばかり使うだから アンチテーゼで私も使う
IDの【10000k4r4】
シャバシャバのカレーと
サバサバしてるをかけた
カレー屋は辛さを選べる
辛さを選べる、1辛2辛と
辛 のKARAのAを崩して4
——-
シャバシャバ系女子、
10000k4r4(いちまんから)
音に出すと意味が私だけには分かる
アイコンは宇宙の写真にした。
そして、もう投稿をやめた。
シャバ増をしごくラッパー
フェイクを56(ころ)します
….ダイレクトメッセージで
もう今後陰茎を見せつけられないように
するつもりもない、ラップを盾にする。
@hikiyoseneetの相互フォロー
メンエス嬢GUN魔も同じ理由だろうな
フォローしてみる
こはるもは私が悪目立ちするもんから
DMやフォロワーが少し増えてて
非公開アカウントにした。
私はついたいいねに、未練があって
私は非公開アカウント
にはしなかった。
16時16分メンエス嬢GUN魔は
シャバシャバ系女子を承認、
たけのこのアイコンのGUN魔は
意味の分からないショート動画ばかり上げていた。
BGMは全て
「君が代」で統一されていて
「ラーメンの動画」
「ラーメンの動画」
「ラーメンの動画」
….私は
「麺」エス嬢にしろよ..
と一人 ちっちゃい声で
ツッコミを入れる。
マクドナルドハンバーガーを食べながら
母のご飯が楽しみになっていた。
最近兄は、「先輩んち泊まるから」と
家をあける事が増えた。
兄の事はあんまり興味がなかった
女の家にもいるのだろう。
父 母 私
3人の晩ごはん
ハンバーガーの後に
ハンバーグだった。
お父さんは
「なんかこの感じ懐かしいけど
翔太がいないと寂しいね」
母と私は口を揃えて
「いや全く」
父はくすくす笑う
お父さんが1番好きだ。
私はドキドキしてる。
海斗君とのデートデートは明後日。
着ていきたい..服もある。
お正月セール冒険して買った 迷彩の服、
着る勇気はない、派手だから
兄の影響で好きになった
音楽を聴いているといつのまにか寝落ちした。
朝になり平日の金曜日、日曜はデート
私は単位を結構取ってる自負がある。
だから今日は一人で昼に
@hikiyoseneetに行く事にした。
DMは了承。
何時でもいいって言われたから
13時ごろ伺います、と大学をサボってやる
歩いても良かったけどちょっと遠いなぁって思う
adidasの黒いスニーカーを履いて
最寄りの改札へそこから一駅。
この日は珍しくスカート
ちょっと最近暑い。
白と黒のチェックのスカートに兄がくれた
お札のお風呂に女をはべらせ
猫が葉巻を吸ってるTシャツ
上から薄手のベージュのカーディガン、テキトーだ。
また改札を潜りちょっと街を北へ
そこから裏路地結構、楽しい
-福屋@hikiyoseneet
への道は行ってみたくなる
味のあるご飯屋さんばかり
インド料理-
-居酒屋-
-オーラのある蕎麦屋-
小さく見える青い看板
「朝を知らない」
そこは6六階建てのビル
隣の隣に
【福沢】と横で漢字の達筆で書かれた
紺色の暖簾がある茶色い古民家のようなお店だ
そこが-福屋-@hikiyoseneet
周辺の特徴は聞いていた。
「朝を知らない」という看板。
このお店は、福屋の系列 のBARだという。
ここのオーナーはバーのマスターでもある事は
簡易的に説明を受けた
暖簾をくぐって
「こんにちわ」というと待ちぼうけを食らった
「掃除は、割と行き届いてるけど」
…肝心の服は少ない
ぼーっと眺める、
触ってみてもいいものか分からず
またぼーっと、少しして懐かしい音が聞こえる
【ゴンゴン、ゾッゾッドッ】
重たいブーツを履かないとならない音
後ろを振り向いた、
案の定兄が履いていた形とほぼ一緒?
というか、一緒のブーツを履いた男が来た
少し筋肉質で黒く丸いサングラスをかけ
変な帽子を被ったやや高齢の男性。
「あー!いらっしゃいいらっしゃい!
連絡くれた子ね! え、海斗の彼女?
いやーあいつが好きそうな子だね!」
その男はちくわを片手で噛み切る
コンビニの袋、ラムネが透けている
なんというか解釈一致すぎて私は驚かない、
オーナーだ。
服屋なのにまるで駄菓子屋だった。
「あっどうも、初めましてゆりです」
全身を見ると
茶色いフライトキャップ?
パイロットが被ってそうな。
赤と黒のボーダーのカーディガンは
ふわふわで、暑くないのかなぁ..と思う中
インナーに着てるTシャツは紫色。
縦に白い文字で「蕎麦」と書かれてる。
ズボンはベージュのカーゴパンツ
靴は兄とお揃いのブーツ、流行っているのだろうか?
胡散臭すぎる。
肝心の服は服は10着ほどしか、飾られてなかった。
「いやぁゆりちゃん。握手しましょう」
「あっはい」 がっしりとしてて
少し冷たい
—-入学式と同じく契りのような握手
胡散臭すぎる人と場所だけど
皮肉なことにまるで緊張しなかった—-
「福沢全一本名です顧客様からは
ゼンさんと呼ばれてます」
「あ、ありがとうございます。
岩永ゆり 大学一年生です」
「いやー物好きだよね、あんなだっさい
芋い男の子から紹介受けたいだなんて
彼のセンス変わってるからねぇ」
「えっまぁえっでも海斗君お洒落?
っていうかわたしその辺疎くて…」
奥の方が段になってて畳みたいになってる
「ままっ!うちのだっさい服みながら
チルしようよ!あそこ座っていいから」
昼の光と畳と駄菓子と服なんというか
服屋ってより福屋って言葉がぴったりだし
福沢全一って名前から
とっただろうから
お店の名前の由来とかも
聞かなくていいなっ思った。
私は一言、早めにつぶやいた
「あの、なんでこんなに安いんですか?
サブスクで月に500円だし」
全さんはラムネを食べて水を飲む
薬のようだ、一息つく。
「仕入れが元はゴミでタダだからです。」
「あーなるほど..」
「遠い遠い国にはね、
ゴミが大量に捨てられて
ストリートが服で溢れた
国があってね。買い付けっていうより
そこから回収してる、あっこれも
僕たちの経営のメルカリなんだけど」
ページを見せる全さん
「この一軒家上の階アトリエでね
顧客様もここに入れてないんだよね
上の階、全体的に臭うから。
ここでイかれた一人のスタッフが
服に絵の具飛ばしたり縫い付け貼り付け
キッチンハイターかけたりして
ゴミの服を一つの服へと
昇華させてる。イかれた彼は
再現なくゴミを回収するものだから
困ったものだよ、リメイクの服
は面倒だから、メルカリでしか売ってない
ここにある数着はノリ上に服は大量にあるよ」
メルカリのページの名前は
【病服Record ZEN】「びょうふくれこーずぜん」
「変な名前でしょ?」
説明通り縫い付け、貼り付け
布と布のコラージュと
スプラッシュされた絵の具が飛び散る服
ハイターで脱色された箇所はブルーデニムは白く
黒い服は朱色にまだらそんな服がコラージュ
されて、服が 改造人間
みたいになってる。なんで思った
そして、たまに学内で見る梅くん?
一回だけ似たようなデザインの
ズボンを学校で履いてて
輩にいじられてる光景を見た。
ここから買ったのかな?
「リメイクの服はちょっと手間がかかってる
から高くつけてる。25,000均一
まぁ元手タダだし欲しかったらあげるよ
でもさ、こんなイかれた服
お嬢ちゃんはいらないよね」
お兄ちゃんでも多分
今はこんな服着ないだろうなぁ
….私は交渉した。
「安い理由とか分かりました
あのご相談なんですけど」
「ん?なんだい?」
「paypayの支払い6000円払うので
一括でいいですか?一年での計算で」
私は駄菓子屋のような店に置いてある白の
柴犬のパーカーが
気になってしょうがない、それと豹柄の布が後ろに縫い付けられたデニムジャケットも
福沢全一はちくわを噛み切る
「いいけど、いいの?
全然こっちとしては助かるけど」
「はい、結構好きかも
リメイク?メルカリの方は
私はちょっと着こなせないけど」
「おっけーじゃあこのQRコードから」
駄菓子屋みたいな服屋なのにレジがない不思議なお店
備え付け木造の茶色いバーカウンターに
QRコードが用意されてた。
スマホを開いてQRコード、読み取って送る
♫paypay♫
「持ってけ泥棒!お嬢ちゃんちくわ食べる?」
「いや、何入ってるかわらかないのでいいです」
ゼンさんはニヤニヤした。
「斜め上だねぇ、座りなパンクガール」
畳みの上へと促し隣に私は気づくと
全さんに大学の愚痴をこぼしていた。
畳の上変なおじさんと女子大生。
相槌を打つ全さんは
話を聞いてるのか聞いてないのか?
ぼりぼりとラムネを食べる。
「いやぁ泣けるね」このおじさんの両の目は
丸いサングラス。サングラス越しでも
泣いていないのが分かる。
「じゃあこれもらっていいですか?」
柴犬のパーカーを指さしてもらおうとすると
「あいよ!ふくろ入れるから待ってて」
紙袋にも「蕎麦」と書かれていた
「全さん蕎麦好きなんですか?」
と聞くと
「あ!俺蕎麦アレルギー
食べたら死ぬ」
「個性的ですね」と言うと
「8回くらい言われた事ある」
「少な!っ嘘つき!」
年上には敬語が基本、だかこの胡散臭いおっさんは
——なんでも言っていいような不思議な感覚になれた
蕎麦の中に柴犬を入れて片手に持つ
私は
「じゃあまた来ますね、変なおじさん」
全さんは
「アイーーーン!またお越しください!」
と深々と頭を下げていた。
私の帰路
気になるお店ができてしまった。
帰りにオーラを感じる
蕎麦屋に行きたくなる私。
蕎麦屋の名前は難しい漢字でとても読めない。
「今日はやめとこう」
蕎麦屋の
….写真だけを撮って帰った。明日は土曜デートは日曜
明日、こはるとも引き寄せニートに行こう。




