婚姻発表
「事件だ。」
いつもの会議室で俺は真剣な面持ちで皆に相談した。
赤がヘッと笑う。
「ど〜せ婚姻の公開でしょ〜、さっさと済ませればいいじゃん。」
「なぜ分かった!?そしてそんな気楽に言わないでくれ!!?」
すると黄がちらっと見る。
「明日でしょ?例のパーティー。間に合うの〜?」
、、パーティー?
「あ!やっべ!!!」
(時間は深夜だったはず、、こっちは昼間、、ギリギリ間に合うか?)
「パーティー?」
アイリスが聞いてくる。
「神の連中との会合だよ、100年に1回の、、
まぁ簡単に言うと、神様が調律者に自分の加護のメリットをアピールして、
気に入ったら加護もらうの。
特に俺達原色に加護を与えたとなれば周りの神から尊敬されるんだと。」
「神様が加護を与えるどころか売り込みに来るの、、?」
すると緑が言う
「加護を与えるとき魔力の縁がつながる。そのさい神の力が上がるんだよ、
でも勝手に与えようものなら抹殺ものだからね。」
「へ、へぇ〜、、、」
かくして、俺の激動の一日が始まる、、
〜〜〜
部屋の間に仕切りを置いて着替えていると、
「このドレス、綺麗だし、すごく良い手触りだね、どこで買ったの?」
「あ、それは紫からのお祝い品。普段着もあるよ。」
「そうなんだ〜!装飾はシンプルだけど、、布がすごく綺麗。」
俺は言う
「紫が生産し、魔力を練り込みながら織った服で、
防火、防水、防塵、防刃、防爆、防虫、防汚、防臭、の超衝撃吸収性高強度絹糸。
そうだな、、上級火炎魔法や爆破魔法を防ぎ、洗濯が要らないほど汚れないし匂いも無い。
ミスリルのナイフでも傷一つつかず、服の上から大鎚でぶん殴られても痛くも痒くもなく、
魔法が織り込まれてるから素肌の上でも同じ効果を持つ。」
それを聞いたアイリスはポカ〜ンとしながら言う
「それ神器とか国宝レベルじゃ、、」
「いいんだよ、俺達の普段着てるこの超繊維武装服も紫お手製だ。
うちの会社でも取り扱ってる。同じ効果なら、、うん、、豪邸が4~5件建つな。時価だから。」
「時価の服って、、」
「まぁ受け取っとけ、うちの仲間からの御祝儀だよ。」
「ありがとう、、でも、、」
ドレスを持っているらしいアイリスが言う
「やっぱ恥ずかしいなぁ、、ドレスって、、いつものワンピースが良かったんだけど。」
「だ〜め。公式の場だし、アイリスの私服を他の男に見せたくない。」
「も〜///」
「イチャついてるわね〜甘すぎて胸焼けしそう。」
「ほんとね〜。私もいい相手見つけないとなぁ。」
ヒュン!
「ギリセ〜フ。」
「お姫様抱っこでお姫様の前に転移とか何をやっているんですか先生。10分前ですよ。」
と、視線を送られる、なぜ頬をむくれさせているのだろう。
「へいへい、では謁見室行ってますね。」
「あ、アイリス侯爵令嬢はメイクのセットが、、」
と、ミコトに言われるが、
「いいんだよ、うちの奥さんメイクなしでも宇宙一可愛いから。
これ以上可愛くなったら死人が出る。」
「ちょっと、あなたったら、、、//」
カ〜っと顔が赤く染まるアイリス(可愛い。)
「第一王女の前でイチャコラとはいい度胸ですね。」
と、ジト〜っと見つめるミコト。
カオス・オブ・カオスな状況だが、、まあ良いだろう。
そして謁見室に入場する。
前ここでアイリスとパーティーに来ていたな、と思っていた。
「行こう、アイリス。」
「はい!」
あのときは子爵だったが今は伯爵、、、
上級貴族になったからには、公の場でアイリスを呼び捨てにしようと、
「まぁ、伯爵だしな。」で済む!ふふっ成長したな、、おr
「アイリス侯爵令嬢、スティアール侯爵の入場です!」
「・・・」
俺は手をTの字にクロスさせて言う
「タイム」
「認めません♡」
と、ミコト第一王女により無慈悲にも食い気味に切り捨てられた。
(ちょっといいですかねぇ?ミコト第一王女サマ??)
(直接頭に言葉を流し込むのやめてくださらない?先生♪)
(伯爵って聞きましたが?)
(だってぇ〜、侯爵令嬢の結婚相手が伯爵って、、釣り合いが取れませんよ。)
(あぁ、たしかに、、なんて言うと思いましたか?王女様。
政略結婚ってご存知ですよね?
私がアスティール侯爵の籍に入るって形で良かったですよね?
というか私の性のスティアールって、絶対アスティールのアナグラムですよね!?
しかもアの位置が違うっていう結構雑な。)
(だって、、先生が魔王を討伐したら、、ってことを考えるとやっぱ侯爵の方が良いんですよ)
(なんで私が魔王の討伐をする前提なんですかねぇ?)
と、30秒ほど心理で討論していた俺は、
小箱を取り出す。
「これを受け取ってください、アイリス。」
そういい小箱から指輪を取り出す。
(このときのために魔道具のためだと言って指のサイズを測っておいたのだ!フハハハハ!!)
まぁ、自動調節機能あるから要らなかったけど。
見た目はそこそこのダイヤの指輪だが、、
「はい、」
貴族に見られながら指輪を左薬指に嵌めてやる。
会場全員の拍手を背に受け、
退場する。
「レイ、ところでこの指輪は何があるの?」
「あれ?バレちゃった?」
この指輪は俺が三日三晩掛けて作った指輪型魔道具。
緻密に組まれた立体魔法陣をビッチリ組み込んだ。
ダイヤモンドを増幅装置とし、
台座の指輪にオリハルコンとミスリルという、
魔力を溜め込み、魔力伝導率の高い魔金属を高純度で使用している。
魔法陣には、無数の防御結界や、魔力を増幅し、威力を上げる魔法補助装置、
さらに、通信魔法をはめ込み、トドメに緊急通信も入れている。
アイリスの身に危険が訪れると、自動で俺に転移座標を送信する。
「っていう効果。」
「あはは、、私の保護が厚すぎて死なないかも。」
そう言うと、アイリスがくるっと回っていう
「じゃ、次はレイの用事も済まさないとね♪」
「そうだな、じゃ、行くよ。」
ヒュン
「時間は!?」
「10分前、、ギリセーフ。」
と、白が言う。
他の皆も勢揃いだ。
扉の向こうからはガヤガヤと楽しそうな会話が聞こえる。
「皆、おまたせ〜」
「いいよ別に、さて、アイリスちゃ、、」
「・・・」
俺がニッコリ白を見ると
白が目を泳がせながら、
「あ、エット、、アイリスさん、ここからは私達は友人7人組から、冷酷な原色になる。
呼び方は公式の名前で、敬語も忘れずにね。」
「はい、わかりました。」
俺はアイリスの手をそっと握る
「俺から離れるなよ、神には好色家な神も多い、俺の妻で押し通すため、
絶対離れないよう。」
「は、はい、、//」
「じゃ、行こうか。」
全員表情が冷たくなり、無言でドアを開ける
ガチャン
「、、!」
カツ、カツ、カツ、カツ
「私だ、開けてくれるかな?」
「は、はい!直ちに!」
白が言うと、
スーツを着た男たちが扉を開ける。
扉が開くと、先程までの喧騒が、水を打ったようにシ〜ンと静まった。
見たこと無いような神様たちが居る。
神からの目線は、
興味の視線や、憧れの黄色い視線もある。だが、それらをかき消すような圧倒的な視線。
〔畏怖〕〔恐怖〕の視線だった。
小さい子供らしき神様も居たが、その人達は近くの神様の影に隠れたり、震えて座り込んだりしていた。
(これが、、原色の力がもたらす圧倒的な迫力、、ってこと?)
しばらくすると喧騒が戻る。
ガヤガヤと話し声が聞こえる。
でも私は声が出せなかった。
神様たちからの視線が怖かった。私はヴァンパイアだったとしても
なったばかり、神様には叶わない、、
震える私の手をレイが優しく握ってくれた、
それだけでも安心できたけど、
突然、紫ちゃんがトコトコと歩いてきて私の手を握る。
「大丈夫、慣れてるし、アイリスには手出しさせないから。」
両側に二人が来てくれたことで、恐怖も何もなくなった。
堂々と立ってられる。
「さ〜て、、果たして何柱来るかな、、」
そんなことをぼそっと言った途端、眼の前に綺麗な女性が二人、、二柱立っていた。
「こんばんは、調律者様。」
顔を見ると、私でもときめきそうなほど綺麗な女性だった。
「えぇ、こんばんは、今宵は良い夜ですね。満月が映える。」
眼の前でひっそりキャーキャーと言う女神様達。
そして真顔で返答するレイに、ちょっと嫉妬していた。
「そうだ、調律者様!良ければ私達とご一緒に」
「申し訳ございません、私はこちらに妻がいるのでご容赦を。」
すると女神様たちは私達を見ると、
「あら!お二人もいらっしゃるのですね!かわいらし」
「紫の髪の女の子は違います。」
ムッとする紫ちゃん。
「あら?ではどのような関係で?」
レイは数秒考えると、小声で「ごめんアイリス、とんでもないこと言う。」
というと、
「娘ですよ、私と妻のね、あはは、、」
「あら?ですがそちらはだいぶ昔に来ていませんでした?」
レイはしまったと思ったのか、少し考えると、、
「この子は母親を幼い頃に失い、私が友人の助けも借りて育てて居たのですが、
こんな私と娘を大切にしてくれるこちらの女性とめぐり合わせ、私の方から結婚を申し出たのです。」
と、いうと。女神様たちは少し悲しそうにすると。
「そうでしたの、、では、祝福を少々、、」
「あ、お願いします。」
私がそう言うと
「では、、貴方達に祝福を〘祝福〙。」
「わぁ、、」
スッと体が軽くなったような気分になった。
「「では、ごきげんよう、、」」
と、立ち去っていった。
「良かったじゃないか、運を司る女神の祝福を得られるんて、良いことあるかもな。」
そう言いながら歩いていると、お酒に酔った女神がふらふらと歩いてくる。
ふらっと倒れそうになったのを咄嗟に支えると。
「あ、大丈夫ですか?」
「あれぇ?あ、漆黒様、、こんばんわぁ、、こちらはどちら様でぇ?」
「あ、私の妻です。」
「あら、そう、、ありがと〜、奥さんなんだぁ、、じゃあ綺麗だと嬉しいよね。
お礼に奥さんに加護あげちゃう。」
ふわっと何かがかかる。
「じゃあねぇ〜」
レイはコチラを見ると、
「早速効果てきめんだな、、美の女神の加護をもらうとは、、」
「ど、どんな効果?」
レイが瞳の奥を覗き込むと。
「【審判】えっと、、何何、、肌が常に潤いを保ち、髪の毛の艶がよくなり、
抜け毛がなくなり、火傷のような残る傷の跡が残らなくなる、、
ムダ毛が生えなくなる、毛穴が目立たなくなり、ニキビなどのお肌のトラブルが無くなり、
虫歯ができなくなったり、歯並びが良くなる、歯が美しい白色になり、
健康的な白い肌を得られる、お肌のむくみ防止、あと太らない、その他沢山、、
う〜む、世の女性が喉から手が出るような効果がぎっしり詰め込んである、、
というか、なんだ?さっきより更に綺麗になったか?
これが、冴えない男を世界に通じるイケメンにし、
自分に自信のない女性を聖女とさえ言わしめる美貌に変えてしまう、
だがその人の良さはしっかりと残す。素晴らしい加護と言われる美の女神の加護の効果か?
凄まじい人気なのも頷けるな。」
と、言っているレイを尻目に、自分の身体を見ていた。
、、凄い、、私の悩みの7割消し飛ばしてくれた、、
最近ちょっとお腹周りが不吉だったが、、
(す、スラッとしてる、、)
ちらっと見たお腹のお肉がスッキリしていた。
二の腕も!?ふくらはぎも!?く、首周りの脂肪まで、、
うれしい、、、嬉しいんだけど、、、
美の女神がお酒で酔っ払ってるところとか見たくなかったなぁ、、
(あれ、だ、大丈夫かな。)
いや、、もともとそんなに無かったけど、、
そっと胸に手を当てる
「良かった、、減ってない。」
「何の話だよ、、、」
「なななななななんでもないもん!!」
レイはそう言いながら辺りを見渡していた。
「どうしたの?」
レイはニコッと笑うと、
「いや、面白い加護を与える神様居ないかな〜って。」
しかし落胆したように言う
「ま、今回は無いかな。」
そう言い歩いていくレイ、私とリズもついていく。が、
「あ!」
手が離れてしまった
すると、
「おっ!可愛い嬢ちゃんたちだね遊ばない?」
あわててレイを探す、
(レイ!)
女神に取り囲まれてアワアワしていた。
(レイ、、)
「おい聞いてるのか?」
男神たちにたかられる私、
(どどど、、どうすれば、、)
左にいるリズがとうとう声を発しようとした瞬間だった
〔や、やめないか、、困ってるだろ、、〕
男神達の首に禍々しい鎌がかかる。
「あぁ?死神ごときが戦神ヴァリス様に歯向かう気かぁ?」
死神、、確かに、ボロボロの黒い装束を纏い、全身が骨の、鎌をもつ、男性、、?
が立っていた。
しわがれた声で言う
〔やめろと言ったんだ、、でなければ腕を落とす、、〕
「はん!やれるもんならやって見やがれ!戦神の俺相手に傷をつけられると思うなよ!」
〔、、、〕
左腕を掲げた
「は!ほら見ろ!指を指してるだけじゃねえか!その鎌は使わねぇのかよ!ハッハッハ!!」
〔、、、【心筋梗塞】〕
ぼそっと、ただ呟いただけだった。
「、、ガッ!?」
「てめぇ!何を!」
〔、、、【脳卒中】〕
「グギッ!?」
〔、、、【呼吸不全】〕
「カッ!?ヒュッ!?」
あっという間に3柱を制圧してしまった死神。
〔これは死が確定しているものにしか言わぬ、、哀れだな。
戦神ヴァリス。使徒ゲイリー、使徒へイラス。貴殿らは創造神様より、
問題行動多き神、死をもって償わせよと、言葉を賜っている。
どのみち助からない。死神の宣告からは逃れられない、、〕
フッと手を上げると、光の玉が3つ浮かぶ。
〔23:46、ちょうど寿命だ。サヨウナラ。〕
グンと鎌を振り下ろすと、光の玉が真っ二つに割れ、下に堕ちていった。
〔貴殿らの逝く先は地獄である、せいぜい、罪を償え。〕
そう言い、不明瞭になっていく死神、
「あ、待って!」
〔、、どうされました?〕
「えっと、ありがとうございました。」
〔お構いなく、、仕事をしに来ただけですから。私の加護など、
〘ロマンに欠ける〙、、とあまり人気もございませんので。〕
「ではいただこうか、その加護を。」
「あ、レ、、黒さん!」
〔げ、原色!?〕
レイは死神に近づく
「妻が世話になった、黒の調律者だ。よろしく。」
〔あ、はい、、〕
レイが軽く握手する。
「貴殿の加護、、死神王の加護、、」
(死神王?)
それって死神の元締めってことじゃ、、
「効果は、魂に関する干渉魔法、死神の宣告はとても魅力的な効果だ。
さらに魂を喰い能力を奪取する。私はそういう能力が欲しかった。
下位の神、死神の加護は魂への干渉魔法だけでしたので。
それも良かったですが、この魔法の成長も望める。ぜひ欲しい加護だ。」
〔、、いいのですか?私の加護を得ると、、死神に近くなってしまいますが、、〕
「いいさ、もともと人間ですら無い、今後とも、ご贔屓に、、」
そう言い再度手を握ると、、
「確かに、加護をいただきました。では失礼。行こう、アイリス。」
「あ、はい。」
〔、、、力が、、〕
消えかかっていた私の存在が、、気がついていたのか、、私が神格を失いかけていたことに、、
〔ありがとう、原色様。〕
ピリリリリ、、
「黒だ。どうした。」
〈機械仕掛けの神、レイヴンです。
第六指揮機を通し機動兵隊から救援要請、
〔龍帝ノ戦火グランディア〕が出現しました。〉
「数は?」
〈13人です。〉
(13?奴らは多くても2~3人程度の集団で動くはず、)
〈私が向かい、即時鎮圧を、、〉
「いや、俺が行く。」
〈、、、何故でしょうか?〉
「少々人数が多い、鎮圧だけならあんたらだけで行けるだろうが、異常事態だ。
確認、検査含め俺が向かう。第六指揮機へ通達せよ。
第六指揮機隊の指揮権を一時的に私が預かる。座標は。」
〈、、、、、です。〉
「分かった、先程コチラもトラブルが起きた、妻を預けてから向かう。」
〈、、、結婚なんてするのですね。〉
「一目惚れさ、アレは私が倒れた、、」
〈惚気話は良いので、さっさと向かってくれませんか?〉
「、、、分かったよ。」
ピッ
「すまんなアイリス、仕事が入った、危険だから紫といっしょに、、
あ、青、妻を頼む。仕事が入った。」
「、、、構わないが、、中々重大な人を預けるね。」
「ははは、手出したら分かってんだろうな。」
「死にたくはないからな、ちゃんとお守りしますよ、、」
やれやれと青が首を振った。
「では、、失礼。」
ヒュン
「、、、あれ?そう言えば詠唱してなくないですか?」
「まぁ、詠唱自体、魔法の制御を手伝うものだからね。
制御が完璧に出来るなら詠唱なんてすっとばせるよ。俗に言う〘無詠唱魔法〙っていうやつだよ。」
と、紫 が言った。
「でも、普通に詠唱してましたけど?」
「、、、なんでも、、
〔ポンって魔法打つより、長い詠唱を凄まじい速度で詠唱して、
ゆっくり魔法陣を組み上げてくほうがロマンあるでしょ?〕
ってことらしいよ。」
、、うん。なんとなく分かってた。




