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DECIDE YOUR DESTINY:ZETA  作者: 北村タマオ
第2章 大京反乱事件篇
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0026(第2章 完) 事後処理

 それはある意味では「裏切り行為」に近い行いであったが、裏切られた側はこの結末を半ば承知で自分の職務を遂行していた。だからとは言え、これを呑み込むのはかなり忍耐と勇気の居る行為であった。


 「大京決戦」と呼ばれるクーデター事件が失敗に終わってから1年後、政府は「軍務省」の新設と、全6軍ごとに設置されていた各省を廃止、現役軍人の大臣制も廃止された。また、「軍務省」の業務を監視する第三者国防委員会も設置されて、「次」が無いように十重二十重の監視機構が導入されていた。

 無論、「大京決戦」にてクーデター軍と戦った「反革命軍」の功労者に対しても、彼らが第二の「革命軍」にならない様に次々と粛正の対象とされていた。現場で戦った兵隊については論功行賞は無し、指揮官クラスの人間は悉く左遷され、軍の出世コースからは外されていた。

 桐沢之カツミ予備役少将は、不平不満の1つも出さずに現実を受け入れていた。特に6軍の省のお取り潰しは不満が多く出ていたが、最大の功労者たるカツミ予備役少将が、潔く左遷人事を受け入れていた。その際に出した声明に、「反革命軍」の指揮官クラスの軍人は口を閉ざした。

「信用を得るのには永年の努力が必要であり、これを失うのは一瞬である。我々はまた0から信用を建て直さなければならない」

 その為ならば、これは軽い措置だ。とは言わなかった。余計な事を言えば、またそこから別の問題が生まれてしまう。ここはどんなに「弱腰」「卑屈」「怯懦」と言われようとも、相手の言う事について素直にならなければならない。先に信用を裏切って、暴力でもって物事を変えようとしたのは、自分達の同僚なのだ。

 これからの世代の信用の為に、自分達が理不尽を被らなければならない。否、これは理不尽などではなく、当然の行程である。もしこれが「戦争」であれば、恐らく中将になっていたであろう男は、自ら模範を示して、予備役ヘの編入、事実上の「クビ」を受け入れて、後は年金だけで暮らす身の上となっていた。

 軍人でも社会人でも関係ない。身内の失敗やしくじり、あるいは犯罪について、責任を取るのは大人の役割である。それが嫌なら、部屋に閉じ籠もったまま、外へ出てはいけない。


 桐沢之カツミ予備役少将は、死ぬ前に何かやりたい事は無いか、考え始めていた。何でも良いから、何かやりたい事をしなければならない。

 でも、何も浮かんでこない。やっぱり、もう一度軍務に就けるかどうか、考えてみたが、それは無理だと諦めるしかない。もしそうであれば、自分で自宅のドアに鍵を閉めなければならない。

 昔の仲間達と集まるのも危険であった。それこそ、第二の革命軍だと疑いの目を向けられかねない。


 どうするか。


 ……囲碁でも始めようかな。


 第3章に続く


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