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転生最強魔王の引退物語 ~最愛の部下と田舎でのんびり暮らしたい~  作者: 茶巾丸
第7章 パルテセス建国編

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76. 魔族の正体と堕天使の真実

俺はライラを呼び出し、これまでの事とこれからの対処を考えるため彼女から魔族と堕天使に関する情報を手に入れるべく動き出す。

自分たちの家にに向かい二人だけで、今までの事を確かめるため問い始めた。


「突然呼び出してすまないな、少し聞きたいことがあってな」


「なんでしょうか?」


「これから俺達は更なる強敵と戦わなければならない、そこでまず敵を知るにはまず自分たちだ、魔族っていったいなんなんだ?以前、堕天使に勝てないと言ってた理由も含め教えてくれないか」


ライラは俺の目を見据え、相手の真剣な表情に対して静かに口を開く。


「今から話すことはかなり衝撃的な内容なので驚かないでくださいね」


「お、おう…なんか緊張するな」


「魔族は堕天使が対天使用に作りあげた新たな生物兵器なんです」


「おいおい、かなり衝撃的な内容だな…つまり俺達魔族は堕天使に作られた人造人間ホムンクルスに近いってことなのか?」


「正確には、魔界で神まで上り詰めた堕天使が万物創生の能力を手に入れ、人間をベースに作り上げた生物です」


「つまり、魔界の神が万物創生の能力を手に入れ、人間をベースに対天使用のチューニングを施した魔族を作り上げたという事か」


「そうですね、彼らは幾つもの種族をかけ合わせて人間以上の力を持った生物を次々と作り上げた、それが魔族たる由縁です」


「じゃあ、俺がなぜ魔族を生み出せる能力を持っているんだ?」


「この世界の魔王は、魔界の神から魔族を生み出す能力を授かっています、だから魔族召喚という形でこの世界の力を使って魔族を生み出すことができるのです」


「でも、ちょっとまってくれ。魔族を生み出す時に感じたことなんだが、創生する時には入れ物しか作っていない感じがした、実際は魂と思われるものが憑依するのじゃないのか?」


「よくお気づきですね。魔族に憑依する魂は、この世界に存在する下級堕天使の命を使っています、だけどそれは魔王城でした召喚できないので、他の場所で生み出しても器だけになるのです」


「という事は、魔王城で生み出したリブラも中身は下級堕天使なのか?」


「いえ、彼女は何というかイレギュラーなんです、私が乗り移ったことで別の彷徨う人間の魂が憑依したんです」


「何故、魔王城に人間の魂が?」


「過去に死んであの場所に留まっていた魂としか考えられません、魔王に挑んで亡くなったの一人かも知れません」


「次に、魔族は人間と変わらないと言っていたが例えば生殖能力は残っているのか?人造人間は子を残せないと聞いたことがあるんだが」


「元は人間と同じなので、創造者が生殖能力を望めば子供も成すことが出来ます。ちなみにパルテ様が生み出した方たち全員は生殖能力を有しています」


「俺が子供作りたいとか望んでいたから、能力が備わったって事?」


「簡単に言えばその通りです」


つまり、俺が生み出した女性たちは普通に子供を生むことができるのか。

魔族を生み出す事についてはわかった、では対堕天使の問題について確認する。


「次に堕天使に魔族が勝てないと言っていたのは何故だ」


「魔族は創造された時、堕天使に逆らえないように攻撃と防御無効化の仕組みが埋め込まれています。パルテ様が生み出したものも同様です」


「それが三すくみの関係、魔族は天使に強く、天使は堕天使に強く、堕天使は魔族に強いという事か」


「理解が早くて助かります」


なるほど、生まれもった時から敵に耐性が備わっていたら勝てないよな。

だからライラは天使の対堕天使用の能力を俺に渡そうとしていたのか。

次に最後の質問、この黒幕の存在だ。


「では、最後に一体黒幕は誰なんだ?魔王軍を裏で操り、堕天使とも繋がって聖教国家を統一している人物、もしかして魔界の神という人物か?」


「まず、魔界の神はこの地上には入れません、魔界はこの世界と別の次元にあり、空間を超越してこの世界に降臨することは不可能です」


「だとすると、なんか矛盾していないか?魔界の神はこちらにこれないんだろ、じゃあなんでこの世界で魔王を作ったり堕天使が暗躍してるんだ?」


「魔界の神は、こちらの世界に堕ちた堕天使と会話ができます。そしてうまく彼らを操り、この世界に干渉しているのでしょう」


「という事は操られているか、魔界の神に従う黒幕がいるのか…もしかして、それが聖教国家の司祭か?」


「よく気づきましたね、この件に関わっているのは、聖教国家の大司教『マリウス・ヴォン・エビタフ』…彼も元天使なのです」


「となると新たな疑問が浮かぶ、聖教国家の大司教である元天使が魔王軍を裏で牛耳って何を考えているんだ?」


「パルテ様、突然ですが天使が神に登り詰めるためには何が必要だと思いますか?」


「え?…ええと、神に認められる程の実績を手に入れるとか?」


「いえ、そうではないです、神や天使が力を付けるのは人々が信じる心、いわゆる信仰心なのです」


「なるほど、信仰心が蓄積していくと経験値が貯まって神にレベルアップするみたいな感じなのか」


「解りやすい例えですね、そのとおりです」


「じゃあ、堕天した天使でも神に登り詰めることは出来るのか?神から地上に落とされて能力は削られたりとかするんじゃないのか?」


「堕天使は地上へ追放された時に能力の大半を封じられます。ですが、素性は天使なので信仰力を糧に出来る要素だけは変化しないのです」


「なるほど、つまり大司教は信仰という名の名声を得て神へと上り詰めようとしているのか、だから魔王軍を使って人々を苦しめ、神にすがる人達の信仰心を集めていると…でもそれをバラしてしまえば信仰心は失われるのじゃないか?」


「証拠がなければ、真実にはなりません。つまり誰もそれを知らないのです」


「なるほど、証拠がなければただの風説の流布だもんな…でも神になって何がしたいんだ?地上へと落とした神への復讐とか考えてるのか?」


「いえ、堕天使は地上へ追放されたことで例え神に上り詰めても、結界で防御されている天上界へ戻ることは絶対に出来ません」


「じゃあ、この地上で神になろうとしているのか?」


「それもありえません、堕天使が神に上り詰めたとしても、一時的なもので再度堕天使へまた落とされます」


「だとすると本当に謎だな、なぜ神に上り詰めようとしているのか…ライラは何か予想できてないのか?」


「そこが謎なんです、目的が不明で私も含め沢山の天使が長年調査しているのですが決定的な証拠が見つからないのです」


信仰心を集めて神に登り詰める、神だけが使える何かの能力を行使するため?万物創造?いやそれは既に出来ているから別の事か。


「例えばだけど、神だけが使える何か特殊な能力みたいなものはないのか?」


「神には天使も知らない力を隠し持っているのは知ってます…例えば世界を滅ぼすレベルの力もあります」


「なにそれ怖い」


「あくまで可能性ですが…神の力はそれ程強大なのです。ただ力を封じられているのでそこまでの力は使えないはずですが…」


「とりあえず用心するに越したことはないという事か、まずは当面の国を発展させて皆を幸せにすることを目標に頑張るか」


「そうですね、パルテセスという国が出来たので頑張って発展させましょう」


ライラから今の話を聞いていてヒントを得た。

天使は信仰心を得て神へと昇華するという事は、俺に埋め込まれた力も同じような物かもしれない。

つまり幸せという信仰心を手に入れる事で天使の力が増すのか。


魔王軍や堕天使と戦うための能力も必要だが、今後の戦いを見据えて実戦経験や魔法についての研究も必要かもしれないな。

魔物討伐やダンジョン攻略するための冒険者家業も経験したり、魔法都市に行って魔法の技術向上も今後の課題だ。


国の発展に聖教国家対策、冒険に魔法研究と大忙しになりそうだが、皆の為に引き続き自分自身を向上させるべく頑張っていこうと思う。


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