65. 激戦の後始末と新メンバー加入?
正教国家司祭との戦いによりピンチに陥ってた俺達は、切り札として残しておいたライラの活躍により何とか勝つことが出来た。
ただ、正教国家の司祭という事は、まだまだ下っ端の部類だろうに、ここまで苦戦するなんて今後の戦略を大きく変えることになりそうだ。
近寄って来たライラは倒れていた俺を起こしてくれ体について気遣ってくれた。
「パルテ様、体は大丈夫ですか?」
「ああ、全身痛いが何とか大丈夫だ…ライラ、助けてくれてありがとうな」
「いえ、もう少し早くこちらに来れれば、パルテ様が負傷することもなかったんですけどね!!」
鋭い眼光で自分の方を睨みつける彼女の視線を感じ、リブラは何時もと違いバツが悪そうに目をそらす。
「だ、だって何も指示がなかったし…その遅れたのは悪かったですけど…」
「とりあえず、リブラは帰ったら説教だな」
「ええっ!?そんなパルテ様、言われたとおりに動いたんですよ!?」
「リブラが戦闘経験が浅いのは解る、誰かの指示を待つだけじゃなく、誰も動けない時に味方の状況を見ながら独自に動くことは悪いことじゃないから、それを覚えておいてくれ。何もしないでいると今回みたいな事が起きて最悪誰か死ぬかもしれないからね」
リブラは、下へ俯き両手の人差し指を眼の前で合わせて反省しているようだ。
「はい…ごめんなさいです」
「ところで、ライラがさっき使った弓矢の技凄かったな!あんな必殺技の弓矢があるならガンガン使えばいいのに」
彼女の必殺技に対して賛辞を送ったが、何だか少しバツが悪そうな感じで目を反らし気味に解説してくれた。
「は、はい…あの…アレはとっておきで使う必殺技みたいなものなんですが…その次に使うまでの時間がかかるので…そんなに沢山つかえないんです」
「ちなみに次に使えるまでどれくらいかかるの?」
「えっと…その…次、使えるまで一年後です…」
「はあ!?年に一回しか使えない必殺技をこんなとこで使っちゃったの!?次にめっちゃ強い敵が来たらどうすんの!?」
「パルテ様を怪我させてたので、ちょっと頭に血が登ってやっちゃいました…ま、まあ…多分なんとかなりますって…」
「なんだその、カッとなってやりましたみたいな言い草…本当に天使なのかよ…ライラも帰ったら説教だ!!」
「そ、そんな~!」
リブラとライラは二人で抱き合って説教の言葉に震え上がってる。
まあ、そんなに強く言うつもりは無いが、自分も含めてまだまだ皆の連携や戦略が甘いからもっと上手く立ち回れるように絆を深めて反省会するべきだな。
三人で一緒にお風呂でも入って親睦を深める事も検討しよう。
そういえば堕天使が乗り移ってた魔法使いと僧侶の二人はどうなったんだ。
司祭を倒したことですっかり忘れてたが彼女たちの様子を見ないと!
二人の側には既にセレネが付いていて魔法使いの娘を自分の手に抱えていた。
「二人の状況はどうだ?」
「二人ともかなりの重傷です、私が使える低級回復魔法を掛けたのですが彼女達に効かないんです、特にヒルデは意識が戻ってきてません」
俺達の会話を聞いていたライラが後ろから近寄って来て、現在起きている状況について解説してくれる。
「堕天使に乗り移られ、強靭な回復能力を使用した場合、反動で肉体が回復魔法を受け付けなくなるんです、このままだと命を落とす可能性があります」
マルガリータは、自分を支えてくれているセレネに対して今まで自分に起きていたことを伝えようとしていた。
「セレネ…ごめんね、私達も生まれてから修行して…いつか勇者の役に立ちたいと思っていた…だけどいくら修行しても限界が越えられなくて…ついあの人達の甘事に乗せられて体を奪われたの」
「喋るな!体にさわるから、大人しくしているんだ!」
「ヒルダも多分同じ、彼女も私と同じ孤児院で治癒魔法の力が強かった。その力を見込まれて司祭の元へ遣わされたの、恐らくそこで上手いように誤魔化されて乗り移られたんだと思う…本当にごめんなさい」
「おい!しっかりしろ!こんなところで死ぬな!」
二人の会話を聞いて俺は思った、彼女達も堕天使の被害者なのか。
乗り移られて体を好き勝手に使われて何も出来ず傍観しか出来なかった悲しい人達だったんだ。
だったら、迷うことはない。俺が出来るだけの事を彼女達にしてあげるのがせめてもの情だと思う。
「ライラ!いつもの奴だ、準備お願い」
「えっ…あっ、ハイ!」
彼女はいつもの奴だけで直ぐに察してくれた。
きっと俺が何をやるのかわかったのだろう。
体を動かすと全身に激痛が走りうめき声を上げたくなるが我慢だ!
「行くぞ魔族召喚!女性の肉体で二体分創生だ!」
巨大な魔法陣が二つ現れて、中から闇の力が溢れ出し人の形を作り上げていく。
肉体の形が作り上がったところで、ライラに合図を送る。
「ライラよろしく!」
「はい!霊肉転換!」
彼女の叫びとともに、マルガリータとヒルデ二人の下に魔法陣が現れて体全体が光に包まれて徐々に収縮し球体に変化していく。
二人の肉体が魂の状態に転換されて、そのままリブラが魂を闇の体に送る。
魂が乗り移った闇の体は、徐々に実体化してマルガリータとヒルデそっくりの魔族を形作り新たな肉体として生まれ変わった。
まだ意識が残っていたマルガリータは直ぐに目を開けて自身に起きた変化について驚いている。
「え、これは…?」
「このままだと死んでしまうから非常手段だ、セレネと同じ様に二人とも魔族の体に生まれ変わらせた」
「魔族の体ですか…?」
「魔族の体だけど中身は殆ど人間と似たような構造だ。死ぬよりはマシだろ?これで二人とも自由の体を手に入れたんだ」
マルガリータは、涙ながらに感謝の言葉を告げてきた。
「パルテ様…本当にありがとうございます」
彼女が喜びで感謝の言葉を告げている時に後ろの方で、ヴァレリアとセレネが小さい声で何かやりとりしてるのが聞こえる。
「…これで、また魔王ハーレムに新人が入っちゃうかもね…」
「おい!そこ聞こえてるぞ!何だ魔王ハーレムって!?」
「だって、パルテ様一体何人の女の子を助けるんですか…どんどん好意を寄せる人が増えていきますよ?」
「いや、たまたま重なってるだけで人助けしてもいいでしょ!?それに、俺はハーレムは特に望んでないしリブラとライラが嫁候補だって何度も言ってるでしょ。それに今は女の子だからな!」
「…でも、アレ生やせるぞ?子作りも出来るよ!?」
「妻がダメなら、せめて子供だけでも…」
「何不穏なこと言ってるんだ!それはそれ。これはコレだ!線引は大事!」
「まったくもう一途というか二途なんだから…」
戦いが終わった後の平和な状況でのんびり会話をしながら、国王や王子たちの元へ向かいこれからの事について話し合うことにした。
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