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転生最強魔王の引退物語 ~最愛の部下と田舎でのんびり暮らしたい~  作者: 茶巾丸
第6章 ガンギルダ王国編

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64. 正教国家司祭討滅戦 (VERY HARD) 最終フェーズ

本性を表した正教国家司祭との戦闘で攻撃の度に体力を削られるというデバフ持ちに加え更に物理と魔法にも耐性があるという絶体絶命のピンチに俺達は陥っている。


戦いを続けている中で俺は大事なことを見逃していた。

そうだ、今まで隠し持っていた切り札の存在、ライラを呼び出す事。


「リブラ!例の方法やってくれ!」


「え?例の方法ってなんでしたっけ?」


彼女の呑気な反応に思わず、前にすっ転びそうになった。

この緊迫した状況なのに度胸があるというか何というか。

事前打ち合わせでライラを呼び出す事をすっかり忘れてやがる。


「ライラだ!ライラ!呼び出してくれよ!」


「ああ、すっかり忘れてました。では呼び出すまで時間がかかるのでパルテ様引き伸ばしお願いします」


「おいおい!こんなピンチの状態で戦闘引き延ばせだって!?」


更に文句を言おうとしたら既にリブラは本を取り出し、何かの詠唱に入って目を閉じている。

セレネとヴァレリアは力を吸われて、息も上がっているし何より力が吸われてるので追加攻撃のメンバーに加えられない。


リブラの言う通り俺自身が司祭と戦って時間を引き延ばすしか無い。

背中に隠し持っていた杖を取り出し、向かってくる司祭に対して戦闘態勢を構えて武器に魔力を込める。


こちらの意思に反応したのかクワが槍に変化して戦いの準備が整う。

前衛二人と同じ様に体力吸われるかもしれないがどのような仕組みなのか体験してみるべきだ。


「いくぞっ!!」


体を斜めに構え、飛翔魔法で飛ぶ原理を使って相手の懐へ飛び込み、すれ違いざまに司祭の体を槍で斬りつけた!


攻撃して切り裂いた場所を凝視していると、司祭の体が自動修復している部分に武器から魔力が吸われて槍状態だった杖が元のクワ形状に変形する。

なるほど…攻撃した部分は相手からの力を吸い取って自動修復しているのか。

どうりで何度攻撃しても体力が吸われるだけで致命傷にならないわけだ。


だけどこの杖のおかげか、俺の体力は吸われずに武器に込めていた魔力のみ奪われただけだ。

どちらにしろあのデバフを打ち破らないと何度攻撃しても無駄だな。

堕天使としての対魔族用デバフだとしたら全く解呪方法が思いつかないぞ。

色々と思考を巡らせていたらスキをついて司祭が俺の体を巨大な手で掴んだ。


「グフフ…捕まえたぞ!この小娘が」


やっべ!色々考えていたら油断していた。

まさか自分自身が捕まるとは思ってもいなかった、指示役が油断して逆にピンチを招いてどうするんだ!

司祭は俺の体を締め付け勝ち誇ったように告げてきた。


「しょせん魔族の小娘か…このまま絞め殺してくれるわ!!」


これ…すごい力だ…体が…締め付けられて体中の骨が軋む程で声が出せない…。

おまけに力を吸い取られて…動きがこのままだと、先にやられてしまう。


「パルテ様!!」


「助けないとマズイ!!」


戦いの様子を見ていたセレネとヴァレリアが捉えられた俺を救い出すため、司祭への腕へと攻撃を繰り出すも、またも攻撃が吸収されて脱出できない。

絶体絶命の危機に陥った状況でリブラが何かのスキルを叫ぶ。


「おまたせしました!深淵の訣門(アビサルゲート)!」


苦しみで藻掻いて意識が薄れる中、リブラの叫び声と共に漆黒で豪華な巨大扉が出現してゆっくりと門が開く。

中は暗黒空間なのか何も見えないが突如として光の玉がこちらに飛び出してきてライラが現れて俺の置かれた状況を見て驚く。


「パルテ様!!」


ライラは飛び出したと同時に天使の能力を解放して巨大な白い羽を伸ばす。

同時に自身のスキルを叫び手から小さい扉を出現させ司祭へと攻撃を始める。


「神罰の閃光ジャッジメント・イレイサー!!」


彼女のスキルにより放たれた槍が司祭の腕に深々と刺さり、今まで攻撃しても平然としていた司祭が突如として叫びだす。


「ぐあああああ!なんだコレは!?」


あまりの激痛に自分を掴んでいた腕の力が弱まったのを感じた。

俺は相手が苦しんでいる一瞬のスキを見つけ掴まれていた手から飛翔魔法を使い脱出して地面に転がり落ちる。


「パルテ様!!大丈夫ですか!?」


「パルテ様!」


皆が気を使ってくれてるが体中が激しく痛む、体を動かそうとすると全身の骨にヒビでも入ったような軋む感じがしてせいぜい這いずるのがやっとだ。

ライラとリブラが俺を心配して近寄ろうとするが腹の中から必死に声を放り出す。


「今は…司祭に集中しろ!!」


必死の叫びを聞いて立ち止まり二人は向きを変え、司祭と対峙して改めて戦闘態勢を身構えた。

相手は予期せぬ新たな相手の登場に驚きを隠せず、焦りを見せながら問いかけくる。


「貴様!結界に閉じ込めた天使!?なぜ封印から逃れられた!」


相手の質問に対してリブラが応えようとしたところ、ライラが右手で静止した。

横になり遠目に見ているが彼女が放つオーラというか雰囲気から怒りの感情がみえるような気がする。

普段クールな彼女が痛めつけられた俺を見て珍しく感情を見せているのか。


「パルテ様を傷つけた報い…その身で受けてもらうわ」


司祭は腕に刺さった槍を引き抜き貫通した穴を修復していく。

天使が生み出した槍を抜く様を見てライラが相手を冷静に分析していく。


「その肉体…抗天使人造体か…」


ライラの言葉を聞き司祭が驚きの表情を浮かべながら僅かに勝ち誇った様に語りだす。


「貴様、よく知っているな…そうだ!この肉体は天使の攻撃に対して耐性を持たせた人造人間体だよ、貴様の攻撃でも修復可能だ!!」


彼女は自身の左手を強く握りしめ堕天使の司祭に対して更に怒りを震わせる。


「神の力を簒奪し、そして冒涜する行為…許せません!!」


「だったらどうする?痛みは感じるが肉体の再生はまだまだ出来るぞ!」


ライラは隣に立っていたもう一人に指示を飛ばす。


「リブラ!魔法障壁で司祭を閉じ込めて!!」


「え、わ…わかった!魔法障壁展開!!」


リブラが展開した魔法障壁で司祭が四角いボックス状の領域に閉じ込められた。

だが、相手は障壁に手を当て力付くて結界を破壊しようとしている。


「こんな防御障壁などぶち壊してくれるわ!」


司祭が触れた部分から魔法障壁に亀裂が入り始めている、このままでは壊されてしまう。


「ライラ!コレ…長く保たないよ!!やるなら早くして」


ライラは背中の羽を大きく広げながら目を閉じ、両腕を左右に降ろして何かの構えを取る。

まるで天上へと登り上がる天使のような姿にも感じられる神聖な雰囲気。


ほんの数秒だろうか、腕を突然自分の前で合掌のような形でパンと音を響かせると重ね合わせた間から光が輝き出す。


そのまま両手を左右に広げていくと、手と手の間から何かが現れた。

あれは矢か?弓矢ではなく矢の部分だけが現れそれを右手で握り何もない空間で弓矢を引くような構えを取り司祭に狙いをつける。


「滅しなさい!神穿の滅堕矢(アビス・イレイサー)!!」


ライラが放った矢は司祭の心臓へと深々と刺さり、体の中へ入り消えてしまう。

しかし、相手は攻撃を受けても全く平然とした顔をしている。


「なんだ?こんなしょぼい矢は、痛くも痒くもないぞ!?」


だが既に勝利を革新したように、ライラは踵を返し静かに俺の元へと歩きはじめた。

無視して立ち去ろうとしている相手に反撃しようと司祭が怒りを表し叫ぶ。


「貴様!背中を見せるとは舐めているのかあ!?」


体を動かそうとした瞬間に先ほど矢を受けた部分から光が現れはじめた。

輝き出した光は、まるでブラックホールが周囲の物を飲み込むように司祭の体を圧縮し始め飲み込もうとしている。

必死に抵抗しようとするが吸い込む力は弱まらず司祭の体はどんどんと小さい球体に圧縮されていく。


「うおおお!こ…これは…なんだ!何をした貴様ぁ!!」


「無限の回廊で永遠に懺悔しなさい、貴方はもう世界に出ることは許されません」


「無限の回廊!?い、いやだ!!助けて…お願いします!守護者様あああぁぁ!!」


断末魔の声を上げて司祭は光の中に飲み込まれそして消えていった。

俺達はライラの活躍によりなんとか司祭を倒し危機を脱することが出来た。

明日、月曜日は投稿お休みです。

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