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転生最強魔王の引退物語 ~最愛の部下と田舎でのんびり暮らしたい~  作者: 茶巾丸
第6章 ガンギルダ王国編

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60. 王子への面会、そして王国奪還について

四天王フォルマールの討伐と魔王軍統括のシエルと戦いの末、闇の道(ダークロード)を破壊し、この地周辺への魔王軍発生を防いだ俺達は王子に報告するため、グレインダイク領地へとやって来た。


もちろんシエルとの遭遇や俺達がスタインブッケ領地を吹き飛ばしたことは、内緒にしてフォルマールに全ての罪を擦り付けての顛末報告会である。

王子との面会準備が整い、会議室に通された後に今までの経緯と報告を行う。


「つまり、スタインブッケ領地に魔王軍の通り道が存在していたと…」


「はい、ただ四天王フォルマールを討伐した際に、魔王軍への入口を塞ぐためか、スタインブッケを破壊する仕掛けが仕組まれてあって、結果領地全体が吹き飛んでしまいました、我々は逃げたので無事でしたが…」


「そうですか、魔王軍がこちらに襲撃できなくなる問題を解決できたとなれば、領地が消えたのはしょうがないですね、当面安全という事ですからこれで戦いで亡くなった兵士たちの弔いが出来ます」


「はい、しばらくは安全に過ごすことが出来るかと存じます」


「パルテ殿、この度の働きありがとうございました、国王に陳情して報酬をご提供出来るようご助力させて頂きます」


「では王子、この一件の報酬としてお願いがございます」


「私に出来ることなら、なんでしょうか?」


「恐らく王子は魔王軍討伐の報告として国王との面会に向かうかと存じます。その場に私と配下数名と姫君を立ち会わせて欲しいのです」


「国を救ってくれた英雄殿の願いとあれば断るのも難しいでしょう、妹とも顔を合わせたいですね。解りました国王との面会について私から進言致しましょう、日取りが決まりましたらカエデよりお伝えします」


「ありがとうございます、あともう一点、姫様は王子が見つけて連れてきたことにして欲しいのです」


「それは何故ですか?助けたのは貴方達ではないですか」


「詳細は省きますが、我々は近衛騎士団の依頼で領地から姫様を誘拐して救ったのです。それを国王や司祭に知られてしまうと罪人と言われかねません。できれば内密に処理していただきたいのが願いです」


「…解りました、事情はともあれ大事な妹を救い出してくれたのは確かですから私の方で処理致しましょう」


「よろしくお願いいたします、それと最後に王子に決断して頂きたい事項がございます」


「決断?何をですか」


「王子に新たなガンギルダ国王として即位していただきたいのです」


穏やかだった王子の表情が突然と険しくなりこちらを問い詰めてくる。


「なんだって!?それは国王に謀反を起こせというのか?」


王子が怒るのも最もだが、俺は冷静に今まで起きていた事実を王子に突きつけていく。


「王子もご存知でしょう、現在は司祭のいいなりで国を動かし、実の子供をないがしろにして辺境の地に遠ざけている。国民が疲弊する王政を続けこのままでは死を迎えるだけの国に陥いらせた国王に王としての資格はございません」


「しかし、実の父に歯向かうなど息子として出来ない相談だ」


「王子はこのままガンギルダ王国が滅んでもよろしいというのでしょうか?私は、王子こそこれからの国を背負って立つ人物だとお見受けします、姫様も同じ事を言っておりました、私も賛同いたします」


「しかし、謀反を起こすとなると国内が混乱するし、失敗すれば関わったもの全員が極刑となる可能性がある…」


「事前のお膳立ては私達が行わせていただきます、無論国王や騎士達に危害は加えません、司祭は保証できませんが、そのための面会要求なのです」


「貴方達にはそれを行うだけの力を持っていると?」


「国を奪う目的であれば、私は最強最悪の龍族を従えており、彼らを仕向けて国を滅ぼす事すら可能です。ただ私は犠牲者が沢山出てしまうのは本意ではございません。できれば平和裏に国王に退位して貰い、王子に即位してもらうため元凶となる司祭を討伐するのが目的です」


「司祭を倒せば父は正気を取り戻すかも知れない…その後国王に再度国を改めてもらう方法もあるのではないのか?」


「それは承服出来かねます、既に国王の悪評は周辺諸国も含め広まっているので、王子即位で国が変わった事を示す必要があるのです」


「貴方がそこまで考えていたとは…少し時間を貰えないだろうか…」


「わかりました、面会までの間にご決断ください。ただ…」


「ただ、なんでしょう」


「既に王子には謀反の話をお伝えしました、もし私達を裏切り国王側に寝返る目論見を発見した際には、従えている龍族と他の強力な配下を仕向けます。その点はご承知ください」


「…恐ろしいな、これでは断れないではないか」


「それだけ王子に即位してもらいたい、私達の強い想いがあるのです」


「だが、貴方はまだ数回しか会ったことがない私を何故ここまで信頼してくれるのだ?」


「王族の中には国の兵士をただの駒としてみていない方たちも沢山います。王子は、国のため勇敢に戦った兵士を弔う慈愛の心をお持ちです、他の配下や妹の姫君から慕われている人物というだけで十分信頼に値します」


「わかった、もしこの件に私が賛同し即位が出来たとしたら、私からも一つ提案があるが聞いてもらえるか?」


「私に出来る限りの事は助力させていただきます」


会談と報告会が終わり、俺達は部屋を退出して外に出てきた。

後は王子の決断待ちだが恐らく決意するだろう。


──王子視点


まさか国を救ってくれた人物に謀反を起こすことを進言されるとは思ってもいなかった。

確かに、最近の父君は行動は目に余るものがある、ただ私自身は息子なのだ。

国のために戦うことが自分の使命だと思っていたが、国の状況は聞いていたより深刻なのだろうか。


「カエデ聞いていたんだろう、どう思う?」


部屋の影からカエデが現れ自身の意見を述べる。


「はい、ワタクシの気持ちもパルテ様と同様です、王子こそこれからのガンギルダ王国を背負って立つ人物です」


「戦いだけに専念していた、私に出来るだろうか?」


「パルテ様の進言通り、国には新しい指導者が必要なのです。姫様と共にワタクシもご助力させていただきます」


「決断の時が来たという事か…解ったよありがとう」


──パルテ視点


王子との事前打ち合わせも済んだ。

次はガンギルダ王国奪還と、司祭討伐大作戦と教会の大破壊だ。


全ての元凶は正教国家の司祭だ、奴を倒せば国は変わると思うが恐らく強力な護衛が控えているに違いない。

こちらも万全の態勢で挑まないとリブラの二の舞となる可能性もある。

今回の一件で俺は思い知った、余裕のある攻撃ではなく全力で挑む本気の戦い。

決意も新たにドイラム村へ帰還することにした。

第一部完結まで残り 6 話予定です。

完結まで毎日更新予定です

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