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転生最強魔王の引退物語 ~最愛の部下と田舎でのんびり暮らしたい~  作者: 茶巾丸
第6章 ガンギルダ王国編

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47. ガンギルダ防衛戦線からの使者

魔王としての力を取り戻してから一週間、村は平穏を取り戻していた。

ルコットが建築した新しく大きな家が完成し、皇女と近衛騎士団及びセレネとヴァレリアの住処として全員が居住出来る住処ができた。


村人全員で村の農作業を行っていたため、食糧問題も大きく改善し俺が村に来た時のような粗末な食事から大きく食生活も改善して村人たち全員が普通に食事できるまでに復興作業が進み満足度も上がってきた。


次の発展計画を考えていたところライラが俺の元に飛んでやってきた。


「パルテ様!何者かがこちらの村に近づいてきています!」


「なに!?また王国の騎士団とかか?」


「いえ、向かってきているのは一人です、ただ身のこなしから考えると只者ではないようです」


「一人?それはまた少数だな」


「どうしましょうか?防衛フォーメーションに移行しますか?」


「いや、とりあえず入口で待ってみよう」


村の入口でライラと待っていたところ、木の上から突如として何者かが飛翔し、俺達の前に着地した。

茶色の短髪から顔半分を隠す頭巾から覗き込まれる鋭い眼光、袖無しの衣装からして道着のようにも見える忍者のような装束で体つきから女性だというのはわかる。


不意に現れた少女の瞳は、俺を見据えて落ち着いた口調で問いかけてきた。


「突然の来訪失礼いたします、この村に魔王軍と戦える強者がいると風の噂で聞き伺わせていただきました……御仁がその方とお見受けして間違いないでしょうか」


「その前に、貴方は何者だ?」


「これは失礼、私はガンギルダ第一王子 『 ゼリウス・ダイム・ガンギルダ』様の機密連隊諜報員「カエデ」と申します」


「そうか、俺はこの村の長でパルテという」


「パルテ殿でございますか、実は折り行ってお願いがあり参りました」


「お願いとは?」


「はっ、我々の王子はグレインダイク領地でガンギルダへ侵攻してきた魔王軍と戦闘を続け日々防衛を行っているのですが、先日魔王軍四天王が戦線に参上し、強力な魔法により非常に劣勢に追い込まれており崩壊の危機に瀕しております」


「魔法を使う四天王は『フォルマール』ですね、災害級とも言える強力で様々な攻撃魔法を使いこなす、魔導師です」


ライラが四天王の正体について解説してくれた、最初にみた魔導師みたいなやつか、あいつそんな強かったのか。


「続けてくれ」


「このままでは、王子を含め防衛隊が全滅する可能性があります、もしよろしければ我々の戦いに力添えいただけないかとお願いに参った次第です」


「ひとつ聞いていいか?」


「ない、なんでしょうか」


「何故本国であるガンギルダに助けを求めず俺に助けを乞うのだ?」


「ガンギルダにも何度も応援要請をだしました、しかし国の守りが手薄になるということで増援部隊の派兵を断られ続けております、時間が差し迫っており何らかの手立てがないかと調査したところ、この村にドワーフ国に現れた四天王を倒した者がいるとの情報を入手し、藁をも掴む思いでお願いにまいりました」


うーん、言葉の口調からはウソを言っている感じはしない。

本当にピンチで来たような雰囲気はあるが、助ける価値はあるのだろうか。

姫様と近衛騎士団に一度確認してから返事をするか。


「もし助けたとして見返りはなんだ?」


「王子の権限で、できる限りの報酬を出させていただきます」


「わかった、ちょっと話し合いをしたいのでしばらくそこの家で待っていて貰えるか?」


「承知しました、返答をお待ちしております」


俺はライラに耳打ちして近衛騎士団のメンバーを新しくできた住居に全員集まるように指示をだした、俺はカエデを自分の家に連れていき部屋に待機させてここから出ないように指示して皆が待つ家に向かった。


新住居へ入ると既に近衛騎士団は集合しており、皇女と共に村に来た使者から伝えられた現在の状況を説明して内容に齟齬がないか確認する事にした。


「事情は今説明したとおりだ、貴方達が知っている範囲で内容に相違がないか教えてもらえないか」


隊長のクラリスがまず最初の口火を切った。


「ゼリウス王子がグレインダイク領地にて防衛の任務を受けていたのは間違いないです、ただ我々が離れるまでは大きな問題は起きていなかったのですが、状況が悪化していたとは…リィンは何か知ってた?」


「いえ、父からは何も…王子の周辺についても異常はなかったはずです」


皆が悩んでいる間、皇女が気になったのか村にやってきた使者について問いかけてきた。


「パルテ様、村に来訪した使者のお名前は伺いましたか?」


「ああ、たしかカエデとか言っていたな」


「カエデが来たのですが!?彼女はお兄様の一番信頼できる最側近です、もしよろしければ本人と合わせていただけませんか?」


「いいのか?もし皇女様の行方を探しに来た司祭の手先とかだったら、面会させるのは躊躇するんだが」


「カエデはお兄様を裏切るような事は絶対いたしません、本当に信頼できる人物です」


「皇女様がそういうなら連れてくるか、ライラ念の為姫様の前に障壁貼っておいて貰えるか?」


「わかりました、お任せください!」


おれは、自分の家に戻りカエデを連れに向かって皇女様と面会させることにした、ある人物に会わせるので変な行動を起こさないように釘をさして。

家に入りカエデは眼の前に現れた人物達を見て大きく驚いた。

と、同時に皇女の前で跪き、喜びに身を震わせていた。


「姫様!まさかこんな所にいらっしゃったとは…誘拐されて行方不明と伝えられた時は王子も戦線を離れ捜索に行くと暴れて抑えるのが大変でしたがご存命で何よりです」


「カエデお久しぶりです、私は司祭の企みで幽閉されていた所をそちらのパルテ様に助けていただいてこの村で療養していたのです」


「そうでしたか、王子に姫様が無事だとお伝えすればきっとお喜びになられます」


「ところでグレインダイク領地の状況はそんなに酷いのですか?」


「はい、四天王が現れてから前線で戦っていた兵士の半数を失いました…このままでは王子の命も危ういのです、撤退するように進言したのですが騎士の誇りにかけて逃げられないと言い戦死もいとわない覚悟です…」


「もしかしてお兄様に内密でやってきたのですか?」


「はい、補給を名目に噂の真実を確認するためこの村にやって参りました」


「パルテ様よろしいでしょうか?」


「なんだい?」


「不躾なお願いだとは承知しております、出来ればお兄様を助けてはいただけないでしょうか?」


「皇女様にとって助けるに値する人物だという事か?」


「はい、お兄様はガンギルダを将来背負って行ける政治力と人望を兼ね備えております」


助けに行くこと自体は問題ないし、村の防衛隊も作ったから当面は大丈夫だ。

人選をどうするか迷うな、四天王クラスが来るなら俺だけだと心もとないな。

村の防衛はルコット、リブラ、セレネで編成して、ライラとヴァレリアでチーム組んで行くか。


「わかった、ただ条件が三つある」


「どのような要求でしょうか?」


「まず、この件が上手くいったらガンギルダ国王と司祭二人に面会出来るよう手筈を整えてくれ、王子の力を使ってな」


「それくらいなら、問題ありません」


「次にドイラム村をガンギルダから独立した領地として承認してもらう」


「それは、私の一存では了承しかねます」


「交渉のテーブルを作ってくれるだけでいい、後はこちらで交渉するよ」


「わかりました、手筈を整えます」


「最後に、国王を退位させ王子に次期国王として継がせること、最後に王国の司祭を追放し教会を破棄、正教国家に賛同する貴族連中を全員国から追放させる」


その言葉を聞き、全員が驚きの声を上げた。


「えええええっ!?」


俺の目的はガンギルダの新国王による乗っ取りだ、現国王態勢は司祭のいいなりで政治は混乱しているし国は疲弊し退廃するばかりだ、信頼できる王子に国を継がせて新たな関係を築くための工作。

ついでに黒幕の司祭を追い詰めて正体を暴いてやろうと目論んでいた。

一日置き(隔日)の21時から22時頃更新予定、筆が乗ったら他の日も投稿します。

今週は月、水、金、日更新予定です。

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