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転生最強魔王の引退物語 ~最愛の部下と田舎でのんびり暮らしたい~  作者: 茶巾丸
第5章 魔王覚醒編

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38. 魔王様消滅の大ピンチ!

──セレネ襲来から数日後


体がかなり復元できてから夜寝れるようになった俺は、朝になって目を覚ました。

夢は見ていないんだけどなんかよく寝れた感じがしてる。

先日、村に来たセレネは、ルナリーや皆に謝罪し正式な仲間となった。

今は壊した家の修復作業の手伝いをルコットの指示でやってくれている。


今日も農作業の手伝いでもするかと思って体を起こして立ち上がった。

なんだろう、いつもより体がすごい軽い気がする?いつもの杖を持って出かけようと思い手を伸ばす。

あれ?いつも闇のオーラで真っ黒な腕が一段とスリムに…ニ本の棒でってコレ骨…?


「なんじゃこりゃああああ!!」


「バル様!!どうしましたか!?」


俺の叫び声を聞いて隣の部屋からリブラがすっ飛んできた。


「り、リブラ…俺の闇の肉体が骨だけになってるぞ!」


「あぁ…予想してたことが現実になりましたか…」


「どういう事だ?」


「勇者セレネを魔族にする時に警告したの覚えていますか?」


「ああ、そういえばそんな事言ってたな、俺の存在が消えるかもと、でも実際消えなかったし大丈夫じゃなかったのか?」


「いえ、恐らくですが今になって症状が現れたのでしょう…このままではバル様が消滅してしまいます…」


「な、なんとか復元方法はないのか…?」


「残念ながらこのままでは…」


マジで?俺このまま消えてしまうん?俺死んでまうストーリー?

いや、せっかく村も順調に反映してきてこれからだっていうのにこんな所でゲームオーバーだと?

断固阻止だ!リブラに助けを乞うしか無い!


「な、なんとかしてくれリブラ!志半ばで消えたくないぞ!」


「こうなったら…探すしか無いですね」


「探すって何をだ?」


「バル様、森の大樹で言ったこと覚えていますか?」


「なんか言ったけ?色んなことがありすぎて忘れてしまった」


「んもう!大樹に溜まっているマナの力を体の復活に使えないかと聞いてきたじゃないですか」


「ああ、そういえばそんな事言ったっけ、でも何か難しいとか言ってなかったか?」


「ええ、光のマナを復活に使うには、一旦五大属性の精霊力をスピリットマナという力に変換して、私が受け取った後に双極反転マナ・コンバートというスキルを使って、バル様に流し込む方法を取る必要があります。


「ふむふむ、それで?」


「ここからが問題ですがマナを精霊力に変化させる、『精霊の御神』となる人物を探す必要があるという事です」


「『精霊の御神』と言うのは、どういう人達が必要なんだ?」


「『精霊の御神』は精霊の力を借りてマナを精霊力に変換出来る存在です、簡単言えば精霊の加護を持っている存在、もしくは精霊そのものです」


「それなら既に二人はみつかっていたな?」


「ええ、リアさんは風精霊シルフィードの力を受け継いでいますので風は大丈夫、次に水はティナさんが精霊ですので、こちらも問題なし」


「残るはあと三人、火と土と雷か」


「火の精霊サラマンダーはヴァレリアさんが加護を持っているようです、あとは土精霊ノームと雷精霊ラムウの加護を持つ人達ですね」


「疑問なんだが何で精霊として残ってるのはティナだけなんだ?他の精霊はどうしていないんだ?」


「バル様はご存知無いかも知れませんが、今から約一万年前にこの星に大厄星災という災害が起きたのです」


「それはどんな災害だったんだ?」


「空から巨大な火の玉が地上に落下し、世界中を炎に包む程の大災害が起きました、まだ人類が神によって生み出されてそれほど経過していない時代です、人々を守護していた五大精霊のうち、リーダー各のラムウが自身を犠牲にして、サラマンダーとシルフィードに力を分け与え、星の炎を消し去りました」


「それで災害は収まったのか?」


「いえ、焼けてしまった灼熱の大地は収まらず、サラマンダーとノームとシルフィードが同じく自身を犠牲にしてティナさんに全ての力を託して、世界に巨大な雨を降らせ地上を冷却させて厄災を止めることができました、シルフィードは何とか生き残りましたが命が長くないと悟り、森の精霊であったリナさんへ力を託し消えたのです」


「つまり今残っているの精霊はウンディーネのティナだけで、あとは風精霊の力を受け継いだ、リアの二人と言う事か、ところでひとつ質問していいか?」


「なんでしょう?」


「なんでリブラはそんな古いこと知ってるんだ?生まれる前の話だろ?」


予想もしてない質問にリブラは慌てている。

必死に何か考えて理由を伝えてきた。


「え、えっと…魔王城の図書館にあった書物に書かれていたんです!たぶん…」


なんだか、リブラは魔王城の図書館以上の知識を持っている気がするんだが何故だろう。

何でも出来る万能だし、もちろん出来ない事もあるが隠し持った何かの力があるんだろうか。

でもこちらとしても助かってるし、いつかこの件についてゆっくりと追求してみよう。


「話がそれたな、では続けてくれ」


「はい、それで残りの精霊は魂を散らしましたが、近似種の加護として受け継がれています、火の精霊はドラゴン族に、地の精霊はドワーフ族にです、問題はラムウの加護です」


「加護を受け継いでるのが誰かわからないと?」


「いえ、ラムウは人を守る守護者なので人類に加護が伝承されています、ただ膨大な人の中から加護を受け継いだ人を探さないといけません、だから難しいのです」


「だが、やらないと俺は消えるんだろ?だったら皆を集めて探してもらおう」


「そうですね、協力してもらうために一旦打ち合わせしましょう、みんなを呼んできます」


起きて外に出てきた皆をリブラが村の広い場所に集めてくれて、俺の現状を報告した。

ただ、セレネが原因と言うことは伏せて戦い続けて来たので闇の力が弱くなったということにして。

五大精霊の加護を持つ人達を集める必要がある事を全員に伝えて誰か知らないか聞いてみた。


「はい!私は土精霊ノームの加護を受けてるよ!」


最初にドワーフのルコットが手を挙げて教えてくれた、運がいいことに土精霊の加護を受けた人物が居たことはありがたい。


「火精霊サラマンダーはヴァレリアで大丈夫か?」


「ああ、アタシはサラマンダーの加護がある、まかせとけ!」


「あとは精霊ラムウの加護か、これが一番苦戦しそうなんだよな、この中にラムウの加護を受けた人を知らないか?」


「知らないです」


「申し訳ありません、存じでおりません」


皆に聞いてみたが誰も該当しなかった。

比較的知識がありそうな、皇女様や近衛騎士隊まで連れてきたが誰も知らないようだった。

まいったな、どうやって探そうか…何か手がかりでもあればいいんだが。

こうなったらみんなで色んなところに聞き込みに行くしか無い。

色々と思考を巡らせていたら、皆の会合にセレネが遅れてやってきた。


「おはよう…朝からみんな集まって何話し合ってるんだ?って!魔王様が骨になってる!?」


「起きるの遅いな、誰か起こしに行ったと思ったが」


「すまない、久しぶりの慣れない労働で疲れて二度寝してしまった、それで何の集まりなんだ?」


「見ての通り魔王様消滅の危機なのです、今は精霊ラムウの加護を持った人物をどうやって探すかを話し合ってるところなんです」


「え…私は精霊ラムウの加護受けてるけど…それが役に立つのか?」


皆が全員でセレネを振り向いて注目した、まさかのセレネがラムウの加護を持っていたというオチ。

その事で全員が揃ったように驚いた。


「五人…揃ったっ!?」


これで魔王である俺の覚醒復活が出来るかも知れない、後は皆とリブラの働きに期待して復活の儀式に入ることになった。

一日置き(隔日)の21時から22時頃更新予定、筆が乗ったら他の日も投稿します。

今週は月、水、金、日更新予定です。

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