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転生最強魔王の引退物語 ~最愛の部下と田舎でのんびり暮らしたい~  作者: 茶巾丸
第4章 勇者襲来編

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35. 勇者の裏切り、抹殺指令発動

──勇者セレネ視点


私は混乱していた。

ドイラム村に魔族が現れたという情報により討伐依頼を受けて向かった。

だがそこにいたのは魔王バルテオスだという存在であり、最強最悪の魔王が小さな村にいるとは思ってもいなかった。


加えて龍王バルザードと二人の龍魔人が揃っていた、こちらの戦力は三人。

全員で揃ってかかっても戦力的に部が悪く勝ち目はなかった。

見逃してくれたのも驚きだが、再戦するにしても戦力を揃えて掛からないと勝ち目はない。


だが一つ疑問が残った、それは皆魔王に操られてはいないという言葉だ。

魔王は村の人達を助けて生活しているという話であり、事前の情報とも異なる。

真意を調べるために国王との面会を求め王城へとやってきた。


勇者が戻ってきたと言うことで早急に面会の予定が組まれ中に入ることになった。

ただ、先に攻撃を受けて負傷していた二人は後から入るという。


「私達は回復してから向かうので先に行ってて」


二人を残し一人だけ王城に入り、謁見の間に通される。

先日会った国王と司祭が待ち構えていたので、まずはドイラム村での出来事を報告することにした。

国王がまず来訪の目的について質問を問いかけてきた。


「勇者セレネよ、早い帰還だな。もう討伐が完了したのか?」


「いえ、予想外の出来事に遭遇し撤退せざるを得ない状況になりました」


「ほほう、それはなんだ?」


「まず、ドイラム村に居た者は普通の魔族ではありませんでした」


「ふむ、一体何者が村に存在しておったのだ?」


「その魔族は魔王バルテオスと名乗っておりました、しかしながら私が戦った感じでは、そこまで強いとは思えない存在でした」


国王との会話の途中で司祭が話に割り込んできた。


「では、なぜ逃げ勝ってきたのだ?勇者ともあろう者が情けない!」


「魔王のそばに強力な護衛が現れ討伐を阻止されてしまいました、こちらの仲間も怪我をしてしまい撤退が最善と思い脱出してまいりました」


「強力な護衛とは何者だ?」


「その者は龍王バルザードと名乗っておりました、遭遇した際は龍魔人と名乗っており龍の姿とは異なっておりましたが、私が苦戦するほどの強者で必殺の一撃も通用しない程です」


「龍王バルザードだと…?あやつは討伐されたと聞いたが」


「討伐された?それは何者にですか?」


「それをお主が知る必要はない」


まただ、司祭は重要なことはこちらに一切開示してこない。

今回の件だって何も調べてない誤情報からこんな事態になってるんじゃないか。

こちらが知り得なかった村の事で疑問に思った事を聞いてみるか。


「そういえば一つお聞きしたいことがあります」


「なんだ?」


「ドライム村の人間たちは操られている様子がありませんでした、それどころかもう一つ知り得た事実があります、困窮している村人たちからガンギルダの騎士達が食料を奪おうとしたと言うのは事実でしょうか?」


「誰からそんな事を聞いた?」


「魔王を名乗るものからです、私も騎士達が食料を奪っていたというのは疑問でしたので、お伺いした次第です」


こちらの問いかけからしばらくの沈黙が続いた、そして司祭は何かを察したように私に告げる。


「どうやら勇者も魔王に操られてしまったようだな…」


予想外の回答に私は混乱した、何故だ?私は正気だ。


「何を言っておられる!私は操られてなどいない!」


「国や正教の行動に疑問を浮かべるなど、魔族に操られた証拠だ…」


「ふざけるな!ただ、村や民の扱いに疑問を持っただけで何故操られたなどと」


「勇者は我らの命令に従順従う駒であればよいのだ、正教の行いに疑いをもったお主は魔族の手下も同然、二人とも始末しなさい」


司祭の言葉とともに自分の後方からマルガリータとヒルダが現れた。

私を始末する?もしかして仲間だと思ったコイツらは監視者だったのか?勇者の行動を監視して謀反を起こすようであれば始末する、ただそれだけの存在だったのか。


「はーい」


「使い勝手がいい人形だったんだけどね、司祭の命令ならしょうがないね」


「私と戦うと言うのか?力が劣る魔法使いと僧侶二人で?」


私の言葉を聞いたマルガリータが不気味な笑みを浮かべている、今まで見たことも無いような悪魔のように凶悪な表情でケタケタと笑いながらこちらの言葉を否定してきた。


「戦ぅ?あんたなんかと戦う必要もないわよ、言うことを効かなくなった勇者に何も対策してなかったと思うの、アンタやっぱり戦闘だけで頭はバカなのね」


「なんだと!?」


「せーっかく従順なおもちゃが出来たのに損失は大きいわ、でも私達に歯向かう反乱分子は廃棄処分よ」


「いくよ、マルガリータ」


「はいよ、ヒルダ」


二人は突如魔法の詠唱のような、同時に言葉を重ね何かを唱え始める。


「刻まれた刻印よ、その身を焼き、魂の灯火をを啜れ。堕天の力により魂は黒く染まり、命の鼓動は我が二人の終焉の調べに、身を委ねよ――刻印断罪ディクツム・ドゥーム!」


二人の呪文により全身に悪寒が走り、嫌な予感がよぎった。

なんだ!?背中がものすごく熱い、そして体の力が徐々に奪われる感じがする。

立つのも辛いくらいの苦しみが全身を襲い、余りの重圧に私は膝を落としてしまう。


「そのままここで死んじゃいな!アハハハハハハ!」


マルガリータの笑い声が謁見の間に響き渡る。

このままでは死ぬ、逃げるところはないのか!?だけど逃げてどうなる…いや、最後まで諦めない、そう思った私は力を振り絞り、全力で廊下にある窓まで体当たりをしてガラスを割り外に逃げ出す、このまま空に飛び上がり飛翔魔法で飛び上がった。


だけどどこに逃げる?逃げ場所などない私は無我夢中でどこともなく飛んで逃げた。

目的など無い、あの二人と司祭から逃げるために必死で逃走した。


私が逃げ去った後に元仲間二人と司祭が会話していた。


「ヒルダ…逃げられちゃったね」


「どうせ刻印断罪の呪いからは逃れられないわ、ほっといてもいずれ死ぬ」


「次の候補者を作らないとね、ニ番目の候補いたよね?」


「ああ、予備はいるよ、今回の勇者の死因はどうするの?」


ヒルダが司祭に問いかけると、今回の勇者の処遇について決定を告げる。


「突如現れた魔王と対決し、命を落としたことと発表しなさい、大司教様には私から報告する」


そう言って勇者は死んだことになった。


隔日(火、木、土) の21時頃更新予定、筆が乗ったら他の日も投稿します。

月曜日は投稿お休みです。

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