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転生最強魔王の引退物語 ~最愛の部下と田舎でのんびり暮らしたい~  作者: 茶巾丸
第4章 勇者襲来編

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33. 勇者と魔王の全力バトル勃発!

ドイラム村に突如として現れた勇者三人のパーティ、俺は無差別に攻撃する魔法使いをヴァレリアに任せて勇者セレネからみんなを逃がすため別の離れて開けた場所へ誘い込んだ。


村で戦闘すると建物や周囲に被害が出るのは明らかだ、正直こちらの誘いに彼女が乗ってきてくれるか賭けだったが、上手くこちらを追いかけて来てくれた。


俺は地面に着地した後に杖を構えて臨戦態勢を取る、先程の一撃で彼女はとんでもなく強いと解った。

だが正直どうするか迷ってる、本気でやって相手を大怪我させたり死なせるような事になるのは避けたい。

会話してこちらの口車で挑発に乗ってくれるかわからんが試してみるか。


「突然村に現れて村人に無差別攻撃するとは、勇者という職業はただの殺し屋だったか」


俺の言葉に対してセレネがピクッっと反応した。

意外と効果があったのかこちらの挑発に乗って反論してきた。


「貴様が村人を操って好きなように動かしてるだけの存在だろ、消えても問題なかろう」


「我が村人を操って使っているだと?先程の行動を見てそんな事言えるのか?」


「なんのことだ?」


「お前らの魔法使いが攻撃した時に、我は村人を庇い更に怪我したエルフの娘を気遣った、まさか見てなかったとは言わせないぞ」


「自分でやった演技だろ?村人を使ってこちらを油断させるためと言えば納得出来る」


「セレネとか言ったか?お前は自分の目で見て感じても他人から言われたことを信じるのか?そんなのお前も同じようなもんじゃないか、自分の正義なんてない…ただ他人から操られてるだけ、たいした勇者だな」


「魔族の言葉になど惑わされない!貴様がなんと言おうと貴様は魔族、私は勇者の名をもつ正義の存在なのだ!」


相手は自身の剣を振りかざして言葉を少し荒らげてきた、挑発につられてるのを感じるぞ。

しかし、この頑な態度は自分が信じる正義って物はなく、本当にただ操られてる人形なのか?

いや、それならイキナリ村人全員に切りかかってもおかしくない、良心の呵責がある気がするな。


「じゃあ聞くがお前は先程魔法使いが攻撃した時何もしなかったな?お前が村人を殺すのも正義だと思うのなら率先して全員斬りつけてもおかしくない、だがそれをしなかった。それは多少なりとも躊躇していたからじゃないのか?」


「違う!お前という存在がいたから攻撃しなかっただけだ、他は二人に任せただけだ」


「そうか?お主は我に攻撃の一撃を加えた時、攻撃範囲を絞っていただろ。もっと範囲を広げて村人も巻き込んでもおかしくない威力の攻撃だったがあえてそうしたんじゃないのか?」


「ただの様子見だったからだ、攻撃の範囲が小さかったのはお前のみ狙ったからだ!戯言はここまでだ!」


俺の言葉を尽く否定しながら大きく叫んだセレネは、話を断ち切ろうと剣を構え攻撃耐性を取る。

彼女はこちらは悪で自分が信じる事が全て正義だと思い込んでいるように見える。

なぜ不満があるのに逆らわない?いや逆らえないのか?勇者という立場を捨てたくないからか?


先程と同じ様に大きく踏み込んだと思った瞬間、セレネが周囲の風を震わせこちらに猛突進してきた。

肉薄する距離に達したところで大きく上に構えた剣を俺へと振り下ろし斬りつける。

俺は自分の杖を相手の剣に噛み合わせて、激しい火花を散らしながら彼女の全力の重圧を受け止めながら、相手に俺の事を伝え様子を見ることにした。


「そう言えばお前に俺の名前を伝えていなかったら、我が名は魔王バルテオスだ」


「何だって……っ!」


セレネが一瞬動揺したスキを突いて武器で相手を力任せに押し戻し相手と距離を取る。


「貴様が最強最悪だと言われた魔王バルテオスだと?農夫の格好をした闇の従者が?バカも休み休み言え!」


「ウソや偽りではない、貴様がどの様に見ているか知らんが我はバルテオス本人だ」


「では聞く!何故魔王バルテオスがこんな辺境の地にいる!何が理由だ!?」


心では動揺しながら平静を保つためにこちらの事を探り時間を稼ごうとしているのか。

こういう時は更に混乱させるような正論をぶつけてみるか。


「我がここに来た理由を知ってどうする?お前は村人共々全員を殲滅する気なのだろう?そんな無差別な殺戮者に何をやっていたか教える義理もない」


セレネは俺の言葉を聞いて剣を強く握りしめた、こちらの煽りに対して効いてるなコレは。

勇者を名乗る人間が魔族に殺戮者と言われて頭に来てるのが感じられる。


「違う!!私は正義の勇者だ!貴様ら魔族とは違う!」


「村人の様子も確認せずに他人の言葉を信じるまま人を殺すのが勇者か?お前らも魔族と何ら変わらないではないか、貴様は勇気ある人物ではない、殺戮の片棒を担ぐ極悪人だ!」


「違う!違う違う違う!!」


正論で理詰めしていたらセレネは、ほぼ半狂乱になってこちらに向かってきた。

自分が信じる正義を汚されたとでも思っているのか、力いっぱい剣を振り何度も攻撃をしてくる。

ヤバイこんなに勇者の攻撃が強いとは思っても見なかった。これはそう長くは耐えられない。


「反論できなくなったら、問答無用で攻撃か!やっぱり勇者などではないな!」


「黙れ黙れ黙れ!私は止まるわけにはいかないんだ!」


「そうか、狂信という名の盲目で他社を排除する、勇者ではなく殉教者の証だな!!」


「煩い!貴様の戯言ごと全て消し去ってくれる!」


セレネは攻撃を止めて俺から距離を取った後に剣を両手で正面に構えて何かの態勢を取る。

全身の闘気を剣に集中させ神聖な儀式と見間違えるようなオーラで巨大な十字架を形作り全身を包む。


彼女は空高く飛び上がり落下とともに剣を背中まで向けるように構えて攻撃体制を取る。

これは勇者の必殺技か!?とてつもなく危険な雰囲気を自分自身の肉体が震えるよう感じた。

俺は強化された魔王の手で勇者を捕まえ攻撃の威力を半減させようと狙う。


「魔王の手よ!奴の攻撃を受け止めろ!」


だが、セレネはそんな攻撃お構い無しとも言わんばかりに大声で必殺技を繰り出してきた。


「正義の十字架よ!全ての悪しき物を消し去れ!ノーザンクロスブレード!!」


彼女が放った必殺技は闇の手を軽く吹き飛ばしながら、俺めがけて放ってきた。

直感でめちゃくちゃヤバイと思った俺は瞬間的に右斜め後方に全力で逃げて回避する。


相手の強力な攻撃が地面に当たり物凄い量の噴煙を撒き散らし周囲が煙で見えなくなってしまう。

しばらくして風で噴煙が晴れて来ると、俺の直ぐ近くにある地面が十字架の形に地の底が見えないくらいに大きく(えぐ)れていた。


こんな攻撃まともに食らったら死ぬ、この世界に来て初めて見る最強最大の技だ。

相手には気取られないようにしているが本気でヤバイと思える技。本当に勇者レベルの必殺技か。


相手の攻撃の直撃を防ぐため距離を取ろうとするが突然地面に魔法陣が現れ光の鎖のようなもので全身を動けないように拘束されてしまい、手に持った杖を地面に落としてしまう。


全身を動かし何とか魔法陣の拘束から逃げようと藻掻くが、闇の肉体に食い込んで身動きが取れない。

何らかの拘束魔法か!?このままだと勇者の必殺技を防御も出来ず全身で食らうことになってしまう。

またも彼女は空に大きく飛び上がり先程の必殺技を繰り出そうと体制を整える。


「今度は外さない…喰らえ!ノーザンクロスブレード!!


セレネが二発目の極大攻撃を俺に繰り出して来た瞬間、またも巨大な閃光ととも必殺技が放たれた。

俺はこんなところで異世界転生魔王生活も終わりになるのかと思ったその時、眼の前に何者かが現れ強力な必殺技を受け止めて勇者の攻撃を相殺した。


誰だ!?この強力な力を持った人は、いや何か面影がある…そうだアイツだ。

こちらを振り向き挨拶と言わんばかりに自身の名前を告げた。


「またせたなぁ!魔王様よ!バルザード復活だ!」


魔王最大級のピンチを救ってくれたのは、先日助けた龍魔人バルザードその人であった。

隔日(火、木、土) の21時頃更新予定、筆が乗ったら他の日も投稿します。

今日月曜日はお休みですが休日なので特別です。

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