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転生最強魔王の引退物語 ~最愛の部下と田舎でのんびり暮らしたい~  作者: 茶巾丸
第3章 魔王受難編

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27. 獄炎龍バルザード襲来!村が大ピンチ!?

皇女を救い出して、五日ほど経過していた。

近衛騎士隊はずっと姫の世話にかかりっきりだが彼女たちの処遇について考えていた。


騎士隊として村を守る防衛に就いてもらう事も考えたが目立った行動をしてガンギルダ王国の人間に見つかるのも厄介だ。

皇女含め彼女らと一緒に村で過ごすために俺は、彼女たちが住処にしている家にリブラと共に訪れクラリスにある提案をした。


「近衛騎士隊は、一人姫様の世話係を交代でやって他の人達はエルフ達と共に農作業の手伝いをしてもらいたい」


隊長のクラリスは、俺の提案に疑問を呈してきた。


「農作業だと?我らに出来るのか?」


「貴殿達は全員死んだことになってる、だから防衛任務のような目立つ仕事は任せられない、それならば農作業服を着用して貴族という雰囲気を亡くし農業を手伝って欲しい、人手は常に不足してるし作業的にはそれ程難しくはない」


「誇り高き騎士団が農作業とはな…」


「貴族連中は下の者の仕事として農作業の大変さを知らないだろ、だったら身を持って体験すればこの国を支える基幹産業に対する理解が深まるだろう、働かざるは食うべからずだ」


「わかった、そう言われると弱いな、わかった皆で手伝おう」


隊長のクラリスを説得し、近衛騎士団は農作業組に加わって人手不足の解消に一役買ってもらおう。

ついでと言ってなんだが姫様に囚われていた事情を聞いてみることにした。


「皇女殿下、話を伺うことは出来るだろうか」


姫はこちらを向き様子を伺っている。

先日より顔色は良くなってきているようだが、まだ本調子ではないようだ。


「はい、どの様なご要件でしょうか?」


「かの領地に幽閉された時に起きたこと、国王の現状について話して欲しい」


皇女は視線をベットに置いている手に視線を向けて悩んでいるようだ。

しばらくして静かに自分の身に起きたことを語りだしてきた。


「幽閉される際の出来事は、父様に国民への圧政を辞めるよう進言に向かって面会した時です。隣りにいたバイネン司祭が私の言葉が国への反抗だと言い出し、父様はその場にいる騎士達に私を拘束させました、その後は馬車に乗せれられ領地に送られ日々過ごしていましたが、いつかの食事を食べた後は眠ってしまいその後の記憶がありません」


「という事は食事に一服盛られたか、あとはもう何も覚えていないと」


「はい、その通りでございます」


なんだか拘束された精霊とも似ている事象だが、全てにガンギルダ国が関係しているのか?

なぜ、姫様を拘束して謎の儀式に使われていたのか、その理由が不明だが祭壇で起きていたのは闇の力を集める儀式のようだった。

精霊二人に起きていた事象も闇の力を集めるための行為だと思えばなんとなく目的が合致する。

三人とも光の力を持つという共通点があるからだ。


精霊二人は邪気を感じない人間の仕業だと言っていたから正教国家が裏で暗躍している可能性がある。

恐らくだが闇の力を感じさせない聖騎士とかそういった立場の人間が関わってるのだろう。

少しずつだがパズルのピースがはまってきたな。


「国王について異変が起き始めたのはいつ頃からだ?」


「私達の国に正教国家の教会を建設してから、民が次々と信徒となり国の内情が狂い始めました、その中で司祭が大臣の不正を暴き、彼を更迭して地位を乗っ取ってから父様はおかしくなりました、司祭と共に民が苦しむような圧政を指揮し始めたのです」


「つまりガンギルダの異変に関しては全てそのバイネン司祭が原因という可能性が考えられるな…」


「証拠がある訳ではございません、ですが父様がおかしくなったのは彼が来てからです」


「国に乗り込んでその司祭をぶっ潰す事は出来るか?」


「それは止めてくれないか」


二人の会話を聞いていたクラリスが俺の言葉に対して静止するように会話に入ってきた。


「それは何故だ?」


「恐らく国に戻って城に攻め入ったら全兵力を持って止めに来るだろう、国王周辺の護衛は以前にも増して強固に固められている、貴方が向かって戦えば関係ない騎士達も巻き込む事になる、国を想ういい奴らも多いんだ、貴方の力なら滅ぼす事も造作ないかもしれないが、大量の死者を出すことはなるべく避けて欲しい」


「なるほど、まあ確かに死者を大量に出すのは私も望むことではない、出来れば司祭だけを誘い出してぶっ飛ばす方法を考えるべきか」


姫様が(さら)われたことはいずれ司祭にバレるだろう、その後どのような行動を取るのか様子を見るべきだ。

ここに(かくま)われていると知ったら何か手を出してくる可能性があるな、先手を打てないのは辛いが一旦様子見すべきか。


「わかった、引き続き療養に励んでくれ、今後の事はまた考える」


「わかりました、お世話になります魔王様」


彼女達がいた家を後にして、リブラと共に外に出て色々考えていた。

司祭を捕まえる方法としては大きく二つだな。


一つは皇女の身を囮として使って司祭を誘い出す方法だ。

司祭がこの儀式に関わっているとしたら、皇女が生きていると知れば奪還しに来る可能性が高い。

ただ、折角助けた姫を囮にするのは気が引ける。


二つ目は、ガンギルダ国に忍び込み司祭の元に乗り込む方法だ、ただクラリスの話を聞く限り、王国の警備は相当厳重だと想像がつく、リスクを伴って忍び込むのは得策ではない。


そんな中、突如としてエルフのルナリーが全力で俺の元に走ってきた。

相当慌てているようで息が切れている。


「魔王様!ととと…遠くの空から大きい龍がこちらに向かって飛んできています!」


「なんだってどこだ?」


「あちらです!」


ルナリーの指差す方向を見てみると巨大な龍がこちらの村に向かって飛んできている。

俺は隣にいたリブラに飛んできている龍について尋ねてみた。


「リブラ、あいつは何だかわかるか?」


「あれは…獄炎龍バルザード!!東のヴォルガイア山に住む龍王が何故こんな場所に!?」


「なんだ?そのバルザードって?」


「獄炎龍バルザードは、ヴォルガイア山周辺を縄張りにしている龍族の王です、外に出ることは滅多にないのですが…」


「ちなみにあいつは強いのか?」


「龍族の王です、その昔に龍王を討伐しようとしたアッシュ・ヴァルカという国家が逆鱗に触れ国ごと滅ぼされました、それくらいの強さです」


マジかよ、そんな強い龍が何故こんな場所に飛んできたんだ?

遠目から見る感じでもかなりの巨体だ全長30メートルはあるだろうか、だが少し様子が変だ。

巨大な龍は自分の手にもう一体の赤い龍を掴みながら飛んでおり、若干バランスが悪く飛行が不安定だ。


「もしかして怪我でもしてるのか?飛ぶ勢いが弱いな」


「よく見えませんがどこか怪我をしているのかもしれませんね」


バルザードは村の近くまで飛んで来たがこちらを通り抜けた後、離れた大地にフラフラと着陸した。

やはり様子がおかしい、村を攻撃するならともかく抜けていったからだ。


「リブラ、龍の元に向かうぞ!」


「はい!わかりました」


俺とリブラは龍が降りた場所に様子を見に行くため、飛んで向かった。

バルザードがこちらに向かってきた目的を確かめるためにだ。

隔日(火、木、土) の21時頃更新予定、筆が乗ったら他の日も投稿します。

月曜日は投稿お休みです。

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