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転生最強魔王の引退物語 ~最愛の部下と田舎でのんびり暮らしたい~  作者: 茶巾丸
第3章 魔王受難編

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24. ガンギルダ皇女救出作戦

──皇女救出作戦を請け負った翌日


太陽が昇り始め、まだ暗さが残る朝早く、近衛騎士隊のクラリスが俺達の家にやってきた。

昨日打ち合わせた通りになるべく早めに出発したいという意向を汲んでの行動だ。


「魔王様、約束通り参りました」


「お、来たか。ならこの衣装に着替えてくれ」


「え?これは…?」


「農作業服だ、流石に騎士の格好で向かうと目立つし、生きているのがバレても困るからな」


「わ、わかった…着替えてくる」


しばらくすると農作業服に着替えてきたクラリスがこちらに来た。

貴族が着用すると意外に上品な感じがする、これが上流階級の気品ってやつか。


「では、作戦だが、まずクラリスが目的の領地まで馬で先導してくれ、なるべく人が通らないところを走ってくれ、目立たないようにな」


「承知した、貴殿達はどうするのだ?」


「我らは空が飛べるので、上空から着いていく」


「空が飛べるならもう一人位運べないのか?」


「姫様を救出したあと運ぶ手段が必要だろ、馬で運ぶかこちらが抱えるかわからないからな」


「なるほど、それもそうか。よく考えてるのだな」


「では、行こう。先導を頼むぞ」


クラリスは自分が騎乗してきた馬に乗り皆でスタインブッケ領地へと向かうことにした。

俺とリブラは空を飛び彼女の後を付けながら周囲を警戒して近くに人の気配がないか確認して移動する。

どうやら周囲には人影はないようだ、朝早く出発したのが功を奏したな。


クラリスの馬はかなり早いが俺達の飛行速度には及ばない、遠くの空からゆっくりとした飛行速度で見回すと遠くに領地と大きい塔が見える、あの場所がスタインブッケ領地か?俺は走っているクラリスのそばに近寄り聞いてみた。


「遠くに高い塔と領地が見えるがあれがスタインブッケか?」


「ああ、そうだ、領地に建つ大型のドルイム塔が目印で、そこに姫様が幽閉されている」


「わかった、先に向かってお主の到着を待つぞ」


俺とリブラは全速力で飛行し、スタインブッケ領地の近くで地上に降りて遠くから様子を眺める。

なんだか領地といいながら全然人がいない、塔の近くに兵士がいる以外は領民らしき人影が見当たらない。

ここの場所は領地と言うか監獄みたいな様子を醸し出しているな。


しばらくするとクラリスが馬に乗って近くまで来た、馬を領地近くの木に手綱を縛り降りてきた。

俺達二人の元へやってきた彼女に疑問に思ったことを確認してみよう。


「なんだかここは監獄みたいだな、人の影も見えないし」


「昔は、人も結構いたんだがヒュドラが置かれてから皆この場所から逃げ出してな、貴殿の言う通り今はほぼ監獄みたいになっている」


「姫様が幽閉されている塔の防衛体制はどうなってる?」


「見張りの兵士数名だけだ、彼らは詰め所にしかいない」


「なら寝かせるか…睡眠魔法!ディープスリープ!」


入口にいた兵士たちは。俺の魔法で深い眠りに入った。

恐らく一日は寝たままだろう、とりあえずこのまま放置し異変を気付かれたら不味いので詰め所まで持っていっこう。


そう思った俺は、二人を引きずりながら詰め所っぽい場所まで連れてきた。

めんどくさいので中に放り込んでおこう。


「さて、次はヒュドラか、塔の前にいると言ったな」


「ああ、あの場所に鎮座している」


皆で塔の近くに行くと怪物ヒュドラが入口近くで寝ている様子が見える。

まだ起きていないようだが先手必勝で攻撃してみるか、その前にクラリスを遠くに退避しておいて貰おう。


「すまないがクラリスは少し離れた場所で見ていてくれ、もしそちらに向かったりしても守りきれないからな」


「了承した、入口近くの壁で見守っている」


さて、早速やるか!ヒュドラって火属性だから炎の魔法だと効果薄そうだな、氷でやってみるか。


「千氷槍!サウザンド・アイス・スピア!」


俺の言葉とともに大量の氷槍がヒュドラの全身を突き刺す。

キマイラはこれでほぼ即死だったし、ヒュドラにも効果はあるのかお試しだ。


──ギャアアアアス


巨大な咆哮を上げてヒュドラは動きを止めた、なんだ楽勝じゃないか。

そう思っていたら体に刺さった氷槍が次々と溶け出して水となり落ちていく。

体に空いた穴が再生を始めて物凄い勢いで復元を始めていく。


「なるほど、やはり普通の攻撃では効かないか、物凄い再生能力だな」


「バル様、今の攻撃でわかりましたが、相手の体には生命のコアが分裂して存在しているようです」


「コアが分裂?どういうことだ?」


「五体の頭部と心臓にコアがあり、全ての場所を同時に攻撃しないと肉体再生能力が動き出して何度も再生してしまいます」


「心臓は胴体にありそうだな、場所はわかるか?」


「胴体の中心あたりです」


二人で会話している間にヒュドラは肉体の復元が完了したようで、敵対行動を見せたこちらに口から炎を吐き攻撃をはじめた。


「キャッ!」


可愛い悲鳴と共にリブラが俺の後ろに隠れた。

そうだ、リブラは炎系の攻撃に弱いんだ、こちらで守ってやらないといけない。


「魔王覇気!デモンズウォール!」


魔王破棄の防御魔法で相手の炎攻撃を防ぎながら、後ろにいるリブラを守って次の攻撃の機会を伺う。

攻撃されて解ったがブレスを吐くのは中心から三つの頭だけか、恐らく肺と火炎を吐く箇所は中心部に集中しているのだろう、左右端の首は物理攻撃だけと見た。

千氷槍の攻撃位置を調整して頭と胴体に対して同時攻撃か、頭が動いてる状態では狙いが定めにくいな。


「リブラ、あの動く頭を何とか固定できないか」


「え、ええっ?…えっと、闇の手で全部の首を掴めないでしょうか」


「闇の手で?たぶんできるだろうけど、そしたら魔法が撃てなく無いか?」


「バル様が闇の手で首を一つにまとめて、私が魔法障壁を使って首の位置を固定します、その後に千氷槍で全てを攻撃する方法です」


「なるほど!リブラ、ナイスアイデアだ!ではタイミング合わせていこう」


「は、はい」


ヒュドラは炎のブレスを吐いた後はしばらくリキャストタイムがあるようだ。

体内で炎を作るのに時間がかかるんだろう、作戦を決行するなら今だな、リブラに合図を送ろう。


「リブラ!やるぞ!」


「は、はい!」


「いでよ!闇の手!」


俺は魔王の闇の手を両手で放ち、左右から全ての首を掴み一本の形に纏めて固定する。

暴れて脱出しようとするが両手で掴んだ闇の手は、そう簡単には外す事はできない。


「リブラ!今だ!」


「魔法障壁展開!」


リブラの掛け声とともに闇の手で纏められた首の根元で魔法障壁が首の位置を固定する。

これで動きが止まったから後は千氷槍で狙うだけだ。


「バル様…あまり長くは持ちません、早めにお願いします」


マジかよ、急いで攻撃しないとリブラが抑えられないのか。

俺は急いで千氷槍を発動し氷の槍で全ての首と心臓を狙いを定めようとするが微妙に相手が動いてる。

若干ブレるかもしれないがとりえあず一発勝負だ!


「千氷槍!サウザンド・アイス・スピア!」


五本の氷槍が勢いよく飛んでいき、ヒュドラの頭を吹き飛ばす。

そして最後の氷槍が本体にある心臓部を貫いて相手の動きが止まった。


「やったか?」


だが、まだ少し相手の息があるようで死んではいない、このままだと再生する可能性もありそうだ。

また復活されても困るからもう一発ダメ押ししておこう。


「地獄炎!ヘルズバーン!」


俺が放つ地獄の炎でヒュドラ全身を包み再生を妨害させてみる。

強力な炎で全身を焼き尽くすことで若干動きを見せたがしばらくするとどうやら動きが止まったようだ。

ヒュドラは再生能力強いだけの雑魚だと思っていたがなかなか苦戦したな。

丸焦げになったヒュドラを確認して、クラリスにこちらに来るよう合図を送る。


「こんな化け物を簡単に倒すとは…流石魔王様と言う事か」


「意外に苦戦したぞ、我とリブラ二人のコンビネーション技で倒すことが出来たのだ」


「いえいえ、バル様の的確な攻撃のおかげです」


それでは、中に入ろうか。

俺とリブラとクラリスの三人は皇女が幽閉されている塔の中に入っていった。


隔日(火、木、土) の21時頃更新予定、筆が乗ったら他の日も投稿します。

月曜日は投稿お休みです。

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