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転生最強魔王の引退物語 ~最愛の部下と田舎でのんびり暮らしたい~  作者: 茶巾丸
第9章 新魔王襲来編

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102. 新魔王との戦いの準備

俺はライラと対話して新魔王とタイマンで戦う指名を伝えられた。

彼女は自分自身を封印してい戦いが終わるまでもう話すことは叶わない。

会社員時代に仕事丸投げされたような少し懐かしい感覚に陥ったが、実際はそう簡単でないから困ったものだ。

事前情報がない状態で戦うわけにもいかず、実際に戦闘したメンバー全員から情報収集を始めよう。


皆と話し合って戦闘の状況から幾つか把握できたことがある。

新魔王は俺の魔法とほぼ同じ攻撃を使えるが、魔法の威力は格段上で弱体化した全員では凌ぎきるので精一杯だったようだ。

更に武器を操った物理攻撃も強かったし、謎のスキル持ちという。

総合的に判断して自分よりランクが上の対戦相手に、手加減した状態で抑え込めって苦戦するのがほぼ確定、ハッキリ言って無理ゲーな相手じゃないか?


「パルテ様ちょっと相談があるんだけどいい?」


どうやって戦うか悩んでいたら、ルコットからパルテセスの復興作業を進めていいか聞かれた。

残った建物や現状について彼女に確認したが燦々たるものである。

住居に関しては殆どが半壊か倒壊、木材製造工房と鉱山やガヴェリアとの運搬ルート、水道インフラは街から離れていたので無事で問題ない。

作物を育てていた畑も街から場所が離れていたので大丈夫。

食料保管庫も地下倉庫に移動していたので当面の食料に関しては供給可能だ。


破壊された建物の撤去と復元については早急に対策が必要だ。

ガヴェリアの臨時キャンプで住人に長く過ごしてもらうのは心苦しい。

ルコットと打ち合わせして大規模な新規住居を再建してもらう事に決めた。

敵が来た時に再度破壊される可能性もあるが、別の場所におびき寄せて戦えば何とかなるだろう。

復興資金はガンギルダから借款して貰った費用を利用する。

この際だから継ぎ接ぎで拡張していた街を全面的に建て替えることにしよう。


──翌日


魔王の力で大量のゴーレム召喚を行い労働力としてルコットに提供する。

神滅の秘宝による自身の能力強化でゴーレム達が細かい作業も指示出来るようになっていた。

これはある意味嬉しい誤算だ。

ルコット達と協力して倒壊した建物の撤去や建物の地盤固めに木材運搬等大活躍して貰おう。


「パルテ様!作業めちゃくちゃ捗ってますよ!」


興奮気味のルコットを見て少し嬉しかった。

新魔王によって自分たちが丹精込めて作った建物が崩壊し気落ちしてるかと思ったが彼女は物凄く前向きだ。


「壊れたならまた作ればいいんですよ、生きてることが大事です!」


彼女の言葉を聞いてこちらもやる気が引き出される。

最初の建物は一週間程度で出来る予定で大急ぎで建築を進めていく。

本当に彼女には色々助けられて来た。

今度はこちらが共同作業で建物の建築作業を手伝う番だ、一生懸命頑張るぞ。


──一週間経過


ルコット達建設部隊とゴーレム軍団の活躍により、二階建ての小さいマンションみたいな共同生活可能な新しい建物が完成した。

各フロアは個室、共同性活用に広間に食堂、トイレにお風呂までつけたので利便性が格段に向上した住居で概ね満足だ。

今回は、農作物作成の主要メンバー達を優先して入居してもらう。

各部屋で個室が用意されたのが嬉しかったのか彼女たちは大喜びだ。

ルコットには次の建物も大急ぎで建築を進めて貰うよう依頼して、一旦俺はガンギルダへ借款された資金を手に入れレイモンドの街へ向かうことにした。


目的は、鍛冶師ドランに修復依頼した杖の引き取りだ。

新しい魔王と戦いに挑むには、魔法強化杖は必須だろう。

今回は全力で飛んで一日かからずにレイモンドの街に到着した。

武器屋へ全速力で向かって、少し粗めに扉を開けて中に入り叫んだ。


「ドランさん!修理費用持ってきたよ!」


少し息が切れた状態でカウンターへ持ってきた金貨の袋を乗せた。

突然の来訪にも店主のドランは動じず、何事もないように返事を返してくる。


「おう、姉ちゃんか。杖の修理なら終わったぞ、ちょっと待ってろ」


ドランは奥に向かい修理された杖を持って来てお披露目してくれた。

俺は修復された杖を見て驚く。

今とは全然形が変わっていて完全な新武器に生まれ変わっていた。


「姉ちゃんには悪いと思ったが、武器の方向性を変化させて貰った」


「武器の方向性?」


「あんたは、これから堕天使相手に戦うのだろう?」


「そうですね」


「なら、農具の形状は不要だろう?あと爆発の能力も危険なので封じた」


「え?爆発の能力も使えなくなったんですか…」


「姉ちゃんが本気で爆発攻撃したら地形が変わる威力なんだろ?ポンポン撃たれて自然を壊されたら他の人達に迷惑かかるだろうが」


「そう言われたら、反論できませんね…」


「その変わりと言ってはなんだが、姉ちゃんに必要だと思う機能を大幅にパワーアップさせたぞ」


「具体的に、どのように強化されたのですか?」


「まず、魔導師として戦う杖の形状だが、従来と比較して魔法の威力を今までの数倍高められるように改良した」


「今までより更に魔法の威力が上がるって事ですか!?」


「そうだ、しかも自分の意思で効果範囲や出力を絞ったり自由自在だ」


「威力を自由自在になんだか凄いですね」


「更に物理戦闘に使える槍の機能だが、こっちも凄いぞ」


「ぐ、具体的にどのように?」


「姉ちゃんの魔力を物理攻撃に転換して刃を作り出すことが出来る。この刃はどんな物体でも切断できるから。恐らく堕天使の体を切断しても簡単に復元できないようになるはずだ」


「それめっちゃいい機能じゃないですか!!」


「ただ、これは魔力を物凄い勢いで消費するから注意しろ。姉ちゃんがどれくらい維持出来るのかわからんから実際試してみることを勧めるよ」


「わかりました、実際に試してみます」


ここで俺は考えた、鍛冶師ドランの能力は本物だ。

他の鍛冶師とは違い素晴らしい武器を作る能力が段違いで飛び抜けている。

出来れば他のメンバーの武器も作ってもらいたい。

そうなれば、考えることは一つ、パルテセスにドランをスカウトするべきだ。


「ドランさん、よかったらうちの国に来て鍛冶師として働きませんか?」


「国に仕えろって事か?俺はそれが嫌でガヴェリアを抜けて来たんだぞ。そんな話はお断りだ」


「いえ、私がいるパルテセスの街で鍛冶屋を開いて商売して欲しいのです」


「姉ちゃんの国で商売しろだと…そりゃあ本気か?」


「もちろんです。実は先日、私たちの国では新しい魔王が襲来して国の殆どの建物が崩壊しました、現在新しい住居や商売をする店舗も作る予定です。自分好みの新しい店を持ってみたくないですか?」


「姉ちゃんが建物を作るというのか?それに魔王の問題はどうする、その様子ならまだ健在なのだろう?」


「新魔王は私が何としても倒します。新店舗については、ルコットに設計と建築を担当して貰います」


「ルコットってもしかすると建築のボーマンの娘か?」


「彼女をご存知でしたか。彼女は建築技術ではとても良い腕を持っています。もしドランさんがこちらの国に来てくれれば望みの店舗が作れますよ」


「ふむ、新天地で商売ねえ…」


「もちろん国の仕事を強要はしません。あくまで商売人としてのスカウトです」


ドランはこちらの提案を受けて考えている。

この店は色々な武器が揃ってはいるが、あまり客入りがいいようには見えない。

街の雰囲気を感じる限りこの辺りは平和な地域なのだろう。

俺の提案を悪い条件ではないと考えているのか、なかなか答えが出てこない。


「少し考えさせてくれ」


「わかりました、私たちの国パルテセスは、ガヴェリアとガンギルダの間にある旧ドイラム村です。もしお越しになる際には、そちらを目安にご来訪ください」


「ああ、わかったよ」


杖を受け取り、ドランとの交渉も済ませた。

次は、新しい魔王『アルカディア』とのタイマン勝負に備えるだけだ。

俺は新しく改良された杖を持って新たな戦いに挑んでやる!

火、木、土、日の19時から21時頃で更新予定。

月曜日は投稿お休みです。

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