第65話 迫ってくる
レビューと評価ポイント、ブックマークありがとうございます!! とても、とても、嬉しいです!!
「【灰色ドシニア】って、多くても3匹だったろ!?
ダンジョンの深い所にいる強い魔物が、なんで地上にこんなにいっぱいいるんだよ!?」
波の中にいる貝が、夕日の光を反射して時々キラキラ光っている。光る貝は、全て【灰色ドシニア】と推測された。
「こんなにたくさんの【灰色ドシニア】と戦うのは無理じゃ! 勇者殿!! 逃げるしかないぞ!!」
「そうだな、じいさん!! みんな、逃げるぞ!!!!」
みんなで一斉に走り出した。
が、勇者だけ別方向に走っていた。
「待つんじゃ!! 勇者殿!!
山小屋の結界は、レベルの低い魔物しか弾いてくれん!!」
「高い所に逃げれば、波は追ってこないだろ!!」
みんなは川の方に逃げようとしているのに、勇者は一人、山小屋に逃げていく。
「ガイツ!? そっちに逃げるの?
待って、あたしも一緒に______」
「ガチャ」
勇者は山小屋に鍵をかけた。
「今からこっちに来るのは無理だ!
お前らは川の方へ逃げろ!!」
「え?
ガイツ! ガイツ!! あたしも______」
「エスメラルダさん、無理です!!」
「ワシらは川の方へ逃げるぞ!!」
今から山小屋に逃げるのは無理なので、そのまま川の方へ3人は逃げるしかなかった。
「ガイツ______!!」
「ザザザザザザザザザザザザッァァァァァァァ!」
【灰色ドシニア】が集団で作った波は、迷わず山小屋へと向かった。
勇者は二階の窓から様子を見ようとした。
しかし、山小屋の中にスライムがたくさん入り込んでいた。
「排水を伝って入って来たのか。
聖水撒いとけよ! ホント仕事できない雑用係だな!!」
スライムを蹴散らしながら階段へと向かう。
すると「ボワンボワン」と音をたてながら、スライムたちが集まりだした。
(そういえば、スライムって合体して【ユニオンスライム】になるな______)
______時間はかかりましたけど、一人で巨大なスライムを倒せました!
(なぜ、今、雑用係の言葉を思い出すんだ……?)
一人で【ユニオンスライム】の相手はできないので、勇者はとりあえず階段を駆け上がった。
二階の窓から外を見ると、【灰色ドシニア】が作り出す波がすぐそこにきていた。
「あれ? 波って、こんなに高くなるのか!?」
二階など、あっという間に飲み込みそうなぐらい大きな波だった。三階に行こうとするが、三階は雑用係が吹き飛ばしたので無い。
波はどんどん大きくなり、五階建てぐらいの高さになった。もしも、三階が残っていればとかいう問題ではない。
(もっともっと、高い所に逃げるべきだった!!)
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
勇者は【灰色ドシニア】の作り出す波にのまれてしまった。
「はぁぶぶぶぶぶぶぶぶぅ……ぐぅぼぉぁ、ぶぶぶぶぶぶぶ……ぶふぅお!!」
***
「なに!? アイビーを最前線に!?」
「お前、本当に父親か!?」
「領主になって、頭がおかしくなったのか!?」
【ガーゴイル】を迎え撃つ作戦会議は、村の広場で行われた。松明を設置して、みんなで地面に座ってる。
お祭りッポイ感じもしないでもない。
けど、マジメな会議。
そして、会議は難航していた。
みんながお父ちゃんの意見に反対している。
わたしが戦うのは良くないって言ってる。
わたし、強くなったのに……。
(今ごろ勇者さまは、町の宿屋で夜ごはんかな?
夜に魔物が来て危ないから三階を吹き飛ばしておいたし、山小屋にはいないよね?)




