↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
68/76

第63話 魔石の換金


「アイビーちゃんが、おらんようになったから水晶が危険を知らせとるんじゃ……」


「私達は、知らず知らずのうちにアイビーさんに守られていたのかもしれませんね」



 占い師とヒーラーの会話を聞いて、勇者はイライラした。

 赤く点滅する水晶を見ていると心が落ち着かず、さらにイライラした。



「雑用に守られるって、おかしな話あるか!

 町まで下りて、一級建築士に連絡だ。

 結界が直れば水晶も落ち着くに決まってるだろ?」



 今日中に直してもらうため、すぐに勇者パーティーは山を下りた。



「今、来た道と、白い防具……もしや!

 あなたさまは〔勇者さま〕ではありませんか!?」



 町に入って最初に出会った住人が、勇者を見て歓声をあげた。

 すると、どんどん町の住人が出てきて「勇者」「勇者」と、喜んだ。



「ははは。人気者がありすぎて困るなぁ」



 照れていると、住民の一人が妙なことを言った。






「聞きましたよ!

 マクラフィッシュを〔一突き〕だって!!」






 マクラフィッシュは、女性やこどもでも倒せる弱い魔物。

 それを〔一突き〕で倒すことのどこが凄いものかと、勇者はイラっとした。



「いや、誰でもできますよ?」



 嫌味を言われているのかと思いつつも、いちおう丁寧に答える。

 どう見ても、住民は心からの尊敬の眼差しを向けてきているからだ。



「ま~た、またぁ!

 一度に30匹のマクラフィッシュを〔一突き〕で倒すんでしょ?

 凡人にはマネできません」



 ヘラヘラと笑って、そんなことを言う町の住人。



「……え? 誰がそんなことを?」


「雑用係の子が言ってたそうですよ?

 “勇者さまはスゴイ”って」



(あんの野郎……適当なウソをつきやがって)



「【ブラック・アイベックス】や【ユニオンスライム】は、相手をする気にもなれないザコなんでしょ?」


「え? そんなこと言ってないが……?」


「ま~た、またぁ!!

 隠すことないですよ!

 よっ! 歴代最強勇者!!」



 その声に合わせて、拍手が沸き上がる。

 雑用係の変なウソのせいで足止めをくらったと、勇者は腹を立てた。



(なんだ!? この変な嫌がらせは!!)



「こんなに強い勇者さまなら、その雑用係が強いのも頷《うなず》けるってもんです。

 雷が落ちる剣を俺たちは見______」


「すみません、急いでるんで」



 住人の話をこれ以上聞く気にならず、勇者は人をかきわけ、この場をさった。


 後から国に請求するが、とりあえず一級建築士を雇うための一時的なお金を作るため換金所に行くと、また妙なことを言われた。



「これだけでよろしいんですか?」


「は?」



 ゴブリンの魔石10個をカウンターに出すと、そんなことを言われた。


 他にも、スライムなどの弱い魔物の魔石の他に、【灰色ドシニア】の魔石4個などもある。【灰色ドシニア】はダンジョンの下層の魔物なので、その魔石は貴重。「貴重な魔石が4個もある!!」と驚かれると思ったので意外だった。


 そして、店主は言った。



「近々、【ガーゴイル】が来るそうですね」






***



「これが、わたしの部屋……」



 お金を換金し終わって部屋に荷物を置きに行くと、絵にかいたような貴族令嬢の部屋で驚いた。


 ひらひらレースのついたカーテン。

 曲線を描く小さなテーブルと、椅子。

 立派なタンスにはドレスがいっぱい入っていた。



「うわぁ……お姫様になった気分」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。