↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
62/76

第57話 違い?

ポイント評価、ブックマーク登録、ありがとうございます!

おかげで、心を落ち着けて続きを書くことができます。

「どうしてここに!?」


「それはなぁ……そこの【漆黒《しっこく》の羽交《はが》い】がダンジョンから抜け出したからだ」


「クゥゥゥン」



 フェンは申し訳なさそうに下を向いた。

 威厳のある黒い大きな羽も、シュンっとなっている。



「魔王様の命で連れて来たのに、フロアボスの仕事を放り投げて逃げ出すとは……」


「クゥゥゥン……」



 フェンが大きな体のまま、わたしの後ろに隠《かく》れた。

 体を小さくするのを忘れてる。

 小さくなれば隠れられるのに。



「面白き娘と一緒にいるということは、何か甘いモノをもらったのか?

 食いしん坊め」


「ウォン……ウォンウォンウォン……」


「“だって、甘いモノ食べたくなったから” じゃない!

 ……こんなことになるから “甘いモノは必ず毎日やれ” と【キンタイ卿】に言ったのに……。

 まぁ、いい。

 勇者にダンジョン攻略されても、別にかまわないからな」


「そうなの?」



 攻略されると、魔族は困るんだと思ってた。

 だからフェンを連れて来たんじゃないの?

 問題ないの?



「ダンジョンは、いったい何なのか考えたことはあるかな?

 〔魔物〕と〔魔獣〕と〔魔族〕の違いは?」



 聞かれて言葉に詰まった。

 そう言われると、ちょっとよくわかんない。

 何となくで使い分けてた。



「ダンジョンは魔物の巣じゃないの?」


「森や川に住み着いている魔物もいるだろう?」



 確かに、そうだよね。

 ん~。

 ダンジョンって何だろう?



「まずは、〔魔物〕について説明しよう。

 この世界には、瘴気が溜まった所がいくつも存在する。

 すると、瘴気をあび続けた〔ある種の石〕が魔力を持ち、〔魔物〕になる」



 知らなかった。

 〔魔物〕って瘴気をあびた石から生まれるんだね。


 あ!

 だからなの?


 マクラフィッシュの魔石を回収しなかったら、しばらくして、また復活してた!



「〔魔物〕は瘴気をため続けると、進化するか繁殖するかして、体内の瘴気を一定に保とうとする。

 進化し続けて、普通の魔物より格段に強くなった者を〔魔獣〕と呼ぶ」


「じゃあ、〔魔族〕は?」


「誇り高き存在。

 〔魔物〕や〔魔獣〕は体内の瘴気のせいで、破壊衝動が抑えられず目に入った生き物を攻撃する。

 〔魔族〕は、瘴気を凌駕《りょうが》した者だ。

 破壊衝動に振り回されず、他者と会話し、協力することができる。

 ちなみに、【漆黒《しっこく》の羽交《はが》い】のは協力じゃない。寄生だ」


「ウォンウォンウォン」


「“違う違う” と言っても、そうだぞ?

 お前は自分の欲望のために〔面白き娘〕を利用しているだけだ」



(フェンは【テンジン卿】とも仲が良いんだなぁ)



 ほのぼのと二人のやりとりを眺めていると、【テンジン卿】が言った。



「【漆黒の羽交い】は特に稀《まれ》なケースだ。

 こいつは限りなく〔魔族〕に近い〔魔獣〕。

 全ての〔魔獣〕がコミュニケーションをとれるわけではないから、気をつけるんだぞ?」


「はい」



 それから【テンジン卿】は、一呼吸おいて説明を続けた。

 


「〔ダンジョン〕とは、〔魔物〕を閉じ込めるためのものだ。

 我々〔魔族〕は、〔人間〕〔エルフ〕〔ドワーフ〕など、他の種族との共存を望んでいる。

 それぞれの文化を評価しているのだ。

 〔魔物〕をほったらかしにしていると、絶滅する種族が出てくるかもしれない」


「ダンジョンって、わたしたちのためのものだったの!?」


「あぁ。

 だから、倒せるなら、中の魔物を倒せばいい。

 だが、あまり潜ると危険だからな。

 諦めさせるため、【漆黒の羽交い】みたいなのを置いて警告がわりにしている」



 何か思い出したのか、【テンジン卿】がため息をついた。



「そもそもが、人間がこの説明を聞けば、無茶なダンジョン攻略をしなくてすむのにな。

 先々代のチグマ王国の王の娘が〔魔物〕に食われたから、これっぽっちも話を聞きやしない。

 他の大陸の【竜王】や【医王《いおう》】は人間とうまくやっているから、我らが【魔王】がバカにされてしまう。

 マシロ王国やマヤカ王国、ゴウ王国などは、外交ができるんだがなぁ……」



 家族を失ったら、〔魔物〕と〔魔族〕は違うと言われても、なかなか受け入れられないよね。

 ウソつかれているのかなって、思っちゃう。

 きっと、わたしもそうだと思う。



「そうだ、〔魔物〕に食われたで思い出した。

 面白き娘。ペラルゴニウム村を知ってるいるか?」



 とつぜん、【テンジン卿】が、わたしの住む村の名前をあげた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。