表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
60/62

第55話 アムールさんとお別れです


「パパン!! ママン!!」



 夕方、ゴブリン行軍を倒した勇者さまたちが、隣町に避難したわたしたちを迎えに来た。

 傷だらけのアムールさんは、両親と感動の再会だ。



「アイビーちゃん。

 あたしの両親を隣町まで連れて来てくれて、ありがとねぇん♡」



 両親に抱きついていたアムールさんが、今度はわたしに抱きついてきた。

 いや、抱きしめられて足が浮いたので、抱っこされたと言うべきかな?

 さすが〔武闘家〕、筋力があるなぁ。



 少し離れた所に立っていた勇者さまが「ただ、連れて来ただけだぜ? 大げさだな」と、ボソッと言うと、一緒に避難したおじいちゃんおばあちゃんたちが「お嬢ちゃんは、がんばってくれた」と言ってくれた。



「ワシらの方にもゴブリンが現れたんじゃ!」

「お嬢ちゃんが、がんばってくれた」

「しかも、連れとる犬には翼がある」

「神獣じゃ」

「みんなで、神の光を見た」


「あ~、わかった。わかった。

 そっちにもゴブリンが出たのか」



 大興奮で話すおじいちゃんおばあちゃん。

 次々に話すから、勇者さまは対処するのがめんどくさいみたい。


 勇者さまたちが頑張ったので、アムールさんの実家のある町は無傷ですんだ。

 でも、早くに避難した人の半分以上が【ホブゴブリン】たちに殺されたので、町の若者が減った。


 わたしたちは生き残った数名の若者と合流し、みんなで町に引き返した。



「復旧作業は王宮からの使者が行う予定だ。

 俺たちはダンジョン攻略を急がねばならないから、これで失礼する」


「ねぇ……勇者さま……あたし、ここに残るわ。

 若者が激減した町に、パパンとママンを置いてけない。

 また、魔物が来ないか心配なの」


「そうだな。

 アムールはここに残るといい」


「え!? ガイツ、良いの!?

 せっかくの王宮からの新メンバーなのに、お別れするの?」


「いいんだ。エスメラルダ。

 ゴブリンは絶滅させたが、家族を心配する気持ちもわかる」


「うわぁん!

 ありがとう!! 勇者さま♡」



 わたしたちはアムールさんを町に残して、ダンジョン攻略の拠点となる山小屋に戻った。

 帰りは占い師のジージエおじいさんの魔法陣が使えるので、とても楽だった。



 山小屋に戻ると、勇者さまは食堂の椅子に「ドカッ」と勢いよく座った。

 そうとうお疲れなんだね。



「あ~、疲れた!

 翼の模様が入ってるだけで〔神獣〕と呼ばれるなんて、めでたい犬だな」



 よく見れば、勇者さまも服が破れている所があった。

 激しい闘いだったに違いない。

 やっぱ、ゴブリンの本体は多かったよね。



(そうだ、魔石!! 戦いの後は、山分けだ)



 わたしはズボンの左右のポケットに手を入れた。



「勇者さま!

 わたしとフェンが倒した魔石____」


「そっちもゴブリン出たんだったな。

 俺らより、ずいぶん早く隣町に避難できたということは、そんなにかずいなかったんだろ?

 その、ポケットの中の魔石一個が、お前の取り分だ」


「いえ、敵は一匹ではありませんでした」


「雑用係のレベルで、何匹も倒せるわけが……そういえば……途中、雷が鳴ってたな。

 それが、たまたまゴブリンに落ちたのか。

 ラッキーだったな。部屋に帰れ」



 ゴブリンの魔石40個を出そうとしたら、勇者さまに食堂から追い出されてしまった。



(……もらって良いの?)



 振り向くと、占い師のジージエおじいさんさんが笑顔で顎を「クイクイ」と動かして、「早く部屋に戻ればいい」と合図してくれたので、素直に部屋に戻った。






「___せっかくアムールがいなくなったのに、雑用にも分けたら取り分が減るじゃねぇか」

「___あぁ、それで武闘家が残るのをあっさり許可したのね?

 ガイツったら、相変わらず頭の回転が速いのね」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ