表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
59/61

第54話 ゴブリンのボス


「ゴブリンは合体なんかせん!」

「ありゃ【ホブゴブリン】じゃ!!」

「ゴブリンより、めちゃくちゃ強いぞ」

「わしらも、若いもんと一緒に早よ逃げときゃよかった」

「ここで死ぬんかのう……」




 あちこちの草むらの中から、おじいちゃんおばあちゃんの声が聞こえた。

 りになって隠れても、アドバイスをくれる良い人たち。

 そして、おじいちゃんおばあちゃんが、何かに気付いた。




「あのベスト……パン屋のお兄ちゃんの服じゃ」

「奥さんに刺繍してもらったと、言っとったな」

「首飾りは冒険者の兄ちゃんがつけっとたもんじゃないかの?」

「南の方の街のデザインじゃと説明してくれたのぅ……」

「まさか……あいつら……」






「「「「「待ち伏せして、先に避難した住民を殺しとる!!!!」」」」」






 悲鳴に近い声で「もういい」「もういい」「逃げよう」という叫び声でいっぱいになった。

 それを聞いて笑顔になる【ホブゴブリン】。

 恐怖をあおるために、襲った町の人のモノを身に着けてるんだわ。

 なんて性格の悪いヤツなの!!



「危ないから、その場から動かないでください!!」



 武器を持つ魔物と戦うのは初めてだから緊張するけど……不思議と負ける気はしない。

 マシロ王国の王妃様が呼び出した【巨大な黒い牛】の方が怖かった。



「身体強化!」



 わたしは〔身体強化〕の魔法を唱えたあと、【ホブゴブリン】に向かってび上がった。

 そして、跳んだ勢いを利用しながら、腰につけた〔シーガルスホルムの剣〕を引き抜いて切りかかる。


 すると、割れんばかりの雷鳴が轟いて〔シーガルスホルムの剣〕に雷が落ちてきた。

 



(これを、そのまま叩き込む!!)




 雷が暴れるように落ちて来たので、重さがあるように錯覚さっかくしながら、【ホブゴブリン】の頭に剣を振り下ろした。

 こん棒で防御されても、構わない。

 それなら、こん棒に叩き込むだけ!!




「ぎゃぁっわわわわわわ、わわわわわわわわわ!!!!!」




 雷が【ホブゴブリン】の体を駆け巡る。

 ガクガクと大きな体が揺れたあと、【ホブゴブリン】は黒焦げになって倒れた。

 後には、濁った緑色の魔石が転がっていた。






「「「「「ふぅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」




「お嬢ちゃん! 強いのう!!」

「ワシは今、神の奇跡を見たぁ!!」

「さすが勇者パーティーのメンバーじゃ!!」

「一人でワシらの護衛を任されるわけじゃ!!」

「ありがたや、ありがたや……」



 おじいちゃんおばあちゃんが、草むらから出てきて喜んだ。

 待って!

 まだ普通のゴブリンを全て倒してない……と思ったら、フェンが全て魔石に変えてコロコロ転がして遊びながらかき集めてた。


 目が合うと、フェンは得意そうに走ってきてシッポをふった。

 どうやら、ほめて欲しいみたい。


 ええ、ほめます! ほめますとも!!

 わたし一人じゃ、おじいちゃんおばあちゃんを守りながら戦うのは無理だもの。



「ありがとうフェン!!」


「ウォン!!」



 フェンの首に抱きついてほめると、フェンは抱っこしやすいぐらい小さくなった。



「神獣じゃ! 神獣じゃ!」

「ほうじゃのぅ」

「翼が生えとったもんのぅ」

「初めて見たわい」

「ありがたや、ありがたや……」



 みんながフェンを〔神獣〕だとおがみ始めた。


 いえいえ。

 黒い翼をしているでしょう?

 本当は、〔神獣〕じゃなくて【魔獣】です。

 魔王に仕える【漆黒しっこく羽交はがいフェンリル】って名前だそうです。


 と、心に思いつつ、なんか言うに言えなかった。






___________________


 【ホブゴブリン】 

  HP  10000    攻撃力 3209

  MP 1198     防御力 746


___________________

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ