【勇者と、勇者パーティーのステータス】
「――――ちょっと、今のキツかったんじゃない?」
魔法使いのエスメラルダが、耳打ちしてきた。
雑用係に「分け前は無い」と言ったことを心配しているようだ。
「――――ほら、下を向いちゃって可哀そうよ」
「今日一日かけて、桶四杯しか水を汲んでない奴だぞ?
俺たちが命がけで手に入れた魔石や財宝を、雑用係にも分ける必要なんてねぇよ」
マクラフィッシュと戦った?
アレは、こどもでも倒せる魔物だぞ?
そんな弱いモンスターの、一匹や二匹で手こずるなってんだ。女だから仕方がないのか?
これだからガキを雇うのは嫌だったんだ。
田舎には、じいさんと、ばあさんしかいない。
応募してきたのは、八十のばあさんと、あのガキだけ。
もういっそのこと雑用係はいなくてもいいかと思ったら、パーティーメンバーのじいさんが「この子を雇うと、運気が良くなる」とか言うから、運気アップのために雇った。
占い師のジージエじいさんの予言は、よく当たる。
じゃなきゃ、あんな夢見がちなガキ雇わないぜ。
「はい! 勇者さま!!
明日は、もっとがんばります!!」
健気な姿で同情を引こうとしても無駄だ。
俺は上っ面だけのヤツが大嫌いだ。
「あぁ、がんばれ。
俺も駆け出しのころは苦労したものさ」
冒険を始めたころは、本当に苦労した。
年上の冒険者に、理不尽に怒鳴られたものだ。
――――ガイツ! 気がきかねぇな!!
パーティーのリーダーに、いつも怯えてたなぁ。
でも、そういうイヤなヤツほど強かったりするから、必死に戦う技術を盗んだ。
そう簡単に、分け前がもらえると思うなよ。
俺は、大人をなめ腐ったガキが大嫌いだ。
ま、俺は優しいから、初日から怒鳴ったりしない。
しっかし……今日は一日目ですることなかったんだから、風呂が沸かせるぐらい水を汲む根性を見せてくれても良かったのになぁ。
最近の若いヤツは、根性がねぇな。
まともに働けるようになるまで、報酬はなしだぜ!!
本当は、王宮から雑用係を雇うお金をもらっている。
だが、こいつは怠け者の可能性がある。
すぐに報酬を渡すわけにはいかない。
若いうちに根性を叩き直してやらないと、ろくでもない大人になっちまう。
ヤレヤレ。
ダンジョン攻略だけじゃなく、人材育成までしなきゃならねぇのか。疲れるな。
一級建築士のコテージを用意してもらえて、本当に良かった。弱い雑用係でも、安心して留守番させられる。
ま、あいつは水汲みより、アイテムの補充のために近くの町まで走る方が重要だからな。
まだ、プリプリ怒らないぜ。
――ステータス(勇者パーティー)――
ガイツ(22歳) Lv83
HP 4233 攻撃力 3820
MP 249 防御力 171
【職業 勇者】 〔特技 正義の光〕
エスメラルダ(20歳) Lv75
HP 1825 攻撃力 146
MP 2250 防御力 41
【職業 魔法使い】 〔特技 風の刃〕
フィリア(18歳) Lv71
HP 1725 攻撃力 138
MP 2130 防御力 39
【職業 ヒーラー】 〔特技 急いで治す〕
ジージエ(72歳) Lv78
HP 3600 攻撃力 288
MP 117 防御力 83
【職業 占い師】 〔特技 占い〕
アイビー(14歳) Lv6→8
HP 300→400 攻撃力 24→32
MP 10→12 防御力 11→13
【職業 雑用係】 〔特技 切る〕




