第44話 新しい魔法
「牛!
私が苦労して呼び出した【アッフェクトゥス・オーロックス】を〔牛〕呼ばわりするか!!」
「ふんっ!!
何度でも言ってやるんだから!
牛、牛、牛、牛、牛、牛、牛、牛、牛、牛、牛、牛、牛、牛、牛、牛、牛、牛…………」
「きぃぃ!
アッフェクトゥス・オーロックス、アッフェクトゥス・オーロックス、アッフェクトゥス・オーロックス、アッフェクトゥス・オーロックス、アッフェクトゥス・オーロックス!!」
今も、フェンとミクマリ卿が【アッフェクトゥス・オーロックス】と戦っているのが、ここからも見える。
「全身濡れネズミの小娘なんかに【アッフェクトゥス・オーロックス】が倒せるものか!」
いいや。
出来る。
王妃様はそう言うけど、今ならやれそうな気がする。
濡れてるドレスも靴も重いし、いつの間にか右手の〔グンラウグの剣〕は無くなっているけれど、なぜだか自信が溢れてくる。
言葉が浮かんでくる。
「正義の星屑!!」
すると、空からたくさんの星屑が降ってきて、次々と【アッフェクトゥス・オーロックス】の体にめりこんだ。
「ブモォォォォォォォォォォォォォォォォ!
ブフォッ、ブフォッ、ブフォォォォォォォォォォォォォ!!」
効いているみたい。
「おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!
わしらにも当たるじゃろう!!」
「ウォン、ウォウォウォン!」
「いや、そりゃ、わしらなら確かによけれるがの?
とつぜん強力な魔法を使うのは危なかろうよ?」
【ミクマリ卿】が何か言ってるみたい。
ここからじゃ、よく聞こえない。
(わたしも、早くあそこに!!)
少しでも体を軽くするため、おじいさんからもらった〔金色の靴〕を脱いで駆けだした。
「ん?
あの小娘の履いていた靴……。
もしかして、前に国王がジージエに褒美として渡した〔純金の靴〕!!
バカな小娘ね。
こんな貴重なものを脱ぎ捨てるなんて……って、あれ!?
…………お、重っ!! びくともしない!
こんなものを履いていたの!?
それに、さっきの魔法……。
________あの小娘……本当に、やるかもしれない」
王妃様が、わたしが脱ぎ捨てた金色の靴を拾うとしている気配を後ろに感じたけど、前だけ見て走った。
拾いたいなら拾うがいい。
占い師のおじいさんにもらったものだけど、人の命には代えられない。
おじいさんだって、きっとわかってくれる。
「おぉ! 小娘! 帰ってきたか!!」
【ミクマリ卿】が戦いながら、わたしを迎えてくれた。
「でかしたぞ、小娘!
お主のおかげで【アッフェクトゥス・オーロックス】が、戦意を失ってきとる!!」
「え?」
王妃様を気絶させるのに失敗したのに、褒められた。
「見ろ!
さっきまでの憎悪がなくなっとるじゃろ?
今ならやれる!!」
そう言って、空高く飛び、右手の握りこぶしを「グ~」っと振り上げ【アッフェクトゥス・オーロックス】の左頬に、めり込ませた。
倒れこむ【アッフェクトゥス・オーロックス】。
どうやら目を回したみたい。
(そっか。
王妃様の激しい憎悪がやわらぐなら、気絶させられなくても良かったんだ)
まだ魔石に変わらないので、わたしも前に出る。
「ミクマリ卿! わたしもやるわ!!」
「よし!
やれぇい、小娘!!」
わたしは、右手に握りしめていた木の枝を高く振り上げた。
「ライト!!」
呪文を叫ぶと、空から〔光の柱〕が降りてきて【アッフェクトゥス・オーロックス】をてらし、核の場所が見えた。
(額に核があったのね)
〔光の柱〕は細くなり、【アッフェクトゥス・オーロックス】の核を刺した。
巨大な体は小さな魔石に変わり、「コロンッ」と転がった。
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アイビー(14歳) Lv74→Lv91
HP 3709→4550 攻撃力 596→864
MP 111→236 防御力 79→96
【職業 雑用係】 〔特技 正義の星屑〕
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