[惨状・参上]
「あぶねぇ!」
ライルは空高く舞い上がっている。
バーチャリアリティーには「ジャンプアップ」と移されていた。
ギリギリの所でセットできたのだろう。
「覚醒アプリ無いけどこれでもまだ行けるぞ...」
ライルは強く地面に着地した。
辺りに埃が舞い上がる。
急いでライルは辺りを見渡す。
が、それは地獄絵図だった。
「う...うぅ...」
マンションの瓦礫があちらこちらに飛び散っている。
瓦礫には血や肉片...
マンションの切れ端には腕や足があった。
ライルの目に映ったものは全部"子供"のものである。
ライルは固まる。
だがその後ろで何か音が聞こえた。
「582394...」
数字列か意味深な言葉だ。
瓦礫から這い上がってきた。
身長は成人男性2人分くらい。
見た目は人みたいな姿をしている。
顔は大砲のようなものに変形している。
片目には傷があり、手にはどちらにも銃がある。
まるでガンマンのような容姿だ。
「あいつ...」
「1111111115555555」
ガンマンはサッと迷いなく目の前のライルに銃口を向けた。
ライルは目を大きく開けて構える。
「撃って来いよ!」
「4444444!」
ガンマンは叫んだ。
すると肉片のような枝のようなものが銃口に巻き付いていく。
まるで植物の成長のように。
ガンマンは思いっきり引き金を引いた。
「はぁ!」
だが、それと同時にライルも高く舞い上がった。
ライルが飛んだ位置は銃弾で破壊される。
ガンマンは片手のマシンガンを取り出した。
「あ...あいつ」
ライルは急いでバーチャリアリティーを起動しアプリ一覧を開く。
ガンマンは標準を合わせて引き金に触れる。
「二兆拳銃なんてセコイ野郎が!」
ライルの目には「Zero gravity」の文字が映る。
ライルはそれをタッチした。
ガンマンも負けずに引き金を引いた。
銃弾が雨のようにライル目掛けて飛んでくる。
連続してフラッシュのように光る。
ライルは無重力に空を飛行する。
そしてどんどんガンマンへと近づいて行く。
「うぉおお...!」
体を捻り幽霊のように空を舞う。
ライルの手に力が入り、筋肉は膨張した。
「おらぁ!」
やがて手がガンマンの顔に当たり、ライルは力を込めて思いっきり拳をぶち当てた。
スローモーションで血が飛び散る。
ライルは地面に華麗に着地する。
「どうだよ...効いたか?!」
ガンマンはよろめきながらもギロリとライルを睨みつけた。
「222...」
片手をライルに向けて差し出し、腕を変形させる。
「!!」
腕はみるみる変わりやがて巨大な大砲に変化した。
ライルも急いでアプリをセットする。
大砲には肉片がどんどん集まってくる。
「くそ...流石に倒れなーー...
バァン!!
ライルは爆風で飛ばされてしまった。
背中は瓦礫に当たりライルは痛みに耐える。
「いてぇ...油断しすぎんなよ馬鹿が...って...」
巨大な影がこちらに向かって飛んできている。
だんだん大きくなり、ライルは手で体を守った。
「うわぁ!」
強い風が吹く。
ガンマンはこちらへと大ジャンプをして来たのだ。
「77535!」
ライルは完全に押し倒されてしまった。
「くそ!離せぇ!」
ガンマンは片手を出してまたエネルギーをため始めた。
「ちくしょうちくしょう!」
ライルは急いでアプリ一覧をいじる。
エネルギーの光は次第に大きくなっていく。
「108573...」
やがてエネルギーの光の大きさは最高潮まで達した。
「ヤバい!」
肉片が細かく動く。
地面は物凄い勢いで破壊され、辺りは真っ白になる。
だがライルは首を曲げて危機一髪逃れていた。
「ふん!」
ライルは逆に爆風を生かし、ガンマンの腹へと蹴りをお見舞いした。
ガンマンは強く吹っ飛ばされる。
ライルは「ジャンプアップ」を再度選び構わずガンマンを追いかけた。
「まだ終わってないぜ...っとぉ!」
空中に高く舞い、ガンマンの元へ飛ぶ。
風が気持ちよく感じ、ガンマンの元へたどり着いた。
ライルは足を引っ込め、力を込めた。
「ああああああ!」
声を荒げて足を思いっきり前に出した!
ガンマンの腹にクリーンヒットする。
「333333333333!!」
腹の肉片はプチプチと潰れて汁がライルへとかかってきた。
腹は思いっきりへこみ、内臓の音が外まで聞こえる。
ガンマンは地面に着くと同時に瓦礫の中で倒れこんだ。
「2...」
「弱かったな...こんな被害を出しながら...」
そう言いながらライルはとどめを刺そうと「パワーアップ」を探す。
ガンマンは苦しそうに藻搔いている。
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「被害はどうなっている...」
ウェイドは険しい顔で職員に聞いた。
「今の所近くのマンションが壊されているくらいです...現場にはライル様がいる模様で...」
「ライルか...カメラを見せてくれ」
ウェイドが言うと職員はパソコンのマウスを動かしてクリックした。
クリックすると荒い画質とともに現場の映像が出てきた。
映像にはバーチャリアリティーを操作しているライルと倒れているガンマンが映っている。
「ライルがその場に?」
後ろから声が聞こえた。
ラッチだ。
ラッチはウェイドと職員の間から顔を出しカメラを見た。
その瞬間顔を大きく曲げた。
「バーチャのアプリで戦闘を...?!」
ウェイドはライルをにらむように見つめる。
ラッチは叫んだ。
「あのバカ...!!」
「覚醒アプリはどうしたんだ...」
ウェイドは冷たい声でラッチに聞いた。
ラッチは頭を抱える。
「バーチャリアリティーに内蔵されてなかったというのか...?」
「...クソ...!」
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[VIOLENCE POWER]
と移された画面をライルはタップした。
全身に赤いオーラが身にまとう。
ライルはガンマンに近づいて行き拳を振り上げた。
そして、腹を狙って思いっきり拳をおろした!
「おらぁ!」
パリン!
バーチャリアリティーから煙が出てきた。
赤いオーラも消えてライルは立ち尽くしてしまう。
「は...?!」
ライルは急いで画面を確認した。
[ENERGY0%]
「...くそ!」
充電切れ。
バーチャリアリティーは便利なものだがアプリを多用しすぎるとすぐ充電切れになる。
昔のケイタイと同じように。
「なんでこんな時に...」
ライルの後ろでゆっくりと立ち上がる音が聞こえる。
同時にカチャカチャとなるリロード音も。
「あ...あ...」
ゆっくりとライルは後ろを向いた。
後ろにはガンマンがゆっくりとショットガンの弾を装填していた。
力強く。
ライルの顔は真っ蒼になった。
そしてガンマンは銃口をライルに向ける。
「9999995555588844...!!」
ライルは目をつぶった...
銃声が鳴り響いた。
ガンマンは引き金を引いた。
その前を...光の速さで駆け抜けた何かがいた。
ライルは少し離れた場所にいつのまにかいた。
目を開けるとそこには一人のデカい男が。
「ん...?」
ガンマンはゆっくりと男を見つめる。
「...大丈夫か?」
男はそう言うと前へ進んでいった。
奥から2人が同時で出てくる。
「ひぃい...こいつ見た目が...ひぃい!」
「こんな場所でビクビクするんじゃねぇ!うるせえんだよぉ!せっかくの最強3人組参上なのによぉ!」
ライルはポカーンと口を開けてみていた。
そしてデカい男...ヘイドは口を開けた。
「さっさと片づけるぞ...」
「739272...?」
ガンマンは銃口を3人へと向けた。
ヘイドはガンマンを睨みながら言い放つのであった。
「ここからは俺らのターンだ!」




