[妹]
「まぁ気を落とすなって...」
ラッチはライルの肩をやさしく叩く。
ライルは下を向いて猫背で街中を歩いている。
「ウェイドさんも今はお前を信用しているって言ってただろ」
「...」
ライルは目を細めながらしみじみと頭を動かした。
「...僕がショックなのは今まで信用されてなかったことだよ...父も殺されて一生懸命戦って散々悩んで...組織のためにいたのに全部信用されてなかったとはね...」
ラッチはライルが言う言葉を全部深く考えてうなずく。
ラッチの口元は曲がり、少し下を向く。
この様子からもきっとラッチも信用はあまりしていなかっただろう。
「でもその一生懸命頑張った行動でお前は今信用されてんだって...な?」
ライルは深くため息をついてまた黙り込んでしまった。
ラッチは少しライルの様子をうかがい、咄嗟に言う。
「そうだ。今度俺んちこいよ」
「はい?」
思わず顔を上げて眉を潜める。
「今度じゃなくて今日だな。今から」
「急すぎません??」
ライルは更に訳が分からなくなった。
ラッチの突発的な行動に追いついていけなくなっている。
「前ライルの家で雨宿りさせてもらったじゃん。お返しとして。大丈夫だよ。お前と同い年(元気づけるための嘘)の妹もいるし、ちょっと下の弟もいる。仲良くできるよ」
「急ですし流石に...」
「いいよ!!!!」
何とも言えない表情になっている。
ドアの前には2人の姿がある。
ラッチとライルだ。
ラッチは指でインターホンを鳴らし、横にいるライルを向いた。
「大丈夫だって硬くなんなよ。妹可愛いぜ?」
「そういう問題じゃ...」
[はーい...あ、お兄ちゃん]
インターホンからは一人の女性の声が聞こえる。
女性の声は可愛らしく、子犬のような声と大人の声が混ざったようだ。
「あー"ナイリー"、開けてくれ。何で鍵閉まってるんだ??」
[防犯よ。政府が発表していたでしょ?なんか行方不明者続出って。今行くね]
インターホンは切れた。
ドア越しに足音が近づいてい来るのが分かる。
(可愛い...同い年...)
ラッチが言った言葉に少しライルはドキドキしている。
「あー...名前はナイリーだ。仲良くしてくれよ。というかそのまま結婚してくれ」
「はぁーーーーー???!!」
思わず大きい声をあげてしまった。
ライルの顔は真っ赤になる。
「あんたはいつも話が!!急なんですよ!!」
「照れんなって。別に結婚してもいいし付き合ってもいい。仲悪くはするなよ?あいつ喧嘩強いから」
ドアノブが音を立てた。
ライルは驚いて少し後ろへ下がった。
ドアがゆっくりと開いた。
ドアと壁の間はどんどん広がっていく。
中からは身長が中くらいの女性が出てきた。
年齢を考えると少女とは言えないが...
控えめな服を着て、下はスカートを履いている。
顔は小さく、どこか可愛らしい。
目は輝き、唇は日光に当たり明るく見える。
体系は細く、足も少し長い。
「え...と...」
ナイリーとライルは目が合った。
ライルは少し顔を赤くする。
ナイリーの輝いている目がライルをじっと見つめている。
日差しは強くなり、光が2人を照らした。




