[かくれんぼ]
「qqqqqqqq...」
ヘビ...いや、ブランヴァンサー。
胴体は固い鉄のような皮膚でおおわれている。
胴体は細長く、まるで前述しているヘビのようだ。
目は一つ。大きくて丸い目。
声は機械音と生き物の死にかけの声が混ざったような音色だ。
ブランヴァンサーは辺りを見渡している。
「qrrrrrrqqqqq...」
メンバーらはそっと後ろに沿って音を立てないように動く。
つばを飲み込む音、荒い息の音、汗のにおい。
一つ一つの要素が緊張感を高めていた。
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「ブランヴァンサー本体の事だが...不明な点がいくつも多い」
ウェイドが周りに対してプレゼンをしている。
ビル潜入前...話を聞いているときの事である。
「まず、寄生した場合、ブランヴァンサーに弱点がある場合に本体も同じ弱点かということだ...ややこしいな。だから、弱点は寄生した後と本体が共通しているかということだ。弱点が無かった場合はこれは論外だが、共通しているのと共通していないのじゃあかなり違う」
指を動かしながらウェイドは机の周りをグルグル歩き続けている。
「共通していたら簡単に殺せるが共通していない場合はもう一度弱点を探さないといけない。それに今回は寄生虫だ。弱点探しと相性が悪い。弱点は戦っている際に自然と出てくるものだが、今回だと戦うと100%寄生される。ブランヴァンサーに寄生された奴は死ぬぞ」
皆の顔は分かりやすく変化した。
「そしてもう一つ...寄生する際にどうターゲットを見るかだ。目に映ったものしか追わないのか、音で反応するのか...そしたら目の意味はないがな。それか両方か...耳が無い場合だってある」
「一番良いのは"身を潜めながらブランヴァンサーを殺す"ことだ。」
ウェイドは机を叩く。
それは彼ら...ハンターたちにそれを願っているのだろうか。
「寄生されたら終わり、目に映ったら終わり。常に身を潜めていろ。わかったか...」
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リーダーは大量の汗をかいて思い出していた。
手が震え、体が思うように動けない。
そして力を振り絞り、最小限の声で皆に伝える。
「隠れていろ...それぞれバラけて隠れるんだ...近くに来たらバレないように移動し、隙を見つけて攻撃するんだ...ウェイドが言っていたことを思い出せ...」
「rrrrrrrr...qqqqq」
ブランヴァンサーは辺りを見終わるとサッと前を向いた。
前は静かで誰もいなかった。
ブランヴァンサーは目元の光を輝かせながらオフィスの方へと動いていく。
そして怪しむように辺りをキョロキョロと見回す。
「q.q.q.qqqqq...」
「qqqqqqq...rrqqrqeee...」
声が近くまで聞こえている。
思わず恐怖と緊張で震え、今にも泣きだしそうになっているのはライルだ。
デスクの裏に隠れこみ、そっといつでも動けるように座り込んでいる。
ラッチは反対側の瓦礫とデスクの間に潜んでいる。
目を大きくし、息をはぁはぁと吐きながら座り込んでいた。
アドナスは細目に移動しながらデスク周りを動いている。ライルの方に近いデスク。
リーダーは瓦礫で移動できる範囲を。ライルの所からラッチの所へ行く間の瓦礫だ。
ガイアンはデスク裏にいる。アドナスが動いているデスクの隣だ。
ブランヴァンサーは曲がり角で曲がり、ライルから遠ざかっていく。
逆にラッチの方向へと近づいて行っている。
「rrrrrrrr」
動きはだいぶ遅く、その分恐怖は高まっていく一方だ。
リーダーの近くに音は迫ってくる。
「はぁ...はぁ...」
リーダーは息をずっと吐く。
「qqqqqq...rrrr??」
間に来て丁度また辺りを見回し始めた。
[----weucmeraah----]
ブランヴァンサーの視点の上に文字が出てきている。
"温度を検出"...リーダーの息の事だろう。
「はぁ...はぁ...」
リーダーは間近にいるブランヴァンサーが怖くてたまらない。
ブランヴァンサーは辺りを探すようにずっとキョロキョロする。
「rrrr???」
そして目線は瓦礫の所へ行った。
「...qqqqqqq...」
何か言いそうにじっと瓦礫を見つめている。
[----weucmeraah----]
出てくると再度辺りを見渡し始めた。
ライルはデスクから少しだけ顔を出し、ブランヴァンサーの方を見る。
恐る恐るとみると、リーダーの間近にいた。
「...!!」
(リーダー!)
リーダーは思いっきり口に手を当てて黙り込んだ。
息が吸えなくて苦しそうだ...
「qqq...」
ブランヴァンサーは辺りを見渡し、また瓦礫の方へと視点を戻していく。
回って回って、やっと瓦礫の方を見つめる。
[----ghruaiaurr----]
ブランヴァンサーはじっと見つめると再度、ラッチの方へとまた動き出した。
リーダーはそっと口から手を離し、ほっとしたように表情を変えた。
ライルも安心し、そっと顔を戻した。
汗がびっしょりで、手を下の方に戻す。
手の元には小さな瓦礫があった。
ドン!
(あ...!!!!)
手汗で瓦礫は手元から離れ、地面に手の手根部分が激しく付いてしまった。
地面を通して音が鳴り、瓦礫の音とも相まって響き渡る。
ライルは驚いて口を開けてしまう。
そしてブランヴァンサーもライルの方を見つめる。
方向転換し、急いでライルの元へと進んでいく!
(ちくしょうちくしょう!)
ブランヴァンサーはゆっくりとライルの方へと進んでいく
「qqqqqqq!!qq...」
(どうする...!)
ブランヴァンサーは、もうデスクに近づいていた...
(どうする!!)




