99話 ある掲示板とそれぞれの思惑
【星空】総合スレ <星空!今度はレミリアちゃんの国を救う!>
1:探索の名無しさん
いや~!凄かった。今回もマジで凄かったな!
2:探索の名無しさん
分かる。 もうね。色々あり過ぎて話題に事欠かないわw
3:探索の名無しさん
ホントホント。俺学生だけど、学校行くとその話題ばっかり。
4:探索の名無しさん
俺は社会人だけど、社内でも取引先に行っても、その話題しかないなw
5:探索の名無しさん
>>3・4
当然だろ。異世界探索だぞ? 今、日本だけじゃなくて世界中で観られているライブ動画だ。
6:探索の名無しさん
一年間休職したり、休学しているガチ勢も結構いるみたいだからなw
7:探索の名無しさん
今回はレミリアちゃんだったな!久しぶりに見たけど、やっぱり可愛いな!
8:探索の名無しさん
>>7
それな。エルフは美人っていうイメージが俺達にはあるけど、魚人はモンスターのイメージしかなかったから、ギャップ萌えが凄かったw
9:探索の名無しさん
魚人も結構可愛い子いたよな。
10:探索の名無しさん
いたいた。結構魚人もレベルが高いよな! 考えが変わったわw
11:探索の名無しさん
何か、テルミちゃんロスと、レミリアちゃんロスが、結構話題になっているみたいだぞ?w
12:探索の名無しさん
あ~。そうみたいだなw テレビやネットで話題になってたわw
13:探索の名無しさん
リアルエルフの王女とリアル魚人族の王女だぞ!そりゃ注目度高いだろ。
14:探索の名無しさん
だよなw でも、今回も良かったな。レミリアちゃん達助かってさ。
15:探索の名無しさん
>>14
まさかの『シーファン』国の裏切り。あれにはビックリしたわw
16:探索の名無しさん
そして【星空】が【司る者】を呼んで・・・・・・・・あれには度肝抜かれたw
17:探索の名無しさん
あんな巨大津波。映画でしか観た事ねぇよ。あんなの実際に見たら絶望しかないわな。
18:探索の名無しさん
確かに。ビルの高さレベルじゃなかったからな。あれ、本当に襲われたら、国ごと飲まれるだろうな。
19:探索の名無しさん
巨大津波。ピタッと止まったよなw
20:探索の名無しさん
完全に法則無視して、生き物みたいに、そのまま戻って行ったもんなw あれには言葉が出なかったわw
21:探索の名無しさん
ソラさん。カッコ良すぎ。
22:探索の名無しさん
>>21
それなw テルミちゃんの時もそうだったけど、今回もまぁ~出てくる出てくるw
23:探索の名無しさん
王様に向かって怒鳴るし、レミリアちゃんには優しくするし・・・・・・・あれはヤバいわ。
24:探索の名無しさん
他のメンバーまでとはいかないけど、ソラの評価がうなぎのぼりみたいだぞ。
25:探索の名無しさん
そらそうなるわなw 俺達と同じ、身近にいる一般人があそこまでしたんだ。普通は出来ねぇよ。
26:探索の名無しさん
だから余計に応援したくもなるし、カッコよくも見えるんだろうな。
27:探索の名無しさん
どっからどう見ても普通の男なんだけどなw
28:探索の名無しさん
だからいいんだろw ソラの女性ファンは。 高嶺の花じゃなく、普通に届きそうだからさw
29:探索の名無しさん
あ~!ダンジョンもそうだし、冒険者ランクもそうだし、レミリアちゃんもそうだけど、話し出すとこれは止まんねぇぞ!
30:探索の名無しさん
>>29
だなw もうそろそろソラ達が活動する時間だ。俺達も少しは仮眠とろうぜ。
31:探索の名無しさん
あ~俺今日仕事だ。俺も休職すっかな~。
32:探索の名無しさん
www。 まぁ俺達は人生で今、一番貴重な動画を観てるんだ。出来るだけ俺は観るぜ。
33:探索の名無しさん
そうだな! とりあえず無理せずに、ソラ達と一緒に探索楽しもうぜ!
☆☆☆
「フフフフフ・・・・・・・ハ~ハッハッハッハ!」
レランジェは突然大声を出して笑う。
目の前には大きな魔法鏡があり、そこに映っているのは、巨大津波が、発生した場所へと戻る映像だった。
「珍しいね。レランジェが大声出して笑うなんて。」
隣にいるクロエは、笑っているレランジェを見て驚いている。
「ハッハッハ・・・・・・・こんなに面白いのは今までで初めてですよ。フフフフフ・・・・・・・笑わずにはいられませんねぇ。」
仮面の男は笑ってはいるが、中の表情は分からない。
「ところでクロエ。貴方の地震を発生させた魔道具は無事ですか?」
「無事じゃないよ!・・・・・・・あの【司る者】が現れて津波を止めた時に、一緒に全部破壊されたよ!僕の傑作品だったのに・・・・・・・。」
クロエはプンプンしながら怒っている。
「フフフ。まぁ壊れてしまった物はしょうがありません。・・・・・・・さて、次は『レグナル』ですね。クロエ。貴方はどうしますか?」
「う~ん。次も現地に行ってみたかったけど・・・・・・・あの国には不出来の弟がいるから僕はいいや。・・・・・・・はい。これ。」
そう言うと、クロエはチップの様な物をレランジェに渡す。
「これが次の計画の魔道具だよ。・・・・・・・さて!それじゃ、僕は帰ってまた新しい玩具作ろうかな!それじゃレランジェ。まったね~!」
クロエは、近くで魔法陣を設置して待っていた部下達の元へと行くと、そのまま部下達と一緒に消えていった。
「・・・・・・・。」
レランジェは、誰もいなくなった無人島の丘の上で、遥か先の『シーファン』を見る。
「フフフフフ・・・・・・・この計画を潰しましたか。【星空】よ。・・・・・・・楽しい。・・・・・・・楽しいですねぇ。・・・・・・・そうこなくちゃ面白くありません。・・・・・・・さて、次も楽しませてくれると嬉しいんですけどねぇ・・・・・・・・リーダー・・・・・・・・ソラ。」
レランジェは、独り言の様に呟くと、そのまま闇の空間へと消えていった。
☆☆☆
「荒木さん!神崎総理からです!」
「荒木さん!アメリカのチャーチ大統領からです!」
「荒木さん!フランスの大統領からです!」
「荒木さん!中国主席からです!」
「荒木さん!・・・・・・・。」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
荒木はある政府機関の特別室で大きなため息をついていた。
目の前には巨大スクリーンがあり、そこには録画した数日前の『空ちゃんねる』が映っている。
【D8】の選出した特別チームの統括マネージャー荒木は、皆に言う。
「とりあえず、今は連絡待ちで返答が出来ないと伝えてください。」
そう言うと、またスクリーンを見て恨めしそうに呟く。
「・・・・・・・まったく。ソラ君。君ってやつは。・・・・・・・そんな簡単に貰って。分かっているのかい?・・・・・・・こっちはおかげでパニックだよ。」
録画した画像に映っているのは、ソラ達が【魚人族】の島にあるダンジョンを探索し、ソイレンと会った時の動画だった。
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「おぉ~!この壁にくっついている綺麗な青い石ってなに?」
「ん?・・・・・・・これは【魔石】と呼ばれている物だ。この世界では結構貴重な物らしいが、私には使い道がないからな・・・・・・・いるか?」
「えっ?くれんの?」
「あぁ。ここには山ほどあるし、私には鑑賞するくらいで、無用の物だからな。好きなだけ持ってゆけ。」
「お~!流石ソイレン。太っ腹!んじゃ、貰って行くね!」
そう言うと、ソラはリュックサックの中に出来るだけ【魔石】を入れていった。
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「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
荒木は画像を見ながら、ため息をつく。
・・・・・・・このライブ動画が流れたのが数日前。
それからというもの、毎日の様に各国の首脳達からの問い合わせが殺到した。
【星空】に頼んで【魔石】を至急調達して欲しいと。
あの異世界では、エネルギーは全て【魔石】で成り立っていると言っていた。
小石程の小さい【魔石】一個で、一世帯分の熱や電気が一生分賄えて余りあるエネルギー。
そんな物がもし手に入り、こっちの世界で研究し、新たなエネルギーを生みだす事が出来たら・・・・・・・この世界のエネルギーバランスが大きく変わるだろう。
全世界が喉から手が出る程に欲しがっている物を、ソラ君は気軽にリックサックに入れるライブ動画を上げたのだ。
しかも、小さい【魔石】ではなく、両手で持ち上げる程の大きさの【魔石】を。
そのおかげで、毎日の様に【D8】の首脳達から連絡が来る。
もちろんすぐに、探索者協会日本ギルドビルの【星空】オフィスへと出向いた。
ひとつでもいいから【魔石】を売って欲しいと。
お金には糸目を付けないと。
しかし断られた。
【星空】担当のチーフ。神代鈴。
彼女曰く、探索者協会は、探索者の得た利益やアイテムは全て探索者の物であり、勝手にこちらで判断する事は絶対にない。
だから後でリーダーのソラに聞いてみると。
もちろん私は知っている。
ソラ君がその日に異世界で得たアイテムなどを、エイセイ君に指示をして、【星空】オフィスの倉庫に転移しているのを。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
また荒木はため息をつく。
「フフフ。荒木チーフ。お疲れですね。」
「セリーヌか。・・・・・・・ありがとう。」
同じ【D8】の外交官セリーヌが、笑顔でコーヒーを荒木のテーブルの上に置く。
「どうなんですか?状況は。」
「あぁ。今は日本ギルドからの連絡待ちだ。・・・・・・・・だが、手に入れられたとしても、全世界で争奪戦が起きるぞ。」
「そうですね。あんな大きな【魔石】。どれだけのエネルギーを秘めているのか。・・・・・・・だからこそ日本ではなくて、先に【D8】が確保しておきたいんじゃないんですか?・・・・・・・争いの種を摘むためにも。」
「・・・・・・・だろうな。」
ソラ君達は日本の探索者チームだ。
普通なら、日本政府が先に優先権があるだろう。
だが、そうなると良く思わない国が多く出てくる。
その為にも、【D8】が矢面に立つ。・・・・・・・それは神崎総理も理解しているだろう。・・・・・・・だが、今の日本はトップチームの【星空】のおかげで、世界で頭一つ抜け出ている。・・・・・・・【魔石】を譲ってもらえたとしても、【D8】に渡すのだろうか・・・・・・・。
考えていると、携帯電話が鳴った。
「はい。荒木です。・・・・・・・スズさん!・・・・・・・はい。・・・・・・・はい。・・・・・・・・分かりました。ありがとうございます。それではすぐにお伺い致します。それではまた。」
荒木は携帯電話を切ると、セリーヌから貰ったコーヒーを一気に飲んで立ち上がる。
「セリーヌ。今から日本ギルドビルに行ってくる。君はすぐに【D8】に連絡をしてくれ!・・・・・・・【魔石】を一つ。研究の為に譲ってくれる事になった。」
「!!!!! 本当ですか?!」
「あぁ。神崎総理には移動中に俺から連絡をしておく!頼んだぞ!」
「了解しました!」
そう言うと、荒木は勢いよくオフィスから出る。
・・・・・・・【星空】担当のスズさんから、連絡が来た。
リーダーのソラに尋ねた所、研究の為なら【魔石】を一つ渡していいとの事。
でも、それは日本にではなくて、【D8】に渡す様にと。
【魔石】を大金で売るなら、日本が押さえただろう。
しかしソラ君は、無償で一つだけ【D8】に渡すと言った。
【星空】のリーダーがだ。
これ程説得力のある言葉はないだろう。
まぁ、どうせ後で帰国した時に、神崎総理自ら出向いて、ソラ君に頼むだろうが・・・・・・・今はこれでいい。
「ハハハッ・・・・・・・ソラ君。君には負けるよ。」
急ぎ足で歩きながら荒木は小さく呟いた。




