48話 深層攻略5日目 1
5日目の早朝。
薄っすらと少しだけ明るくなってきているが、まだ日が昇るには早い。
僕は、まだみんなが寝静まっているテントの外へと出ると、スタンバイ状態のカメラをオンにする。
親友達が寝ているテントを映しながら、僕は小声で話す。
「おはようございま~す!ソラです!まだみんなは寝ているので、小声で失礼します!」
<コメント>
■おはよ~!
■おっは!
■おぉ!起きたかソラ!
■遅いぞソラ!俺は一時間前には起きたぞ!
■俺は二時間前だ!
■おはようございます!
■朝何をするんですか?
■何をするんだ???
■気になって早く起きました!!!
「フッフッフ。よくぞ聞いてくれました!早朝。そしてみんなまだ寝ている。・・・・・・・という事は?」
<コメント>
■えっ?!
■まさか!
■まっ、まさか!
■あれか?
■あの禁断の?
■えっ!あれをやるのか?
■マジで?
■いいの?
「そうです!やるんです!!・・・・・・・名付けて『寝姿ターイム』!!!」
<コメント>
■うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
■きたきたきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
■マジで???
■ホントに???
■うぉぉぉぉぉぉ!朝からテンション上がるわ!!!
■寝顔が観れるのか???
■天使の寝顔が観れるのか???
■エイセイの寝顔が観れるの???
早朝からめっちゃコメントが流れ始めた。
「フフフフフ。・・・・・さて。それではまずは、クウガとエイセイからいってみましょう。でも、エイセイは結構デリケートなんで、ちょっかいだすとすぐに起きちゃうので撮影するだけにしますね!」
僕は、ゆっくりとテントの中へと入って行く。
まずはクウガ。
カメラを近づける。
「ンガァ~。」
上半身ハダカで、大の字で寝ているクウガ。適度なイビキをかいて、とても気持ち良さそうだ。
マッチョな体をアップする。
<コメント>
■クウガ様のお体!!!
■凄い!!!厚い胸板!!!
■あぁ!何て体なの!!!
■隣で腕枕して欲しい!!!
■あっ。もうだめ。
僕はコメントはスルーしながら、今度は隣で寝ているエイセイを映す。
スヤスヤとオリジナルパーカーを着て、上を向いて寝ているエイセイ。
とても姿勢がいい寝方だ。
僕はカメラを近づけて、寝ているエイセイの顔をアップにする。
寝ているのに、とてもカッコイイ。
この男はどんな格好をしても、さまになるんだろうな。
<コメント>
■キャァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!
■顔が!!!顔がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
■近すぎるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!
■あぁ!寝てて横向いたらこの顔があったら!あったらぁぁぁぁぁぁぁ!!!
■一緒に寝たいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!
■あっ。もうだめ。
何がだめなんだ?
まぁとりあえず置いといて、今度は女性陣の方へと近づく。
まずはアカリにゆっくりと近づいて、カメラを向けた。
左に横になって寝ているアカリ。
ロングの黒髪がとても綺麗だ。
「・・・・・・・えい。」
プニ。
アカリの頬を人差し指で押す。
「・・・・・うん。まだまだ・・・・・・・斬るのぉ。」
寝ながら笑顔で呟いた。
<コメント>
■うひょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
■やっべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
■可愛すぎるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!
■アカリちゃんのこんな顔!!!もうヤバすぎ!!!
■ソラぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!ナイスチャレンジ!!!
■お前マジで尊敬するわ!!!
■斬ってる夢みてるwww
笑いをこらえながら、今度はココセの所へ。
ココセはかわいいアニマルパジャマを着て、姿勢よく上を向いて寝ている。
銀の髪が光って、とても可愛らしい。
「・・・・・・・えい。」
プニ。
ココセの頬を人差し指で押す。
「・・・・・えへへぇ♪・・・・・・・スイカもっと欲しいなぁ~♪」
ニヤリとしながら呟いた。
<コメント>
■ぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
■可愛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
■天使!!!マジ天使ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!
■天使の笑顔頂きました!!!
■ソラぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!グッジョブ!!!
■お前の弟子になりたいわ!!!
■スイカの夢みてるwww
そして最後に、いたずら顔でスピカの所へ。
右に向いてスヤスヤと寝ているスピカ。
赤い髪と真っ白い透き通る肌がとても綺麗で、そしてとても可愛いらしい。
「・・・・・・・えい。」
プニ。
スピカの頬を人差し指で押す。
「・・・・・ニャ?」
ネコ言葉が出た。
<コメント>
■ホワッ???
■今何て言った???
■えっ?今何て???
■ちょっ!ちょっと待って???
■あれ?聞き間違い???
■うわぁ。寝顔もマジで見た事ない程の美しさだな!
「・・・・・・・えい。えい。」
プニ。プニ。
僕は調子こいて、もう一度スピカの頬を人差し指で押す。
「・・・・・ニャ?ニャ?」
<コメント>
■うひょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
■ぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
■ぴょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
■ネコきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
■ネコ語だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
■ネコ頂きましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
■ツンデレで、しかもネコ語ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
■やべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
■最強ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
■おいソラ!もうそろそろやめとけ!!!
■調子にのるなよ!!!
■嬉しいが、そろそろヤバいぞ???
■フリじゃないぞ!フリじゃないんだからな!!!
■いや!お前の骨は拾ってやる!いけ戦士よ!!!
「・・・・・えい。えい。えい。」
プニ。プニ。プニ。
僕は、笑いをこらえながらスピカの頬をまた突いた。
「・・・・・・・・あっ。」
スピカと目があった。
「・・・・・で?何かいう事は?」
「ありましぇん。すみませんでしたぁぁぁぁぁぁ!」
朝。
朝食前に、僕はジト目で仁王立ちしている皆の前で正座していた。
めっちゃ怒られた。
<コメント>
■すげぇ怒られたなw
■めちゃくちゃ怒られたソラw
■ソラ!ナイスファイト!!!
■ソラ!お前は男だったぞ!!!
■やる奴だとは思ってたけど、ここまでとはwww
■ソラさん!女の子の頬をあまりつついちゃだめですよ!
■エイセイやクウガ様の寝姿観れて幸せ!!!
■アカリちゃんやココセちゃんめっちゃ可愛かったな。
■スピカちゃんに限ってはネコ語ってw もう最強じゃんwww
■ありがとう!ソラ!
■ありがとう!ソラさん!
怒られたけど、視聴者さんがとても喜んでくれたので僕は満足だ。
朝食を済ませた僕達は、気を取り直して探索を開始した。
木々の合間の空を見ると、とてもよく晴れている。
ここに来てからずっと晴天に恵まれていた。
とてもラッキーだ。
せっかくの初めての異世界。
視聴者さんには、新しい世界を印象よく観てもらいたい。
撮影するのにも、とてもバエるしね。
僕達は雑談しながら歩いて行く。
すると突然ココセが止まり、エイセイが呟く。
「・・・・・・・いる。」
「あぁ。・・・・・いっぱいいるね。」
僕はカメラを先の方へとズームしながら左から右へと映す。
数百メートル先の木々の間から、こちらを覗いている白いサルやゴリラが沢山いた。
木の上にも登っている。
いったい何匹いるのだろうか。
白いサルやゴリラ達をアップする。
「いるなぁ。昨日より何倍もいますね。・・・・・でも襲ってこない。何でだろ?」
<コメント>
■うひぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!いるいる!!!
■うわぁ!結構いるな!!!
■何匹いるんだ?
■昨日に比べたら、めちゃくちゃ多いぞ!!!
■こんなの倒せんのかよ!!!
■白いサルにゴリラ。・・・・・あんな強いモンスターなんて、今まで見たことも聞いた事もないわ。他のダンジョン情報でもね。
■俺達の実力なら、おそらく昨日の一匹で全滅か、生き残れても撤退している。それ程強いぞ。
■サルのスピードはとてもじゃないが追いつけない。更にはあのゴリラの破壊力だ。倒せるイメージが沸かないな。
■トップクラン達が諦めてるw
■そんなに強いのか。あのモンスター達は。
■それを昨日瞬殺している【星空】www
■よくよく考えたら、今までチームで戦ってなくね?
■あっ。そう言えば深層でもほぼソロじゃね?
■どんだけ凄いんだよw 【星空】はwww
あれだけいるのに何故か襲ってこないモンスター達。
ずっと一定の距離を保って周りを囲んでいる。
襲ってこないのに相手にしてもしょうがないので、僕達は構わずに先へと進んだ。
半日は経っただろうか。
急に森の中を歩いていた木々が開けた。
「おぉ~!」
思わずカメラを向けながら唸る。
目の前には、大きな湖が広がっていた。
水がとても綺麗で、太陽に反射してキラキラ光っている。
森の中にあるとても美しい湖。
凄く神聖な感じがした。
しかし、同時に不思議な事が起きた。
急に静かになったのだ。
鳥や虫の鳴き声がピタリと止み、辺りは静寂に包まれた。
ズンッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!
突然、後方の地面が軽く揺れた。
湖を撮影していた僕は、後ろにカメラと一緒に振り返る。
そこには、一匹の巨大な真っ白いサルが立っていた。




