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45話 深層攻略3日目 2


獲物を捕らえた獰猛な目。


口は大きく開かれ、鋭い牙が見えている。


そして見るからに強靭な両足。


まさしく、よく映画で観たティラノサウルスそのものだった。




<コメント>


■うひょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■ティラノサウルスきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■ティラノだ!ティラノきたぁ!!!


■もうこれ完全に○ェラシックパークじゃん!!!


■異世界にもいるんだな!恐竜!!!


■一応、モンスターだけどな!!!


■もう何度も感動している俺!!!


■実物でけぇな!!!


■真っすぐ来てるぞ!真っすぐ!!!




僕はこっちに来ているティラノサウルスをワクワクしながらアップで撮影していると、隣でため息を吐きながらスピカが言う。


「はぁ。見た感じスピードはないし、まぁ力はありそうだけど・・・・・はっきり言って大きいだけね。」



隣にいるスピカにカメラを向ける。



スピカは左人差し指を上に向けると、その先に真っ赤な赤いバスケットボール程の玉が現れる。


指を軽く動かすと、その赤い玉はもの凄い速さでティラノサウルスへと飛び、避ける間もなく体へと衝突し、そのまま体内へと吸い込まれていった。


ティラノサウルスは、赤い玉など気にせずにそのまま真っすぐ僕達の方へと近づく。



スピカは左手を握りしめながら呟いた。



「花火・・・・・・・きく。」



数十メートルの所で、ティラノサウルスは急に止まる。



「あれ?何かティラノサウルスが大きくなってないか?」


思わず僕は呟く。



何故かこっちに向かって来ていた時より大きく感じたからだ。


しかし、それは見間違いではなく、本当に大きくなっていた。


大きくなるというより、膨れている。


風船を膨らませる様に、ティラノサウルスの顔や体がどんどんと膨れていく。



そして。



バンッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!



内側から爆発する様に、大きく弾けた。



肉片がパラパラと散らばる。



そして、強靭な脚だけが残った。



「まっ、どんなモンスターでも近づく前に倒せばいいだけよ。」


隣にいるスピカは、カメラに向かって笑顔で答えた。




<コメント>


■はっ???


■ほっ???


■へっ???


■今何したの???


■えっ?意味が分からないんだけど???


■突然爆発したぞ!!!


■膨れて爆発した!!!


■何だよこれ!!!


■怖ぇよ!!!!!


■マジで怖ぇよ!!!!!


■キモッ!!!


■エグすぎ!!!


■あぁ!俺のティラノが!!!


■ティラノサウルスがぁぁぁぁぁ!!!


■ティラノサウルスのイメージがぁぁぁぁ!!!


■何やっちゃってんの???


■スピカちゃんやりすぎ!!!


■もっと綺麗に倒してくれよ!!!


■しかし凄い魔法だわ。


■トップクランが魔法じゃ倒せないって言ってなかったか?


■レベルが違いすぎる。


■華麗の一言に尽きるな。


■あれはどんな魔法なんですか?




倒したのに、めっちゃブーイングが流れている。


ティラノサウルスはメジャーでいて、おそらく一番人気のある恐竜だ。あんな感じに倒して欲しくない視聴者が結構いたみたいだ。それと同時に同業者だろうか、スピカの使う魔法に驚いている。



隣にいるスピカは僕に近づくと、カメラを覗き込んだ。


「なっ!貴方達!あんなのただのモンスターでしょ?文句を言わないの!」



また視聴者さんと言い争いを始めるスピカ。


何か視聴者さんに、いいように誘導されている様な気もしないでもないけど、これで盛り上がってくれているなら、それはそれでオッケー!



「スピカさん!あれはどんな魔法なんですか?」


「えっ?あぁあれ?あれはそうね。簡単に言うと、凝縮した炎系の玉をモンスターの体内に入れて血を沸騰させる魔法よ。破裂した時には、血液の温度は数千度になったと思うわ。」




<コメント>


■凄い。凄いに尽きるな。


■血を沸騰させる魔法。そんな魔法初めて聞いたわ!


■スピカさんの魔法は、今まで学んだ魔法とは全て違う。同じ魔法使いとして凄いとしか言えないな。


■スピカさんに教えを乞いたい。


■同業者が尊敬してるw


■スピカちゃんカッコイイな!


■血液を沸騰させるってw 


■なんつぅ魔法だよw


■エグすぎw


■もっと優しい魔法にしなさいw


■もっと綺麗な魔法にしなさいw


■スピカちゃん?分かりましたか?w




「ちょっと貴方達!」




また始まった。




スピカと視聴者さんの漫才は無視して、ティラノサウルスを倒した僕達は、そのまま森の手前まで着いた。


空を見上げると、すっかり日が沈んでいる。



「さて!最後のティラノサウルスのおかげで、ちょっと遅くなっちゃったけど、お楽しみのキャンプの時間だ!」


「「「「「 オ~♪ 」」」」」



全員で喜びのジャンプをした。






すぐに昨日と同じ様に、キャンプの準備をテキパキと始める。


慣れたせいか、昨日より早く終えると、僕は皆とカメラに向かって言う。


「それではセッティングが完了しましたので、夕食の準備をしましょう!」



料理番組の様に、ちょっとしたミュージックを絡ませる。



「それでは始めましょう!【星空クッキング】~!!!ドンドンドン!!!パフパフパフ~!!!」


「「「「「 イェーイ♪♪♪ 」」」」」



みんなの楽しそうな声が夜空に響いた。




「さて!本日の【星空クッキング】の担当はこの方・・・・・・・クウガさんです!」


「おう!よろしくだ!」



長テーブルの前で、エプロンを付けているクウガは笑顔で親指を立てる。




<コメント>


■今日はクウガか!


■あのガタイでエプロンw ちょっと可愛いなw


■何の料理作るんだ?


■おぉ!男料理か!


■クウガ様の料理!何を作るの?


■何かワイルドなのが出てきそうw


■分かるw


■昨日はココセちゃんの特製幸せカレー。今日は何だ?




クウガは長テーブルの上に、肉や野菜やエビ、ウインナーなど様々な食材をだす。



「やっぱり、キャンプって言ったらバーベキューだろう!手軽だしな!ハッハッハッ!」


笑いながらそう言うと、串に肉や野菜を挟んだり、下ごしらえを始めた。




<コメント>


■でた!!!


■定番のバーベキュー!!!


■そうきたか!!!


■いいね!!!


■確かに、キャンプって言ったらバーベキューかw


■手軽だし美味しいから、ある意味最強だな!!!




バーベキューコンロに次々と食材をのせて焼いていく。


肉や野菜の焼ける煙が夜空に漂う。



「それじゃ食べようか!」


「「「「「「 いただきま~す♪ 」」」」」」



バーベキューソースに付けて食べる。



「うめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ♪」


「うん。うまいね。」


「バーベキューもたまにはいいわね。」


「・・・・・うん。旨い。」


「そうだろ!そうだろ!ハッハッハッ!」


「ソラ!ほら、肉ばっかり食べないで野菜も食べるのよ。」



牛肉がソースに絡まってとても旨い。肉ばっか食べてたら、スピカが勝手に僕の皿に野菜をのせる。


ただの食材にちょっと味付けしただけなんだけど、皆と一緒に食べている事と、キャンプをしているのが相まってとても美味しい。


これがバーベキューマジック。


ホントに不思議だよね。




<コメント>


■やっぱり旨そう。


■お腹が減ってきた。


■あっ。お腹が鳴った。


■バーベキューって不思議だよな。それだけで旨く感じるもんな。


■あ~ビール飲みたくなってきたわw


■分かるwww




「おう!ソラ!皆!これだけだと料理って感じじゃないからな!これ作ってきたぞ!」



そう言うとクウガが大皿を持ってきた。


香ばしいソースの香りがする。


小さくて丸い物が沢山のっていた。



「俺特製のザ!深層タコ焼きだ!まずはソラ!試しに食ってくれ!」


「えっ?いいの?」


「おう!」



みんなも笑顔で頷いている。



「そんじゃ遠慮なく!・・・・・うん!うめぇぇぇ!」


中に入っているタコが、信じられない程に甘みがあり、そしてとても大きく歯ごたえがあり、マジで美味しい。こんな美味しいタコは今まで食べた事がない。



「これ。タコが特に旨いな!しかも大きいし!どこで買ったの?」


「ハッハッハ!それはな!初日にアカリが斬ったタコだ!」


「あのタコかい!!!」



思わずツッコんだ。・・・・・リーダーだからって、僕を毒味に指名するのはやめてほしい。まぁ美味しいからいいけどな!


みんなも食べ始めて、大皿にあった名付けて『クウガ特製ザ!深層タコ焼き』は、あっという間になくなった。




<コメント>


■マジかw


■あのタコ食ってるw


■深層のモンスターだよなw


■食えんのかよwww


■毒味にされるソラw


■でも旨そう。


■たこ焼き食いたい。


■そういや近くにたこ焼き屋あったな。ちと買ってくるわ!


■俺もコンビニで買ってこよ!


■私も!




食べ終わったら皆で後片付けをして、入浴タイムだ。



レディファーストで女性陣が入っている間に、僕達はゆっくりと食後のお茶を楽しんでいた。


落ち着いたので、僕はお風呂があるテントの入口にカメラを向ける。


中では女性陣がお風呂に入ってキャッキャキャッキャしている声が聞こえる。



「さて、昨日は男性陣のサービスショットをお届けしました。今日は女性陣のサービスショットをお届けしましょう!あっ、言っときますけど、昨日みたいにハダカとかじゃないですからね。」




<コメント>


■きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■待ってましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■ソラ!何見せてくれるんだ?


■あの声を聞いただけで満足です!!!


■あの声だけで俺は暫く大丈夫だ!!!


■ちょっ!ちょっと待ってくれ!スクショの準備するから!!!


■オッケーソラ!心の準備は出来たぞ!!!




「ハハハ。僕達男性陣は、このオリジナルパーカーとスウェットでそのまま寝ているんですけど、女性陣は食後の匂いが気になるみたいで、入浴後はパジャマになって寝ているんです。・・・・・その意味分かるよね?」




<コメント>


■マジで???


■ホントに???


■いいの???


■パジャマ姿???


■マジパジャマ???


■マジパジ???


■ちょっ!ちょっと待って!俺も撮影の準備する!!!


■俺も!!!


■僕も!!!


■やべぇ、ドキドキする!!!




コメントが盛り上がっていると、テントからアカリが出てきた。



少し濡れた黒く長い美しい髪が、月の光に照らされて輝いて見える。


真っ白いシルクパジャマを着て、黒のモコモコのスリッパを履いて現れたアカリは、黒と白のコントラストがとても綺麗だ。




「凄く綺麗ですよね。」




<コメント>


■パネェぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!===50,000円


■ヤバいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!===50,000円


■これはヤバイ!!!===50,000円


■マジで美しいんだが!!!===50,000円


■もっとアップ!もっとアップで!!!===50,000円


■ソラ!もっと近づいて!!!===30,000円


■アカリちゃんと一緒に寝たい!===30,000円


■あぁ!これで一週間は大丈夫だ!ソラ!===50,000円




何が大丈夫なんだ?



流れているコメントに心でツッコんでいると、次にココセが出てきた。



全身茶色と白のアニマルモコモコパジャマだ。頭の部分には耳が付いている。とても可愛い。




「凄く可愛いですよね。」




<コメント>


■でたぁぁぁぁぁぁぁぁ!アニマルパジャマぁぁぁぁぁあ!!!===50,000円


■なにこれ?可愛すぎ!!!===50,000円


■ココセちゃん、いつもこんな格好で寝てるの?可愛い!!!===50,000円


■小さくてマジで可愛い!!!===50,000円


■これもヤバイ!!!===50,000円


■ソラ!もっとアップ!もっとアップで!!!===30,000円


■ココセちゃんと一緒に寝たい!===30,000円


■あぁ!これで二週間は大丈夫だ!ソラ!===50,000円




だから何が大丈夫なんだよ??



またまたコメントにツッコんでいると、最後にスピカが出てきた。



薄いピンクの綿パジャマ。小さな花火の柄が所々に付いている。赤い髪と真っ白な肌がそのパジャマの色にとても合っていた。


現実離れしている人形のような彼女は、何を着ても似合いそうだ。




「うん。言う事ないですね。」




<コメント>


■分かる。===50,000円


■うん。オッケ。===50,000円


■何か尊すぎて、心が洗われた様な気がしてきた。===50,000円


■私同性だけど、本当に同じ女性なのって位、可愛いくて美しいのはなんで?===50,000円


■あまりにも違いすぎて、全然悔しくないんですけど。===30,000円


■まぁ、あのパジャマのセンスは置いとくけどなw===50,000円


■花火柄ってw===50,000円


■スピカちゃんと一緒に寝たい!===30,000円


■あぁ!これで一ヶ月はもつぞ!ソラ!!!===50,000円




もつんかい!!!



最後も一応ツッコんどく。



「ちょっとソラ!何を撮ってるのよ!・・・・・って、何で私だけパジャマに文句がつけられてるのよ!」




パジャマ姿のスピカとカメラをおいて、僕達はお風呂に入りに行った。




今日一日のスパチャ金額がヤバい事になった。


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