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37話 深層攻略1日目 1


「よし!・・・・・・・着いたな。」



とうとうやってきました日曜日!


今日は【深層】攻略の初日だ!



僕達はいつもとは違い、朝早く日本ダンジョンに入ると、あっという間に下層の最下層・・・・・【深層】のゲートまで辿り着いた。


僕は振り向くと、皆に声を掛ける。



「それじゃ、撮影準備するからちょっと待っててね。」


「「「「「 あいよ~♪♪♪ 」」」」」



みんな笑顔で雑談しながら待っている。



「フ~フフ~ン♪」


上機嫌で鼻歌を歌いながら、撮影準備を始めた。



準備をしながら僕は横目で皆を見る。


全員いつもの探索装備で、嬉しそうに談笑している。



最長で二週間は遠征できる食材や道具などは全て揃えた。


僕達【星空】も、日本ダンジョンの【深層】探索は初めてだ。



ワクワクが止まらない。



早く行きたくて、昨日はあまり眠れなかった。


初めての【深層】探索もそうだが、やっぱりみんなで遠征するのが一番の楽しみだ。



「よ~し!準備完了!」


カメラを起動して、スタンバイ状態の画像を見る。



「・・・・・は?」


思わず声が漏れた。



まだ始まってもいないのに、850万という数字が表示されている。



えっ?



ちょっ、ちょっと待って?



桁間違えてないよね?



何度も見直すが、850万だ。



ヤバイ。



ヤバすぎる。



これって確か世界最高視聴者数じゃね?



しかもまだ始まってもいない。



これからいったいどれだけ伸びるんだ?



僕は震えた手で、リュックサックを担いで立ち上がる。



うん。



僕は考えるのをやめた。



いつもの撮影を心がけよう。



僕は振り返って皆を見ると、右手を前に出す。


それを見た親友達が僕の周りに集まり、僕の右手の上に手をのせる。



「それじゃみんな!日本ダンジョン初めての【深層】だ。楽しんで行って来よう!」


「「「「「 オ~!♪♪♪ 」」」」」



重ね合わせた手を、叫んだと同時に皆でジャンプしながら離す。



「さて!気合入れていくか!」


「クウガ気合入れすぎw。ゆっくり行こう。」


「フフフ。久しぶりに思う存分、刀を振るえるな。」


「ソラと探索~♪楽しみ~♪」


「ソラ!いつも通り一番後ろにいるのよ!私が守ってあげるから!」



僕は笑顔で頷くと、いつもの様に大きく深呼吸をする。



「すぅぅぅぅぅぅぅぅ。はぁぁぁぁぁぁぁ。」






そして世界最高の視聴者数となる配信をスタートさせた。






「みなさぁぁぁぁぁぁぁぁん!観てますかぁぁぁぁぁぁぁぁ!」






☆☆☆






<コメント>


■うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■きたきたきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■待ってましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■観てるぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■観てますぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!


■アメリカカラミテマスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!


■イギリスカラミテマスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!


■インドカラミテルゾ!親愛なるソラァァァァ!!!


■アカリちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!


■ココセちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!


■スピカちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!


■クウガぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■エイセイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!


■ごわす!ごわす!!ごっごわすぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!




うん。


めっちゃ凄いことになってる。


日本語がメインだけど、他の言語も結構流れている。



「皆さん!今日もご視聴ありがとうございます!それでは・・・・・『空ちゃんねる』スタートです!!!」



オープニング曲を流す。



僕はバックを【ゲート】に、メンバー全員を映る様に撮影しながら言う。


「どうもこんにちは。ソラです!今日は先週お話した通り、【深層】攻略をしていきたいと思います!まずは視聴者の皆さんに【深層】はどんな所か、早く感動をあじわって貰いたいので、早速【ゲート】をくぐって行きたいと思います!」




<コメント>


■うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!マジか!!!


■うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!いきなり行くか!!!


■ちょ!ちょっと待って!心の準備が!!!


■早く観たい!早く観たい!早く観たいぃぃぃぃ!!!


■下層までは洞窟だったけど、【深層】はどんな感じなんだろ?


■俺は同業者だから大体は噂で知っているけど、ネタバレになるから言わないぞ!!!


■そもそも撮影できるんですか???


■ゲートの先で電波届くんですか???


■確かに言われてみればそうだな。


■えっ?観れないの???


■やめてよ!楽しみにしてたんだから!!!




何か不安なコメントが結構流れているので、先に説明した方がよさそうだ。


「皆さんの疑問の通り、【ゲート】をくぐると通常は全ての電子機器がダウンしちゃいます。でもですね、これを【ゲート】に設置しました。」



僕は円形の物を二つ床に置いてカメラを向ける。


形的にはフラフープの様な物だ。



「これはですね、エイセイさんが開発した『ホール』という物です。これを既に到着した時に、【ゲート】のこちら側と向こう側に取り付けています。」


カメラを【ゲート】へと向けると、虹色に輝く端にその『ホール』が付いていた。


「これを両側に取り付けると、魔力が繋がって、どんな物も干渉しない様に出来るんです。簡単に言うと、この円形のトンネルが出来たと思ってもらうと分かり易いかな?なので、ここから電波を魔力でこちら側へ届けるといった感じです。もちろん、このカメラも魔力で守られてます。」


エイセイの凄い所は、無尽蔵の魔力を繊細にコントロールが出来て、僕が望んだものを創造、具現化出来る事だ。エイセイがいなかったら、【深層】の撮影なんてまず出来なかったろう。ホント、エイセイさまさまだ。まぁスピカはエイセイ以上に魔力は凄いが、そういった細かい事が意外と苦手なんだよね。




<コメント>


■ほぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!凄いな!!!


■そんな事できるの???


■そんな事出来るんだ!!!


■同業者だけど、そんな魔力の使い方なんて初めて聞いたぞ!!!


■色んな事が出来るのな!!!


■安心しました!!!


■良かったわ~。観れないオチだったら、マジでキレてたぞw


■マジでホッとしたwww


■心配させんなよソラwww


■納得!それじゃ早く行こうぜ!!!


■行くでごわす!!!




僕は撮影しながら頷くと、親友達は一人一人【ゲート】へと入って行った。


メンバー全員がいなくなったのを見て、カメラに話しかける。



「さて!僕達も【ゲート】へ入りましょう!あっ、先に言っておきますね。これからの遠征は七日間を予定しています。メンバーの探索もそうですけど、寝る時以外は出来るだけ撮影しようと思ってます。みんなにはカメラは無視して普通にしててほしいと言っているので、自然なメンバーの良さを観られると思います。お楽しみに!」




<コメント>


■うひょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■マジか!!!


■ナイス!ソラ!!!


■うぉぉぉぉぉ!探索以外もスピカちゃんが観れる!!!


■エイセイィィィィィ!普段のエイセイが観れるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!


■素のアカリちゃんが観れるの?マジで???


■ココセちゃんも???


■クウガ様!!!あの胸で抱かれたい!!!


■ガチ恋勢がもの凄く増えているなwww


■それぞれのファンクラブがある位だ。みんな観てるだろwww


■外国語もめっちゃ流れてるしなw


■俺は出来るだけ起きてるぞ!


■一週間!睡眠時間は三時間以内だ!


■俺も!エナドリの準備は万全だ!


■私も!


■僕も!




フフフ。みんな楽しみにしてくれてたみたいだ。



「それじゃ行きますね!」


僕はカメラを片手に、ゆっくりと虹色に光る【ゲート】へと入って行った。






☆☆☆






扉を開けるとすぐ部屋がある様に、【ゲート】を通るとすぐに【深層】へと着いた。


僕は【ゲート】から出ると、待っているメンバーの先に立ち、カメラを前方へ向ける。



そこにあったのは島だ。



足元は海水で浸かり、小さい波がたっている。


後ろを見ると、大きな【ゲート】がある。


見上げると、雲一つない真っ青な空が広がっていた。



「おう!ソラ!島だな!」


「そうね!島ね!」


「・・・・・うん。島。」


「インドとは全然違うけど、島は同じね。」


「フッ。僕とソラは『ハク』を送ったり、『ホール』を設置する為に何度か入口に来てるけど、今日はとても晴れてて最高だな!」


「そうだね!・・・・・・・視聴者の皆さん!これが【深層】です!」




<コメント>


■ひょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■うひぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■ほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■綺麗ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■はっ?島?何で???


■へっ?洞窟じゃないの???


■普通に島なんだが???


■へっ?これが【深層】?ダンジョンの中???


■空があるぞ???


■海があるぞ???


■意味が分からんwww


■何でこんなんなってんだよwww


■トップクランにいる友達から聞いた事あるけど、やっぱり島なんだ。


■凄いな。これが【深層】か。


■初めて見た!


■俺も!


■私も!




浅瀬から出て、砂浜まで行くと、カメラをぐるっと左から右へと向ける。



目の前は草原が広がっている。


そしてその先には森があり、更にその先には山がそびえ立っていた。



「ソラ。まずはどこへ行く?」


「ん~そうだね。とりあえず、あそこに行ってみない?」



僕は片手に持っているカメラと一緒に、右の方へ指をさす。


浅瀬が続いている右側の先には、要塞らしき物が建っていた。



「へぇ~。【深層】に建物なんて初めて見た。」


「だな。」


「インドダンジョンでもなかったわね。」



僕達は、その要塞へと歩き始めた。




<コメント>


■何か要塞みたいなのがあるぞ。


■何で建物があるんだ?


■意外とでかいぞ。


■おい!俺は【未知の旅人】の一人だ!ネタバレになるから言わないけど、行くのはやめとけ!


■私は【魔女の集い】の一人だけど、やめておいた方がいいわ!


■トップクラン来たwww


■トップクラン達も観てるwww


■トップクラン達でさえ、前半しか行けてないみたいだから、注目してるんだろw


■ヤバくないか?先駆者が言ってるのに。


■ソラ!行かない方がいいんじゃないか?




撮影しながらコメントを見ているけど、トップクラン達も僕のライブ動画を観てくれているらしい。


「大丈夫ですよ。僕達は僕達です!好きなルートでゆっくり攻めていきたいと思います!」



ザパァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!



コメントに答えながら砂浜を歩いていると、海側から大きな水しぶきがあがった。


カメラをその方向へと向ける。



「・・・・・あれは、『タコ』ですね。しっかし、でっけぇなぁ。」



とにかく大きい。


40m位はあろうか。


【深層】はほとんど攻略されていない為、日本ギルドがモンスターの名前を付けていない。


それなので、見た目で呼ぶしかなかった。


そんな巨大なタコが海から上がると、こちらへと向かってくる。




<コメント>


■いやいやいやいや。・・・・・・・何だあれ???


■でかっ!いやマジででかすぎだろ!!!


■言い方ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! タコってwww


■せめてクラーケンって呼びなさいよwww


■大きすぎだろ!あんなの戦えるサイズじゃねぇよ!!!


■俺達はすぐに陸に上がったから、あんな怪物には遭遇した事ないぞ!!!


■初めて見るわ!!!


■いきなりヤバくね???


■ソラ!とりあえず陸に逃げろ!!!


■とりあえず、撤退だ!!!




タコを撮影していると、隣にいたアカリが僕に話しかける。



「ねぇソラ。・・・・・ちょっと斬ってくるね。」



そう言うと、アカリがタコに向かって走り出した。


アカリは走りながら、柄から鞘まで白く長い、美しい刀を抜く。



タコが、近づいてくるアカリに向かって一本の触手を大きく振り上げ・・・・・そして振り下ろした。


その巨大な触手がアカリに当たる寸前、握っていた長刀が消える。



ザンッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!



瞬間。



一本の巨大な触手が飛んだ。



「キシャァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」


タコが奇声をあげていると、いつの間にか大きくジャンプしてタコの頭上まで空高く飛んでいたアカリは、両手で持った長刀を落下しながら真っすぐに振り下ろした。




ピシュン・・・・・・・・・・・・・・・・・・




白い光の線が、一直線にタコの頭上から下まで入る。



アカリは華麗に地面へと着地する。


着ている赤い着物と腰まである黒く長い髪が、光に反射してとても美しい。


振り返って撮影している僕に向かって笑顔で言う。




「はい。終わり。」




目も前の巨大なタコは、真っ二つに切れて地面へと倒れた。



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