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ハーレム終了②

 リュカのハーレムは、もともと帝国が主導した“事業”である。

 最高責任者としてリュカが管理しているが、ハーレムはリュカの持ち物ではなく、帝国の財産という扱いになる。


 リュカに、ハーレム解体の権限はない。

 ――本来であれば。



 リュカは、もともとハーレムに対して否定的であった。

 生まれが平民であったため、一夫一妻が普通であり、一夫多妻に違和感を感じていたからだ。


 そんなリュカに、貴族の常識である一夫多妻を押し付けるのだから、皇帝はリュカに対し、いくつもの権利を譲渡していた。

 その一つが、ハーレム解体の権利である。


 ハーレム否定派であったリュカにそんな権利を与えれば、何も無くとも行使され、すぐにハーレムが解体されてしまうという懸念は、無い。

 リュカは基本的に皇帝の命令に対し忠実であり、多少の不満は飲み込む度量があった。

 リュカを信頼する皇帝の中に、ただの個人的な感情でハーレムが解体されるという未来は無かったのである。



 リュカは皇帝にハーレムの現状を報告し、その上で改善の見込みが無くハーレムが制御不能である事を理由に、解体のための許可を取った。

 皇帝はハーレム内に送り込んであった子飼いの密偵からも似たような報告を受けており、許可を直ぐに出した。


 その後の、放り出す侍女たちの処遇についても話がされた。


「侍女本人はともかく、家にまで悪影響を出すのは拙い。当主直々に頭を下げさせ、それを許し、話を終わらせるように」

「承りました、陛下」


 暴走した侍女たち。

 彼女たちへの配慮は一切成されない。


 自分たちから潰しに行く事はしないが、やった行いを正当に評価され(・・・・・・・)、周囲から正しい対応(・・・・・)をされるだろう。

 それは、彼女たちがリュカに対し行った事と同じである。違いは当事者の立場ぐらいだ。


 下の者が目上の者に対し不敬を働く。覚悟も無しに、やって良い事ではない。

 だから己のやった事の意味を、その身をもって味わう事になるのだ。

 誇りと信念があればそれでも折れないだろうが、軽率にも周囲に流され過ちを犯したのであれば、その心は簡単に砕けるだろう。


 その後の生き方次第では、再び拾い上げられる事もあるかもしれない。



 ただ、今回の件で侍女の実家に責を負わせないと皇帝は決めた。


 侍女を送り出すときは、侍女の振る舞いに対し送り出した貴族家やその寄り親が責任を持つのが常識だ。

 なので、追放されるような女を送り込んだ貴族家は、周囲から白い眼で視られる。さらにリュカのような存在から敵対関係とも思われ、付き合いを遠慮される事になる。

 そうなれば、その家は相当厳しい立場になる。


 ハーレムの侍女は侯爵家や公爵家といった、帝国・属国の中でも有数の家で生まれた三女以下の娘が多く混じっている。

 そういった家に潰れられては帝国の屋台骨が揺らぎ困るので、早々に手打ちにして被害を最小限に抑えねばならない。


 そこまでやっても被害はゼロにできないので、罰はその程度で済ませるわけだ。

 あとは皇帝が何も言わずとも勝手に忖度するであろうし、そこで空気の読めない事をすれば、改めて処罰する事もできる。



 こうしてリュカのハーレム解体は決まり、リュカたちは今後の身の振り方を決める事となった。

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