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ハーレム終了①

 悪化していく現状を、リュカは静かに観察していた。

 そして、とうとう決断をする。


「3日後だ。3日後に、このハーレムを解体する。

 ここに勤めていた者に関しては、全員解雇。一部の者には勤め上げたとして個別で感状を出しもするが、他はそういう(・・・・)扱いを受けるので、そのように覚悟をしておくように」


 ハーレムの強制解体だ。

 これ以上、ハーレムを維持する事はできない。

 現状をどうにかするため、責任者としてハーレムの終わりを告げた。



「待ってください! 急に、そのような話をするなど!!」

「そうです! お考え直し下さい!!」


 リュカの宣言に対し、多くの侍女は反発の様子を見せた。

 そうやって反発するのは、リュカを内心見下していた侍女達ばかりだ。


 リュカへの敬意を失わなかった侍女たちは事前に相談を受けていたため、この話を知っていた。

 現状を正しく理解していたので、彼女たちもリュカの決断は已む無しと、認識を共有している。



 リュカは騒ぐ侍女たちに冷たい視線を向けると、しばらく騒がせた後、低い声で言い放った。


「主を敬わぬ下など要らん。己の胸に手を当て、恥入る所が無いと言い切れるなら、もう一度何か言ってみるといい」


 リュカは他人の心を読む事こそできないものの、ある程度感情を見ることができる。

 自分に対し相手がどのような感情を抱いているのか?それが見えているからこその発言だ。


 言われた侍女たちは何か反論しようとしたが、リュカに気圧され、何も言えずに視線を逸らした。



「俺に対し敬意を払わないだけならば見逃そうと思ったのだが。子供たちに悪影響があるのなら、相応の対応をする。

 子を守る親の覚悟を見誤ったな」


 リュカがこのような決断をしたのは、子供の面倒を見る侍女たちがよからぬ動きを見せたからだ。

 子供の前でリュカを軽んじる発言を行い、自分たちに都合の良い考え方をするように教育(せんのう)しようとした。

 「帝国の為に」と言いはしていたが、明らかに帝国ではなく属国(自分の生まれた国)の為に動いていた。


 このような真似をされてしまえば、リュカだって動く。

 リュカは自身の行いの拙さを低く評価される事は受け入れるが、だからと言って不当な行いを認めるつもりなど無かった。

 特に、子供たち相手に何かするような人間に容赦などしない。



 リュカへの敬意を失わなかった侍女たちは、ハーレムで仕事を勤め上げたとしてリュカたちが責任を持って結婚の面倒を見るなど、正しく報酬を受け取った。

 勤め上げた者への配慮として、その実家にもかなりの恩恵がある。その証拠となる感状があれば、家に帰ったとしても家族が喜んで面倒を見るだろう。


 だがリュカを軽んじた侍女たちは、ただ職を失っただけだ。

 そして職を失ったその理由から、次の職場を見つける事も出来なくなってしまうのだった。

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