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ディアーヌ②

 リュカが仕事を終え戻ってくると、ハーレムはなぜか慌ただしかった。

 だいたい、リュカが長期の仕事を終えて帰ってきたとなるとディアーヌが出迎えるのだが、それが無かったのである。


 自分の家ではあるが、リュカは出迎えも無く勝手に入るのが久しぶりである。

 何が起きたのかと気配を探るが、見知った気配に欠けたものは無く、全員無事(・・)に揃っている。

 リュカが強いて気になる点を挙げるとすると、長男のジェラールが泣いている事ぐらいだろう。



「何があった?」

「リュ、リュカ様……」


 ちょうど近くを歩いていた侍女を捉まえ、リュカは何があったのかを確認することにした。

 いつも通りならばリュカの戻りは先触れが伝えているし、それに合わせた応対をする為に侍女全員に情報が通達されるのだが、それすらされていない様子だ。

 本当に、何が起きたのかと、リュカは不思議そうにしている。


「その……ディアーヌ様が……」

「ディアーヌ? ディアーヌがどうかしたのか?」

「あの、若返って、その……記憶が……記憶が、ご結婚以前まで戻ってしまわれたのです」


 リュカの質問に対し、歯切れの悪い侍女。

 それでも何とかリュカに、何かあったのかを伝える。


 聞かされたリュカは、目を見開き驚いた。

 何があったのか全く分からず、どうしてそうなったのかと、可能性を考察するが、ろくに情報も無いので思考が空回りし、固まってしまった。

 歴戦の勇士であるリュカにしてみれば、非常に珍しい反応である。



「よし。では、一度ディアーヌと顔を合わせよう。

 連絡を頼む」

「はい、分かりました」


 自分の目で、何が起きたのか確認しよう。

 リュカは状況が上手く呑み込めなかったため、まずはディアーヌと話をしようとしたが。


「しまった。マリアンヌからもう少し話を聞いて、それから会うようにするべきだったか?」


 軽率な行動に気が付き、自身が思った以上に混乱している事を理解して一人で頭を抱えるのだった。





 ミスに気が付いたリュカは、マリアンヌやセレストにも連絡を入れ、先にそちらと話をすることにした。

 謝罪をしてディアーヌとの顔合わせを遅らせると、二人の所に向かう。


 二人は話し合いをしていたらしく、リュカが来ると、疲れた顔に安堵の表情を浮かべた。


「ディアーヌが若返って、記憶まで年齢相当になったと聞いたけど。いったい何があったんだ?」

「ジェラールよ。あの子が回復魔法で、ディアーヌの記憶を消してしまったの」


 リュカに説明を求められたセレストは何があったのか、それを簡単に説明する。

 回復魔法を覚えたジェラールは、ちょっとした慰労のつもりでディアーヌに回復魔法を使ったところ、何故かディアーヌが若返ってしまった。

 その話を聞いたリュカは、天を仰ぐ。


「それは、記憶が戻せない(・・・・)パターンかもしれない」


 魔法に対して一家言のあるリュカは、ディアーヌの状況が最悪かもしれないと分かってしまい、軽く絶望した。

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