仲直り⑦
問題というのは、一つずつ片付けるのがセオリーである。
隙間時間の有効活用であったり平行できるものは平行して構わないが、優先順位を付け、基本的には最優先ものから片付ける。
コレットが子供達から避けられているというのは、ディアーヌとセレストの確執よりも優先すべき課題と考えられたため、マリアンヌやリュカはそちらのフォローに回る事にした。
そして、ディアーヌやセレストも、コレットを慰める、子供を諫めることに手を貸していた。
「子供達の様子はどうだった?」
「ジェラール達は大丈夫です。他の子供達は、ジェラール達が上手く誘導してくれると思いますよ」
リュカはディアーヌに子供達の状況を確認した。
子供達の中でリーダー的な立場にいるのが、長男のジェラールだからだ。
子供は、リーダーさえ抑えておけば意外と操縦しやすかった。
「あの子も悪気はなかったの。けど、どうするのが一番かちゃんと説明すれば、分かってくれたわ」
「うんうん。それなら良かった」
「ただ、コレットさんへのフォローは大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。それはセレストが上手くやってくれたみたいだ」
子供の悪い行動は、視野の狭さ、判断材料の少なさが特に大きな要因となる。
そこを大人がちゃんと教えれば、こちらの言うことを聞く“事もある”。
今回に関して言えば、ディアーヌの教育が上手くいったようだ。
普段からちゃんと子供と向き合っていたので、ディアーヌはジェラールの説得を成功させた。
これが他の誰かであれば、上手くいかない案件である。
「一部の子供は、ジェラールの下にいないわ。テレーズなら大丈夫でしょう。
けど、逆にそういった子供はコレットさんを避けていませんから。そもそも、元からあまり一緒に遊んでいないだけですわ」
子供関連はディアーヌにより、なんとかなりそうだと判断したリュカは、次にセレストの所を訪ねる。
「コレットの様子は?」
「自分の娘にまで拒絶されたことでしばらく泣いていたの。……重症ね。時間がかかるわよ」
こちらは上手くいっておらず、セレストは悲しそうな顔でコレットを気遣った。
「テレーズは大丈夫だったから、しばらくあの子に頼んでおいたわ。それで少しマシになったところね」
本が好きで大人しいテレーズは、普段コレットと接点が無い。
よって避けるかどうか以前の状態であったが、母親の要請によりコレットの相手を任されていた。
その対価として新しい本を買う約束が取り付けられているが、それぐらいは安いものだろう。リュカも二つ返事で了承している。
そしてコレットの娘、クロエは魔法が好きでリュカには懐いているが、母親であるコレットにはそれなりだ。
母親と言う事でそこまで仲が悪くはなかったのだが、今回はジェラールに引きずられる形でコレットから距離をとっていた。子供達の中で浮くことを嫌ったのだろう。
ジェラールの説得は済んでいるので、また徐々に仲を戻していくはずだ。
ディアーヌ側の話を聞いたセレストはホッと胸をなで下ろす。
「もう少し話を詰めておきたいわね。ディアーヌと話をしてくるわ」
コレットの様子を見ていたセレストだが、子供達の状況の確認をする為、ディアーヌともよく話すようになった。
その関係は以前のようであり、確執を感じさせない。
競争することで本音をさらけ出し、仲直りすることもある。
が、一つの目標に向かって協力し合うことでも、仲直りは成る。
今回は、競うよりも協力が二人を結びつけていくようであった。




