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仲直り⑥

 その後も何度かリュカは勝負を持ちかけた。


 前回と違い、単純に運のみが作用する、くじ引き。

 コレットが当たりを引いた。


 貝合(かいあわせ)と言われる、ペアになる貝殻を当てるゲーム。

 本人も狙ってやった訳ではないが、コレットが勝った。初手、全取りである。


 賽の目の勝負。当たり前のようにコレットが勝った。

 技術などは一切関係ない、運だけの勝利である。


 リュカはコレットには悪いと思ったが、計算問題の勝負もした。

 さすがに、これはセレストが勝った。僅差でディアーヌが2位と、接戦であった。

 なお、この勝負は全問正解が前提条件で、全問解き終えるまでの時間で勝負をしていた。





 競争を含め、5日の間に10回の勝負をした結果――コレット、8勝。

 圧倒的である。


 特に運の要素が絡んだ時の勝負強さは圧巻で、いかさまの類は一切していないにも関わらず、一度も負けなかった。

 リュカも不思議に思い、魔法的に何か起きていないか注視していたが、コレットは何もしていない。

 単純に、運だけで他3人に勝利をしていた。


 その後、冗談で賭場に連れて行かれたが、賭場のオーナーはコレットに土下座をすることになった。コレットは何をさせても、一度たりと負けなかったのである。

 当然のように、コレットは賭場に出禁である。オーナーは本気で泣いていた。


 コレットは今まで運に頼るような遊びをしてこなかったので誰も気が付かなかったが、そういった事をさせると、コレットは冗談ではなく、強い。

 リュカの魔法も大概であるが、コレットの賭博の才能も常人の枠に収まらない。

 コレットに賭け事で勝ちたければ、いかさまが必須。そしていかさまをしても勝てないことがあるという事が判明した。





 こうなると、コレットはそういった遊びには一切誘われることがなくなり、子供達を相手にしたお遊びでも混ぜて貰えなくなる。

 誰が勝つか分かりきっている勝負など、勝負とは言わない。

 子供達から遠ざけられることもあり、コレットはかなり傷付いた。



「お母さま。お母さまが来ると、面白くないの」


 リュカの子供たちが遊ぶ時、コレットもたまに混ぜて貰っていた。

 これまでは一緒に遊ぶこともあったのだが、コレットが勝負事で必ず勝つという話が伝わると、子供達は細かいことを考えずにコレットを排除したのだ。

 実際問題として、大人であるコレットが子供相手に本気を出すはずもなく、ちゃんと勝ちを譲っていたりもしたのだが、それでも駄目であった。


 本気で遊ぶには身体能力とか思考能力ではなく、運の勝負しかできない。

 なのに運の要素が強く絡めばコレットが勝つ。

 わざと負けてもらえば面白くないし、本気を出されれば絶対に勝てない。

 万事がそれでは子供達だって面白くないのだ。


 子供の素直さ、残酷さでコレットと遊びたくないと切り捨てる。

 勝負の絡まない、おままごとのようなものや一緒に歌ったり踊ったりするような遊びであれば何の問題も無いのだが、子供にはまだ、そういった区別が付かなかった。

 子供は視野が狭く、どこか一つで嫌ってしまうと、他も駄目という事になりやすいのである。





 落ち込んだコレットはリュカに泣き付くが、こればかりはリュカでもどうしようもない。

 時間をかけて、ゆっくりと対処するしかなかった。

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