第2話 神の代行業務
白を基調とした生地に
金と銀の華やかな装飾がされている
羽衣を纏った美女がいた。
「あの…すみません。」
「ここはどこですか。」
美女が答えた。
「ここは死後の迷える魂を導く場所です。」
「これからあなたを審査し、導きます。」
「やっぱり俺は死んだんですね。」
なんとなくわかっていた。
「はい。とても残念です。」
残念…か。
「あなたは神様ですか。」
「はい。私は神のようなものです。」
「その認識であってます。」
神様っていたんだな……。
いたならなんで助けてくれなかったんだよ。
「そうですか…。」
少し間が空いた。
神が喋った。
「あなたは前の人生で徳を多く積んでいることが
判明しました。」
「喜んでください。あなたは転生できます。」
「転生…。」
この言葉を聞いても
俺は全く喜べなかった。
前の人生であれだけ
いつか来る幸運を信じて頑張った。
できる限りの徳を積んだ。
なのにあんな形で人生が終わったんだ。
いないと思った神様もいた。
こんなの納得がいかない。
もう人生なんていらない…。
「あの…。」
「転生はしたくないです。」
俺は、神様に言った。
「いまなんと…。」
神様は二度瞬きをした。
「えっと。」
「転生したくありません。」
俺は再び答えた。
「なぜですか。」
「普通は皆さん喜んで転生されます。」
神様は困惑していた。
「俺は前の人生でもう疲れました。」
「そう、もう疲れたんです…。」
神様に対して失望や呆れの感情がそう言わせた。
「そうですか。」
神様が少し考えていた。
「わかりました。」
「では、代わりに私の仕事を少しやってもらいます。」
「し、仕事…。」
俺は思いもよらない返答に
困惑した。
「神は仕事が多く人手が足りてません。」
「あなたのような転生を断った人に
神の代行でいくつかの仕事をやってもらう決まりになってます。」
「あなたは」
「うーん」
「そうですね…」
「幸運を届ける仕事をやってもらいます。」
なんの冗談だろうか…。
あれだけ前の人生で
いつか来る幸運を信じて
来なかったのに。
俺が幸運を届ける仕事…
「バカにするのも程々にしてください。」
「バカになどしてません。」
「あなたは適任だと思います。」
「じゃあ、よろしくお願いしますね。」
神様がそう言うと
俺の周りが円状に光り出した。
「時間もないので、後は行ってから
先輩にでも聞いてください。」
「では、お気をつけて。」
「いや、まだやるなんて言ってませんけどー…。」
円状の光が俺の体を包んだ。
「ま、眩しい…。」
「なんだこれ。」
そう思ったのも束の間、
すぐに光がなくなっていた。
「ここ、どこだ。」
一度辺りを見渡した。
広い空間だな。
「バーンッ」
なんの音だ。
音の鳴る方へ向かった。
そこには思いもよらない物を持っている
人が何人かいた。
そう。あれは銃??
ライフルのような銃を持った人達が
何かを狙って撃っている。
「何を撃ってるんだろう…。」
「あれは…。」
「人だ……。」




